フリーランス技術者向け、対面営業の基本

フリーランス、とくに最近増加傾向にあるエンジニアやデザイナーなどの技術者フリーランスの方は営業の経験が乏しい方も多いでしょう。だからといって「対面営業」を全くおこなわずに良い仕事を獲得することはなかなかできません。高額の案件はクライアントも「その人を見て発注したい」と考えるからです。せっかく引き合いをもらったり、実績をみて声をかけてもらっても、対面営業のイメージが悪く、受注を逃してしまうというつまらないつまづきを減らすためにも、技術者といえど対面営業のイロハは知っておくべきではないでしょうか。

ただ、営業についてはフリーランスになってからだと誰かが手取り足取り教えてくれる、というわけには行きません。そこで今回は、「技術者向けの営業のイロハ」をご紹介し、実践していただけるようなインストラクションを書きたいと思います。

営業=売り込み ではない、と認識することからはじめよう。

もしあなたが「営業のやることは売り込みである」と認識しているならば、それはいささか歪んだ営業のイメージかもしれません。営業が売り込みでよかったのは、遥か過去の話です。特にフリーランスの技術者にとって売り込みはかえってお客様を遠ざけてしまうことにもなりかねません。

では、営業とは何でしょうか。それは「相談相手である」ことです。複雑なことを依頼しなければならない場合、顧客は「相談できる相手」からサービスを購入します。したがって、営業が第一にやらなくてはならないことは、聞くこと、理解することの2つです。

1.聞くこと

まずは顧客の話を聞きましょう、ということは数々のトップ営業が言っていますが、実際にきちんと聞けているケースは少ないでしょう。きちんと聞けている状態は、少なくとも次の状態を指します。

・依頼の目的を聞けている
・目的を達成するやり方の希望を聞けている
・期限、予算、KGI、KPIを聞けている。
・顧客の体制を聞けている
・心配事を聞いている

これらがヒアリングできて初めて、「聞けた」と言えます。期限や予算、目的などを聞いただけでは不十分です。

2.理解すること

「聞く」と「理解する」は同じように見えますが、全く異なります。何が異なるのでしょう。それは、「聞く」というのは顧客の言ったことをそのまま受け取ることに対して、「理解する」はあなたがそれを解釈することです。

・依頼の目的は正しいのだろうか?
・目的を達成するやり方は適切だろうか?
・期限や良さ、KGI、KPIは適切に設定されているか?
・体制は十分か?
・心配事は大きなリスクではないか?

あなたの解釈が入り、初めて顧客とのコミュニケーションが成立します。場合によってはここから顧客と調整が必要です。なお、一般的に顧客はアドバイスには従いません。アドバイスが必要なことは「懸念点」として、次回までに解決するよう、別途メールか何かで形に残して伝えましょう。あなたのリスク回避にもなります。

2回めの商談はどうする

一度対面しただけで受注できるケースは少ないですが、2回めの対面で受注できなければ、受注できる可能性はどんどん低くなっていきます。2回めの対面商談は、「受注のためのひと押し」のために使います。

ここでやらなければならないことは大きく2つです。

1.宿題の確認

懸念事項や、不明点の解決をするよう、1回めに行った要求に対して確認を行います。ここで重要なのは、「こちらも相手を見極める」ということです。きちんと宿題をやって来る顧客はこちらも安心して取引ができますし、トラブルが合った時も交渉可能です。ですが、責任感のない顧客、宿題をやらない顧客はできるだけ断る方向でいったほうが良いでしょう。

2.クロージング

クロージングとは、商談を「閉じる」ことであり、受注を確定させることです。もっとはっきり言えば、「仕事をください」と、あなたが言うことです。

営業に不慣れな方はこの「はっきり言う」ことが苦手な方が多いと思います。ですが「はっきり言う」ことは非常に重要です。それは「顧客は押して欲しい」からです。もっと言えば、「はっきり言う」ことは、あなたの自信の現れなのです。あなたの口から、「責任をもってやりますので、お任せ下さい」という言葉が聞きたいのです。もちろん、タイミングを図る必要はあります。顧客が不明な点や心配事をクリアしていない状態で「お任せ下さい」と言っても、「いやいや、まだ頼めないから」と言われてしまうのがオチです。ですが、聞く、と理解する、がクリアされているのであれば、クロージングをしなければなりません。クロージングをしなければ、もっと自信の有りそうな競合に仕事が流れてしまうのです。

クロージングをしたら、その場で受注となるケース、もしくは失注が確定するケースが殆んどです。ただ、決済権を持たない担当者などから、「この場では決められない」と言われるケースもあります。その場合は、必ず、「回答の期日」を決め、「フォロー」を入れる必要があります。

まとめ

いかがでしょうか。ここに書かれていることは営業をやったことのある方なら当たり前のことが書いてあります。基本的な動作として、ぜひご活用下さい。

執筆者
Books&Apps

安達裕哉(あだち ゆうや)

1975年、東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。マネジメント、IT、人事コンサルタント。現在はコンサルティング行う傍ら、学習塾の経営を行い、人材育成に注力している。
facebook: https://www.facebook.com/yuya.adachi.58(スパムアカウント以外、だれでも友達承認いたします)
Twitter: https://twitter.com/Books_Apps



BIZ KARTE編集部

「BIZ KARTE Powered by MFクラウド」は株式会社マネーフォワードが運営している公式メディアです。
MFクラウドに関係する会計や経理などのバックオフィス業務をはじめとしたビジネスに役立つ情報を更新しています。

「MFクラウド」シリーズのサービス資料