アナと雪の女王のプロデューサーに学ぶ!部下の意見を引き出す3つの魔法の使い方

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どんなに世間の流行に疎い人でも、昨年大ヒットしたディズニーの映画「アナと雪の女王」を知らない人はいないのではないでしょうか。この映画のプロデューサーであるジョン・ラセターはスタッフの意見やアイディアを積極的に活用することで有名です。

しかし、部下に意見を求めてもなかなか意見が出てこない経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか。今回は、アナと雪の女王のプロデューサー、ジョン・ラセター部下の意見を引き出す魔法の仕事術を紹介します。

ジョン・ラセターって何者?

ジョン・ラセターはピクサーのアニメーター兼監督です。スティーブ・ジョブズがピクサーを立ち上げた初期からのメンバーの一人で、トイ・ストーリーの監督でもあります。また、スタジオジブリとも親交が深く、千と千尋の神隠しではアメリカ版のエグゼクティブ・プロデューサーもしています。

アナと雪の女王ではプロデューサーのひとりとして、製作全体を指揮しました。まさに、業界の中では知らない人がいないほどの超有名人です。

ジョン・ラセターのプロデューサー術

ジョン・ラセターの特徴はトップダウンではなく、メンバーの意見やアイディアを引き出しながら仕事を進めることです。しかし、同じようにメンバーのアイディアを聞こうとしても、なかなか上手くいかなかった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで、ジョン・ラセターがスタッフのアイディアを引き出すためにしている3つの魔法を紹介します。

第1の魔法:自分とは違う意見を楽しみに待つ

どんな意見でも歓迎

「参加するスタッフに情報はすべて与えるが、それをどう表現するかまでは説明しない。彼らは自分のクリエイティブな面を発揮して僕がやるのとはたぶん違うことをしてくる。それが逆にインスピレーションになって、さらによいアイデアが生まれるのだ」
引用:東洋経済『アナと雪の女王』はなぜ面白いのか

第1の魔法は、自分と違う意見をメンバーが持つことを楽しみに待つことです。自分とは違う意見を持たせるために、ジョン・ラセターは情報を与えますが、それをどう表現するかまでは指示しません。こうすることで、スタッフが自分の頭で考えるきっかけを与えます。そして、スタッフが考えたアイディアを歓迎します。

自分とは違うアイディアを言われると、どうしてもどっちのアイディアの方が優れているかを考えてしまいがちです。ジョン・ラセターがそう考えない理由は、自分とは違うアイディアは新しいインスピレーションの元になると考えているからです。この考え方が部下のアイディアを引き出すための1つ目の魔法です。

第2の魔法:アイディア資本主義

意見を引き出す

現場の人間が自由に、何より平等に意見できる環境を作ることで、クリエイティブな爆発が起こる。ときには私もアイデアを出すが、それが絶対じゃないし、採用されるのは常に“最高の”アイデアだ。縦社会は、ものづくりに良い影響を与えない。
引用:映画.com採用されるのは常に“最高の”アイデアだ。縦社会は、ものづくりに良い影響を与えない。

ジョン・ラセターの作る現場の特徴は、いつでもアイディアが中心にあります。それはジョン・ラセターがプロデューサーとしてアイディアが中心にくるように環境を整えているからです。

アイディアを中心にした現場とは、具体的には肩書よりもアイディアを優先するということです。つまり、例え重役の意見であっても、スタッフのアイディアの方が優れていればそちらを採用するということです。これは、アイディアのためなら妥協をしないという姿勢の裏返しでもあります。

このようにアイディアが中心にある、いわばアイディア資本主義を守ることが2つ目の魔法の正体です。

第3の魔法:小さくトライする環境を用意する

ピクサーではスタッフが自分でやりたい企画を考え、それを自ら監督する。重役が入り込む余地はないんだ。そして、監督の自分の作品に賭ける情熱が、ほかのスタッフを突き動かし、お互いがインスパイアしていく。だからこそ、誰もが限界までベストを尽くすんだよ
引用:GQジョン・ラセターに訊く、「ピクサーはなぜ強いのか」

ピクサーでは、スタッフが自分でやりたい企画を考えて監督をします。これが、スタッフが作品に情熱を注ぐ源泉になっています。

しかし、全ての長編映画でスタッフの企画を採用し、監督させることはできません

そこで、ピクサーは多くのショートフィルムを制作しています。こうすることで小さくトライする経験を積むことができます。また、中には実験的な表現や演出を試してみることができます。そして、これらの短編映画の中には長編映画につながるものもあります。

小さくトライ・アンド・エラーをする機会を設けること、これが部下が意見を表現する場所を提供することにつながります。そしてこれが3つ目のジョン・ラセターの魔法の正体でもあります。

まとめ

優れたアイディアや意見は待っているだけでは出てきません。ジョン・ラセターのように積極的に引き出したり、表現しやすい環境を作り上げることが大切です。

「意見はないのか?」

と聞くだけでなく、意見を言いやすい環境づくりにもぜひトライしてみてください!

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