相続税の申告が必要になった時に把握しておきたい6つのこと

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相続は突然訪れるので、いつまでに何を揃えてどこに提出したらよいのか混乱することもあると思います。そこで、今回は、相続税申告の手続について説明していきます。

相続発生後の流れ

相続税の申告には、相続人の確認、遺言の有無の確認、財産と債務の確認、財産の評価、遺産の分割などさまざまな手続きが必要です。

(1)相続人の確認

被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍等と相続人の戸籍謄本を本籍地から取り寄せ、相続人を確認します。

(2)遺言書の有無の確認

公正証書による遺言以外の遺言書がある場合、遺言書の開封は家庭裁判所で「検認」を受けてからとなります。検認とは、遺言書の偽造や変造を防ぐためのもので、相続人に遺言があることを知らせ、その内容を明確にするものです。

(3)遺産と債務の確認

被相続人の財産と借金などの債務を調べて目録を作ります。また、葬式の費用も控除されますので、領収書などは保管しておきましょう。

(4)財産の評価

相続税がかかる財産の評価は、相続税法と財産評価基本通達によって定められた基準をもとに行われます。

(5)遺産の分割

遺言書の内容に添った遺産分割を行わない場合には、相続人全員による協議をし、遺産分割協議書に決定した内容を記載しておきます。相続人が未成年者の場合には、分割協議に参加する特別代理人の選任を家庭裁判所で受け、その特別代理人が、分割協議を行います。なお、遺産分割が期限内に終わらなかった場合は、法定相続分に従って遺産分割が行われたとして相続税の申告をすることになります。

相続税の申告期限

相続税の申告期限は、相続が開始されたことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡日)の翌日から10カ月までと決められています。なお、この期限に当たる日が土・日・祝日の場合は、その日の翌日が期限となります。

相続税の申告書の提出先

相続税の申告書は、被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署になります。相続人の住所地を所轄する税務署ではないので注意しましょう。

相続税の納税方法の種類

税金の支払いは、税務署または郵便局などの金融機関で行います。

税金は現金で一括に納めるのが原則となりますが、延納と物納という特別な納税方法も認められています。延納、物納で納税するには許可が必要で、申告書の提出期限までに税務署に申請書を提出しなければなりません。

(1)延納

延納とは、相続税の金額が10万円を超えた場合において、現金での一括納付ができないことにくわえ担保を提供するという条件で、毎年一定額を納付するものです。ただし、延納している期間の間に課せられる利子税においても納付が必要となります。

(2)物納

現金での納付がどうしても難しい場合には、物納の申請を行うことにより、相続した財産での納付が認められています。

期限に遅れた場合

申告期限に遅れた場合や、実際よりも少なく申告をした場合には、もともと納める税額に加算税や延滞税が加算されます。また、申告期限までに申告書の提出は済ませたとしても、税金の支払いがを期限までに間に合わなければ延滞税が発生します。

相続税の申告に必要となる書類

相続税の申告書に添付して提出する主な書類は次のとおりです。小規模宅地の特例を受けたり、延納や物納の申請をしたりする際には、申請に必要な書類を事前に、税務署に確認するようにしましょう。

(1)一般の場合の必要書類

・被相続人の相続人全員を確認するための戸籍の謄本(相続開始の日から10日以降に作成されたもの)
・遺言書があればその写し、なければ遺産分割協議書の写し
・相続人全員分の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したものと同じ印鑑のもの)
・相続時精算課税適用者がいる場合は、被相続人およびその相続時精算課税適用者の戸籍の附票の写し(相続開始日以後に作成されたもの)
・マイナンバーを確認できる書類の写し
・身元確認書類の写し

(2)配偶者の税額軽減の適用を受ける場合の必要書類

・被相続人の相続人全員を確認するための戸籍の謄本(相続開始の日から10日以降に作成されたもの)
・遺言書があればその写し、なければ遺産分割協議書の写し
・全ての相続人の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したものと同じもの)
・申告期限後3年以内に可能な分割見込書(申告期限内に分割ができない場合)
・マイナンバーを確認できる書類の写し
・身元確認書類の写し
(参照:相続税の申告のしかた)

まとめ

相続が発生した場合、「相続の手続」と「相続税の申告手続」とは別なので混乱しないようにしてください。

ちなみに相続の手続きというのは、相続開始を知った日、つまり被相続人が亡くなったことを知った日から3カ月以内に、3つの中のいずれかの相続方法を選ぶことからはじまります。単純承認、限定承認、相続放棄の3種類ですが、ここではそられには触れません。あくまでも相続した場合、相続税の申告をどうするかについて見てきました。そろえるべき書類なども多いので、漏れのないように対応しましょう。

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※掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:土屋 英則 (税理士)

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