勤怠管理システムで使うICカードとは?
ICカードが使えるシステムも紹介

更新日:2024年6月28日

従業員の勤怠管理のためには、正確な労働時間の把握が不可欠です。正確に労働時間を把握するためには、打刻漏れや不正な打刻があってはなりません。

当記事では、勤怠管理システムで使用されるICカードについて解説します。ICカードへの理解を深めて、正確かつ効率的な勤怠管理を目指しましょう。

勤怠管理システムにおけるICカードとは

勤怠管理システムとは、出退勤の時刻を打刻することで、従業員の勤怠状況を記録するシステムです。勤怠管理システムには、クラウド型やオンプレミス型といった複数の種類がありますが、なかには打刻方法としてICカードを利用できるものも存在します。

ICカードとは

ICカードとは、情報の記録などを行う集積回路を搭載したカードのことです。集積回路は、英語で「Integrated Circuit」と表記され、その頭文字を取ってICカードと呼ばれています。我々の生活に身近なICカードとしては、SuicaやPASMOなどをはじめとする交通系ICカードが挙げられるでしょう。

ICカードは、情報を読み取る方法によって、接触型と非接触型の2つに分類されます。接触型は後述するICカードリーダーなどに挿入する必要がありますが、非接触型はかざすだけで使用可能です。先ほど例に挙げたSuicaやPASMOは、非接触型ICカードに分類されます。

かざすだけで使用できる非接触型ICカードのほうが、接触型に比べて利便性は高いです。しかし、強固なセキュリティが求められるクレジットカードやキャッシュカードは、確実な通信を行える接触型を採用している場合が多くなっています。

勤怠管理システムにおけるICカードの役割

打刻の方法としてICカードを選択することで、不正打刻を減少させることが可能です。タイムカードは貸し借りがしやすいため、同僚による代理打刻などの問題も起きやすくなってしまいます。しかし、ICカードは本人と紐づいているものが多く、本人以外の打刻は難しくなっています。指紋認証などの生体認証機能を備えたICカードであれば、さらに代理打刻は困難です。

ICカードによる打刻は、かざしたり機器に挿入したりするだけでよいため、従業員に対して特別な講習などを実施しなくてもすぐに利用できます。また、勤怠データが自動で集計されるため、手作業での入力による手間やミスを減らす効果も期待できるでしょう。

ICカードの種類と規格

ICカードには、接触型や非接触型による分類の他にも、規格による分類が存在します。本項では、FeliCa・MIFAREについて規格ごとの詳細を解説します。

勤怠管理システムに、FeliCa規格とMIFARE規格のいずれのICカードを用いるかは、企業の自由です。それぞれの特徴を踏まえたうえで採用を決定しましょう。

FeliCa規格

FeliCaは、ソニー株式会社開発による非接触型ICカードの規格です。FeliCa規格によるICカードの代表例には、Suica・PASMOなどの交通系ICカードや、nanaco・Edy・WAONといった電子マネーが挙げられます。マンションなど集合住宅の鍵としても使用されており、その用途は非常に幅が広いものとなっています。

FeliCa規格によるICカードは、高速でのデータ送受信が可能です。そのため、駅構内の混雑緩和のために、高速でデータのやり取りが必要となる交通系ICカードに採用されています。また、高いセキュリティ性も備えており、電子マネーに適した規格です。ただし、後述するMIFARE規格と比較して、カードの価格が高くなるといったコスト面でのデメリットも存在します。

MIFARE規格

国産であるFeliCa規格に対して、MIFAREはオランダのフィリップス社が開発した非接触型ICカードの規格です。FeliCa規格は、国内で多く採用されていますが、世界的には安価なMIFARE規格が多く採用されています。北京やロンドンといった大都市の交通機関でもMIFARE規格が採用されており、世界的な普及率の高さを示しています。

国内では、タバコ購入用のTASPOにMIFARE規格が採用されています。また、低コストであることから、社員証や学生証などにも多く用いられています。

ICカードリーダーとして著名な機器

身分証として提示するような場合を除き、ICカードはカード単体では使用できません。記録されたデータを読み取る機器が必要です。そのための機器がICカードリーダーとなります。

そもそもICカードリーダーとは?

