プレイドが「エンジニア以外にもGitHubを導入」したら、社内の分断がなくなった

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日本では「クラウド戦国時代」を迎えています。人材不足や働き方改革にあえぐ企業の“救いの手”として、国内企業のクラウドサービス利用率は年々高まっています。事業者も群雄割拠の様相を呈し、新しいクラウドサービスが続々誕生しています。

そんな中、「クラウドのプロ」とも言えるクラウドサービスを提供している企業は、多種多様なクラウドサービスの中からどんなサービスを選び抜き使っているのでしょうか。今回、全5回の特集「君たちはどう効率化しているのか」として、2018年10月5日(金)開催の「マネーフォワード クラウドExpo2018」に出展するクラウド企業5社にクラウドサービスの活用法を聞きました。

第3回は、CX(顧客体験)プラットフォームを手掛けるプレイドから、アクセラレーターの牧野祐己さんに「どんなクラウドを使って、君たちはどう効率化しているのか」を教えてもらいました。

エンジニア以外も「GitHub」を利用

企業 :株式会社プレイド
業種 :IT
社員数:75名(2018年6月時点)
▼今回紹介するクラウドサービス
GitHub(ソフトウェア開発プラットフォーム)
▼利用職種
全職種(本稿ではビジネスサイドの活用方法を紹介)

 

プレイドは、ウェブサイトに来訪したユーザーの顧客体験(CX/Customer Experience)を向上させるプラットフォーム「KARTE」の開発・提供を行っています。

顧客体験とは、商品やサービスの利用を通して、ユーザーが感動や満足感といった「価値」を得ること。「KARTE」は2015年3月の正式リリースから導入企業・サイト数を順調に増やしており、3年間の累計解析ユーザー数は22億人を突破しています。

【プロフィール】牧野 祐己(まきの ゆうき)
エンジニア 兼 アクセラレーターチーム リーダー
東京大学工学系研究科で修士課程卒業。2009年から2014年まで、IBMソフトウェア開発研究所で研究開発業務に従事。2015年にプレイドに参画し、データ分析エンジンの研究開発を担当。

 

「ウェブサイトに来訪したユーザーの行動や感情を視覚化し、それぞれのユーザーに最適な体験を提供するのが『KARTE』の特徴です。

従来のマーケティングツールと一線を画すのは、サイト全体の統計的なデータからざっくりとユーザー分析するのではなく、各ユーザーを“ひとりの人”として理解できること。

『KARTE』はそれぞれのユーザーを擬人化したアイコンで表示し、そのアイコンの表情から『この人は満足度が高まっている』『この人は困っている』などのステータスを把握して一人一人に適切なアクションを可能にしています」(牧野さん、以下同)


「KARTE」ウェブサイトから利用イメージを引用

そう話すのは、アドバイザーとしてバックオフィス業務をサポートする牧野さんです。名刺に書かれた職種は「アクセラレーター」。加速させるという意味があるとおり、事業の成長を推し進める役目を担っています。

牧野さんが任されているのは、フラットな組織作りや環境整備です。その一環として取り組んだのが、本来エンジニアが開発のために使うツール「GitHub」をビジネスサイドに導入する試みでした。

「弊社は、職種ごとに部署がきっちり分かれている訳ではなく、エンジニアサイドとビジネスサイドも同じチームに混在することがある柔軟な組織運営をしています。

そうすると、どの職種でも使えるチームのタスク管理ツールが必要になります。いくつか検討して、最終的にGitHubをタスク管理ツールとして全社的に利用することになりました」

他のタスク管理ツールを使ってみるも…

今やエンジニアには欠かせないツールのGitHubは、そもそもソースコードの管理・共有ができるソフトウェア開発プラットフォームです。ビジネスサイドには一見無縁のように思えますが、プレイドが全社導入を決めた理由にはGitHubの多機能性がありました。

「GitHubはソースコード管理機能のほかにも、タスク管理、外部ツール連携など機能が充実しています。ほかのタスク管理ツールも検討しましたが、必要な機能はGitHubで補えました。

また、いざ他のタスク管理ツールを導入してみても、結局エンジニアはGitHubしか使わないなんてこともありました。とにかくエンジニアはGitHubを使い慣れていて、そのため自社仕様のカスタマイズも長けていました。定着度と活用度を考えてもGitHubはちょうどよかったです」


2018年7月に移転したGINZA SIX 10階のオフィス内観

ビジネスサイドへの導入当初は抵抗感を示す社員も少なからずいました。エンジニアの定番ツールという認識は皆持っており、GitHubの概念や知識を習得するのには学習コストが高いことも知られていたからです。

