転職者は要チェック!転職後の住民税の手続きまとめ

一般的な場合、会社の給料から天引きされているため自分で納付をする必要がないのが住民税です。では、転職した場合の住民税はどのように納付すればいいでしょうか。ここでは、転職した際の住民税の納付の手続や方法について解説します。

特別徴収とは

特別徴収とは、所得税の源泉徴収のように会社側が住民税を地方自治体にまとめて支払う制度で、12カ月に分割された住民税が給与から天引きされ、支払われます。しかし、会社を辞める場合には、給与から徴収の上で納付してもらうことができなくなるため、状況に応じて以下の3つの方法で納付することになります。

・新しい勤務先で特別徴収を継続
・一括徴収
・普通徴収

転職先でも継続して特別徴収する場合

転職先が決まっている場合には、会社が「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を提出する際に、その届出書の記載項目の1つである「転勤(転職)等による特別徴収届出書」の欄に必要事項を記入してもらうことで、継続して特別徴収を行うことができます。

1つ注意点としては、「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」の必要事項を退職前の勤務先で記入し、その届出書を新しい勤務先に送付した上で、新しい勤務先で「転勤(転職)等による特別徴収届出書」の欄に記入して市区町村に提出する、という流れになるということです。

なお、「転勤(転職)等による特別徴収届出書」の欄の名称は、各自治体により呼び名が異なることがあります。

上記の方法が取られた場合には引き続き転職先でも特別徴収され、分割された住民税が差し引かれます。

ただ、退職から再就職までしばらく期間が空く場合や、何らかの事業で新旧の勤務先でのやりとりをお願いできない場合など、特別徴収を継続できないケースもあると思います。このように、継続の手続きを取るのが困難な場合には、一旦普通徴収にして、再度新しい勤務先を通じて特別徴収に切り替える方法もあります。なお、この場合には、退職時期によっては、退職時の給与や退職金から、一括して残りの期間の住民税が徴収されることがあるため注意が必要です。

一括徴収

継続して特別徴収を行えない、もしくは行わない場合は退職の時期により、以下の通り住民税の徴収が行われます。

退職日が1月1日から4月30日までの場合

前年度分の残りである退職月から5月支払い分までを一括して徴収を受けます(住民税は所得税と異なり、前年度分の税金を翌年6月から翌々年5月まで後払いをする形を取っているため)。 なお、退職時の給与、退職金が一括して徴収を受ける住民税の額を下回る場合は、その後普通徴収で納付することになります。

退職日が6月1日から12月31日まで場合

退職者の意思で、翌年5月までの住民税額の納付について、一括徴収か普通徴収かの選択をすることができます。

退職日が5月1日から5月31日までの場合

この場合は5月分のみですので、通常通りの住民税額が最後の給与から徴収されます。

普通徴収

普通徴収とは、会社に勤めていない人などが、住民税を個人で直接地方自治体に納税することをいいます。転職後に継続して特別徴収を選択しない場合、退職日が6月1日から12月31日であって、退職時に住民税の一括徴収を選択しなかった場合などは、特別徴収から普通徴収に切り替わります。
退職の際に普通徴収をする旨(一括徴収を選択しない旨)を伝えると会社側が手続きをしてくれ、納税時期になると地方自治体から案内が届きます。
普通徴収では6月、8月、10月、翌年1月の4回に分割して支払うため、12分割して毎月支払う特別徴収とは異なります。 また、普通徴収を選択した場合でも、その後転職先で「普通徴収から特別徴収への切替届出書」を提出することにより、普通徴収から特別徴収へ変更できます。

まとめ

このように、転職時には住民税について適切な手続きが必要になります。特に一括徴収の場合は最後の給与から多くの額が住民税として徴収されることになるので、資金的な観点から問題ないか確認するとともに、特別徴収を継続する余地の有無なども検討しておきましょう。

また、届出書は会社を通して提出するので、新旧の職場とよく相談して書類の不備や理解不足による住民税延滞という事態にならないように気をつけましょう。

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監修:山邊 泰匡 (公認会計士)

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