フリーランスとして独立するタイミングはいつがよいのか。

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最近、フリーランスとして独立を考える方々からよくいただくご相談が、「独立のタイミングをどのように見極めたらよいか」です。

若い方であれば、「もう少し企業の中で経験を積んだほうがよいのか?」と言うご相談がありますし、ある程度ベテランになってくると「家族がいるので、きっかけが掴みづらい」と言ったご相談もあります。

また、年配の方の中には「退職してからでもいいのでしょうか」と、保守的にお考えになる方もいます。もちろん、フリーランスのやり方に正解がないように、独立のタイミングに正解はありません。

したがって唯一できるアドバイスは「独立したいと思った時が、そのタイミング」でしょう。

しかし、タイミングによっては、しなくてよい苦労をしたり、生活に困ったりと困難が多い道となる可能性はあります。ですから、「きちんと食べていく」ために、いくつかのことは考えておいてもよいのではないかと思います。

独立のタイミングをどのように見極めるか?

1.知り合いから仕事をもらえるかどうか

独立して最初の1年間、フリーランスの方は「全く知らないお客様」から仕事をいただくことはほとんど無いでしょう。多くの企業は個人に仕事を出す場合、信用ができる知り合いか、知り合いの紹介を通じて依頼することが多いからです。

仮に全く知らない顧客と巡りあうとしても、それはクラウドソーシングなどのマッチングサービスを経由してのことが多いでしょう。しかしこちらは単価の安い仕事がほとんどだと思います。クラウドソーシングに頼って満足に食べていく水準を稼ぐのは厳しいでしょう。

独立して最初の1年間はとにかく「食べていけるかどうか」が勝負です。そのため、独立する前に「最初に仕事を出してくれそうな人」を確保しなければなりません。

会社員でいる間に、そのようなお客さんが見つかったら独立する、と決めておけば独立のタイミングも明確になります。

2.健康上の不安がないかどうか

フリーランスは健康第一です。あなたの代わりを務める人がいないのですから、体調を崩してしまうと以下の2つの点で苦労します。

1)体調を崩して休んでいる間は、収入が無くなる。

もちろん、休んでいる間に誰かがやってくれる、なんてことはありません。働いた分だけ稼げる、の裏返しは、休んだ分だけ収入が無くなる、なのです。

2)病気の治療には、それなりにお金がかかる。

収入が無くなるだけではなく、病気の治療にはお金がかかります。入院や手術となったりすれば、十万円単位でお金がかかりますから、収入ゼロ+経費の増加で、ますます精神的に辛くなります。

私の知人で、フリーランスをやめた理由の多くは「稼げない」でしたが、次点は「体調の問題」でした。

会社をやめる前に健康診断や会社の補助で人間ドックに行き、不安要素は無くしておきましょう。独立のタイミングは、健康なときに限るべきです。

3.今の会社に迷惑をかけないかどうか

立つ鳥跡を濁さず、といいます。今更言われるまでもない、という方が多いと思いますが、今の会社によっぽどの落ち度がない限り、プロジェクトの途中ややりかけの仕事が残されている時に独立するのは具合が良くないでしょう。

あまり良くない辞め方をすれば、噂は回りますし、業界内でネガティブな評価を受けてしまう可能性もあります。今いる会社を「顧客」だと思い、どうすれば穏便に手を引くことができるかを考えなければならないでしょう。

逆に、丁度暇になった、プロジェクトが終わったなどのタイミングは、独立するよい機会です。

4.家族の理解が得られたかどうか

家族がいるから安定を捨てて独立できない、という方は独立を目指す方の中では少ないと思いますが、家族の理解が得られていない、という方は少なからずいらっしゃると思います。

会社員と異なり、仕事は無制限ですし、休日も働き詰めになる可能性が高いフリーランスは、必ず家族にも影響を及ぼします。

また、始めようと思っているビジネスを家族に話した時、家族すら説得できないようではとても顧客を説得することはできないでしょう。

「最初の顧客」と思い、家族を説得することを最初の仕事としましょう。説得できたなら、そのタイミングで独立です。

5.お金は手元にあるか

お金が手元になくても独立できる、という方もいますが私はあまりお勧めできません。お金がなくなると、仕事を選べなくなるからです。

少なくとも1年間は無収入でも何とかなるくらいのお金が手元にたまった時点での独立がベターです。貯金の目標額を定め、そのお金がたまった時点で独立、というのがもっともよいタイミングではないでしょうか。

まとめ

もともと◯年◯月までに独立する、と決めている方は十分にリスクに備えていると思いますが、会社員も独立する、と決めるときに慎重になりすぎる必要はないと思います。

ですが、独立するタイミングはいくつかの条件が重なった時に偶然やってくるものかもしれません。焦らずタイミングを待つことも重要なのではないかと思います。

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