ICカードリーダーは、ICカードに記録された電子的な情報を読み取るために必要な機器です。ICカードに記録された情報は、紙に書いた文字のように目に見えるものではないため、このような機器が必要となります。また、ICカードが接触型と非接触型に分類されるように、ICカードリーダーも接触型と非接触型の2種類が存在します。

コンビニエンスストアやスーパーの店頭には、電子マネーによる支払いに対応したICカードリーダーが設置されています。交通系ICカードで購入可能な自販機も多く設置されており、ICカードリーダーは、我々の身近に多く存在します。また、マイナンバーカードを用いた電子申請では、カードに搭載された電子証明書を読み取るためにICカードリーダーが必要です。そのため、個人でICカードリーダーを所有する人も多いでしょう。

ICカードリーダーといっても、全てのICカードに対応しているわけではありません。対応しているカードか否かを確認するだけでなく、接続するPCやモバイル端末のOSの種類や、バージョンにも注意することが必要です。

ICカードリーダーとして著名な機器

勤怠管理システムに利用可能なICカードリーダーを紹介します。勤怠管理システム導入の際の参考としてください。

PaSoRi

「PaSoRi」は、ソニー株式会社が販売する非接触型のICカードリーダーです。FeliCa規格とMIFARE規格双方に対応しており、交通系ICカードを使った打刻も可能となっています。かざすだけで利用可能な非接触型であるため、カード自体の摩耗や損傷を防ぐことができます。

参考:RC-S300/S1|ソニー株式会社

ピットタッチ

「ピットタッチシリーズ」は、株式会社スマート・ソリューション・テクノロジーが提供するネットワーク対応ICカードリーダーです。代表的なICカードリーダーのひとつで、自社の目的や規模に応じて、コストパフォーマンスの高い「ビズ」や高機能な「プロ3」といったラインナップから機器を選択できます。プロ3は無線LANにも対応しており、より柔軟な運用が可能です。

参考:製品一覧|株式会社スマート・ソリューション・テクノロジー

ICカードが使える勤怠管理システム - マネーフォワード クラウド勤怠

勤怠管理システムであっても、その全てにおいてICカードの利用ができるわけではありません。しかし、「マネーフォワード クラウド勤怠」であれば、ICカードも利用可能です。本項ではマネーフォワード クラウド勤怠の特徴を紹介しますので、導入を検討する際の参考にしてください。

FeliCa規格に対応(MIFAREは非対応)

マネーフォワード クラウド勤怠は、FeliCa規格のICカードに対応した勤怠管理システムです。MIFARE規格のICカードによる打刻には対応していませんが、国内で広く普及しているFeliCa規格に対応しているため、多くの企業で導入可能でしょう。

WindowsだけでなくMacOSにも対応しており、使用するPCを問わず利用できます。専用のICカードリーダーではなくPaSoRiが使用できるため、導入に多くのコストを掛けられない企業にもおすすめです。

参考:打刻モード「ICカード」の操作方法|マネーフォワード クラウド勤怠サポート

マネーフォワードで選べる打刻方法

マネーフォワード クラウド勤怠が提供する打刻方法は、ひとつではありません。Web打刻やスマートフォンによる打刻だけでなく、ピットタッチシリーズを利用したネットワーク対応ICカードリーダーによる打刻も可能です。

マネーフォワード クラウド勤怠では、企業の義務となった労働時間の客観的な把握に対応可能な打刻機オプションも提供しています。ミスの削減や、業務効率化だけでなく、コンプライアンス向上にも寄与する勤怠管理システムであるといえるでしょう。

ピットタッチシリーズについては、初期設定の代行も行っています。機器の設定に不安がある企業であっても、このサービスを利用すれば安心して勤怠管理システムを導入できます。

参考:選べる勤怠打刻方法とシステム|マネーフォワード クラウド勤怠

ICカードを活用して効率的な勤怠管理を

労務管理上、正確な勤怠管理は必要不可欠です。しかし、従来型の紙ベースによる勤怠管理では、どうしてもミスや不正が起きがちとなってしまいます。

ミスや不正のない正確な勤怠管理を求めるのであれば、ICカードを用いた勤怠管理がおすすめです。マネーフォワード クラウド勤怠は、ICカードを用いた勤怠管理にも対応しています。当記事を参考に、ぜひ導入を検討してください。