産官学連携!京大ベンチャーファンドが出資する最先端のベンチャー企業まとめ

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任天堂や京セラ、ワコールに日本電産。国内を代表するこれらの企業にはひとつの“共通点”があります。おわかりでしょうか?

これらの企業はすべて「京都を発祥に大きな成長を遂げた企業」であるという共通点があります。

そんな価値ある企業を京都から輩出すべく、2007年の設立以来ベンチャー企業を支援し続けている京都大学の「京大ベンチャーファンド」が注目を集めています。

これまでにも、既に多くの企業が京大ベンチャーファンドから財務的な支援や実践的なノウハウの提供を受けています。ここでは京大ベンチャーファンドの概要から、具体的にどういった企業が支援を受けているのかご紹介していきます。

京大ベンチャーファンドとは?

京大ベンチャーファンド

設立の目的

京大ベンチャーファンドは、京都大学における研究成果の起業化を促進するため、そして京都大学に関連した事業を営むベンチャー企業等を多面的に支援し、企業の成長を促進するために設立されました。

日本ベンチャーキャピタル株式会社が広く投資家から集めた資金を、京大教員や大学院生、卒業生などが設立したベンチャー企業、京都大学と関連した事業を営むベンチャー企業などに投資します。

投資を受けたベンチャー企業は、その資金で研究開発等を行い、商品化を実施します。

投資対象基準

京大ベンチャーファンドの投資対象基準は、以下の通りとなっており、投資企業が京都大学と関連する事業を営んでいることが必須条件となっています。

・京都大学の研究をもとにしたベンチャー企業
・京都大学関係者が起業に関係するベンチャー企業
・京都大学との共同研究によって発生したベンチャー企業
・その他、京都大学とシナジー効果を生み出すベンチャー企業等

投資までの流れ

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(参照:京大ベンチャーファンドパンフレットより)

京都大学や日本ベンチャーキャピタル株式会社の持っている幅広いネットワークを活用し、投資対象となり得る企業を発掘します。投資先の候補となった企業に関しては、社内審査が行われ経営者や技術力、ビジネスモデル、財務状況等を多面的に分析します。

そして、社内審査を通過した企業に関し、投資委員会の審査が行われます。投資委員会では、京都大学の教員や外部有識者が中心となり、投資の回収が見込めるのか否か厳格な審査が行われます。

そして審査を通過した企業に対して、実際に投資が行われます。

投資後は、日本ベンチャーキャピタル株式会社が経営面や人材面などの観点から支援を行い、将来のIPO等により、創業者利益が実現できるような体制が整えられています。

京大ベンチャーファンドが提供する充実のサポート

京大ベンチャーファンドは、投資先企業にお金を提供して終わりということではありません。起業前あるいは起業後の経営等相談、起業教育プログラムなどが準備されています。具体的にどのようなサポートなのか、見ていきましょう。

起業相談

起業に向けた準備活動をしている、または既に起業した京大の教員、大学院生、学部生に対して、実施すべき施策をリストアップし、コンサルティングを提供しています。

スタートアップ期はベンチャー企業の成否を左右する重要な時期ですので、このような相談相手がいるということは、起業家にとって大変頼もしい存在となります。

起業教育プログラム

起業教育は、以下の3つを柱として行われています。

・起業に対する関心喚起
・基本的な起業スキルの習得
・実際に事業計画を立案する体験型教育

起業のシミュレーションを起業経験者の体験等を基に学ぶことができ、これから起業しようとする教員や学生に自信を持たせる効果が期待されています。

京大ベンチャーファンド投資先企業19社

京大ベンチャーファンドは、実際にどのような企業に出資を行っているのでしょうか。以下で、出資を受けた企業をその事業内容とともにご紹介します。

株式会社レノバメガソーラーを初めとした再生可能エネルギー事業や、リサイクル事業を運営する環境事業開発会社
株式会社クエステトラWebベースの業務プロセス管理システムを開発提供
株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチ触媒関連の技術を幅広い事業領域で展開する目的で設立
シンバイオ製薬株式会社新薬を開発し、医療の現場に提供することにより「空白の治療領域」に光をあてることを企業使命とし、「共創・共生(共に創り、共に生きる)」という理念のもと設立
株式会社ディープインパクト医薬品のマーケティングを総合的にプロデュースする目的で設立
株式会社フェニックスバイオヒト細胞の機能を、様々な用途に利用しやすく提供する新事業を展開する目的で設立
SCIVAX株式会社製薬企業や大学等で行われる研究開発向けの細胞培養容器の製品開発が事業の中心
マークラインズ株式会社自動車関連企業のマーケティングや原材料調達のための情報を発信し収集するツールを提供することを目的に設立
株式会社オークファンネットオークションの価格・相場を提供する情報サイトを運営する目的で設立
エリーパワー株式会社大型の電力貯蔵用リチウムイオン電池の普及を事業の中心として設立
株式会社UMNファーマバイオ医薬品受託製造事業を柱として企業活動を展開
株式会社メタップス人工知能によるアプリ収益化支援を目的に設立
Delta-Flay Pharma株式会社研究開発データに基づいたガン関連の医薬品の開発を目的に設立
株式会社リボミックガンや難病、免疫疾患などの分野で求められている新薬を「アプタマー創薬」により開発し、早期の市販化を実現する目的で設立
株式会社BERTRAND弁当箱のデザイン、製作・販売を手掛ける企業
株式会社サイフューズ最新鋭のロボット技術を用いて、細胞から一人一人に最適な立体組織を作成し提供する目的で設立
GLM株式会社電気自動車の開発・販売を目的に設立
株式会社ウィリルモバイルPC・モバイルSEO事業、モバイルメディアの企画、開発、運営を目的に設立
アストリム株式会社iPS細胞技術を用いた治療用再生T細胞の作製、薬剤のスクリーニング用のT細胞の作製という2つを事業の柱として設立

(※上記一覧は公式サイト上で公開されている、2014年9月時点で投資している投資先の企業となります。)

まとめ

京大ベンチャーファンドが支援している企業にはバイオからIT、自動車産業、さらには弁当箱のデザイン販売を行っているという企業まで幅広く支援を受けています。

現在では、国内でも様々なベンチャー企業向けのファンドが存在しています。ぜひ一度、自社の事業に合ったファンドからの支援を受けることを検討してみてはいかがでしょうか。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

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