「それでも、エンジニア以外が使い慣れるのに思ったよりも時間はかかりませんでした。導入時に一時間ほど勉強会を開きましたが、その後は各自が実際に使って慣れてもらいました。一週間ほどで運用は回り始めましたね」

ブラックボックスだったチーム間の進捗が一目瞭然

現在、ビジネスサイドの社員はタスク管理機能を中心に利用しています。


「GitHub」ウェブサイトよりIssuesの利用イメージを引用

「セールス、サポート、ソースコードなど担当や領域ごとにリポジトリ(ファイル保管場所)を設け、各リポジトリの中にそのチームのメンバーがタスクを格納していきます。

タスクの登録は『Issue』というタスク管理機能を使います。各タスクを、Issueとしてスレッドを立て、進捗状況を記していくのです。

Issueごとに関係者をアサインすることができ、完了するなど動きがあれば彼らに通知が届きます。進捗確認や打ち合わせが不要になるためコミュニケーションコストはかなり削減されました」

担当ごとにリポジトリは分かれていながらも、リポジトリ間のIssueの統合も可能なため、チームごとの縦割りの管理にならない点も好評です。

「Issueはリポジトリを超えて紐づけることもできるので非常に便利です。

例えばソースコードに問題があった場合、まず『ソースコードのリポジトリ』の中でIssueを上げますが、クライアントからその件の問い合わせがあったらサポートチームも『サポートのリポジトリ』でIssueを上げることになります。

サポートチームはエンジニアがソースコードを書き換えるまで追わなければなりません。この際に、リポジトリをまたいでそれぞれのIssueを紐づけ、複数のチーム間で進捗を一元管理できるのです。

またチームをまたぐ場合、この文章化されたコミュニケーションが活きます。例えば営業が開発に進捗状況をヒアリングして『進んでいるよ』と一言言われてもどこまで進んでいるか分かりませんが、文章なら粒度の細かい情報まで得られることが多いんですよね。

同様の方法で、チーム間のタスクの引き継ぎも、受け渡しが楽になりましたね」

エンジニアとビジネスサイドの分断も解消

GitHubの導入は、業務フローを改善しただけでなく社員の意識の変化にも大きな影響がありました。

「Issueを上げることに慣れたことから、社員が問題提起することに障壁を感じなくなりました

例えば、ちょっと予想外な使われ方をしたのは、オフィス環境への要望を書く『オフィスリクエスト』というリポジトリができたことです。本棚が欲しいとか検証端末の置き場を作りたいとか、気軽にIssueを上げることができます。

こういう意見や要望を言うのは抵抗感があるものですが、普段からIssueを上げることに慣れているので声を上げるハードルが下がっていますね。これはとても大きい効果ですし、風通しの良い企業カルチャーの醸成にもつながっていると思います」

GitHubを使うことで、エンジニアサイドとビジネスサイドの心理的な距離感も縮まったそうです。

「そもそもエンジニアサイドとビジネスサイドは相互理解不足から分断が起こりやすいです。

でも、ビジネスサイドがエンジニアのツールを使って作業することで開発への理解が深まったり、エンジニアと同じ視点を持てたりします。GitHubのおかげで両者の一体感が生まれたと感じています」

プレイドが目指す「笑顔になる顧客体験」とは

今回ご紹介したプレイドは、2018年10月5日(金)開催の「マネーフォワード クラウドExpo2018」に出展します。同社Business Management Directorの仁科奏氏によるトークセッションでは、サイト来訪者を数値ではなく「人」として捉え、個々人に対して最適な顧客体験(CX)を実現することを目指す、プレイドのビジョンについて知ることができます。

【講演タイトル】
「『私だけの体験』で、顧客の笑顔を増やす方法。」
株式会社プレイド Business Management Director 仁科奏氏
お申し込みはこちらから

【講演概要】
断片的な範囲に対応するマーケティングツールやデータが社内に複数存在することで、顧客体験の分断が生じています。顧客をデータや数字の塊として捉えてしまい、顧客目線から遠ざかるという課題に多くの企業が直面しています。
顧客(エンドユーザー)が嬉しさ・楽しさを享受して、笑顔になるCX(顧客体験)の実現のために何が必要か、一緒に考え始めるきっかけになればと思います。

【講演日時】
マネーフォワード クラウドExpo2018
2018年10月5日(金) 会場B  12:45-13:25

【Expo開催場所】
ANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区赤坂1-12-33)

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※掲載している情報は記事更新時点のものです。

BIZ KARTE編集部

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