• 作成日 : 2025年11月13日

XのAI「Grok」とは?使い方や料金、危険性は?無料で使えるか、ChatGPTとの違いも解説

Grokとは、イーロン・マスク氏が率いるxAI社によって開発された、対話型の生成AIです。最大の特徴は、ソーシャルメディアプラットフォーム「X(旧Twitter)」と直接連携し、最新の投稿やトレンド情報をリアルタイムで反映できる点にあります。現在、Grokはフルアクセス可能な有料プランの他に、回数制限付きの無料版が提供されています。 Grokの能力を最大限に引き出すためには、 Xの有料プランである「X Premium+」やGrok専用のプレミアムプランである「SuperGrok」などに加入する必要があります。

この記事では、Grokの正しい読み方から具体的な使い方、無料版と有料版の違い、そして多くの人が気にする「危険性」や「利用がバレる」といった懸念点まで、最新情報に基づき分かりやすく解説します。

そもそもGrokとは何か?(読み方と特徴)

Grok(読み方:グロック)とは、xAI社が開発し、X(旧Twitter)プラットフォームに統合されている生成AIチャットボットです。他のAIとは一線を画す、ユーモアと少し皮肉の効いた、人間らしいユニークな個性を持つように設計されています。

その背景には、既存のAIが過度に安全性を重視するあまり、当たり障りのない回答しか生成しないという問題意識があります。Grokは、あえて少し過激で反抗的な性質を持つことで、より自由な発想や情報を提供することを目的としています。名称は、SF作家ロバート・A・ハインラインの小説『異星の客』に登場する言葉で、「深く、直感的に物事を理解する」という意味に由来します。

Xのリアルタイム情報を反映

Grokの最大の強みは、X上の膨大な投稿データをリアルタイムで参照できることです。これにより、他のAIが学習データに含まれていないような、ごく最近のニュースやトレンド、世の中の評判についても、即座に要約し回答を生成できます。

ユーモアと少し過激な個性

Grokには、事実に基づいた回答をする「通常モード」の他に、より大胆でエンターテイメント性の高い回答をする「ファンモード」が搭載されています。これにより、ユーザーは目的に応じてAIの個性を切り替えながら、対話を楽しむことができます。

Grokの使い方は?

Grokは、Xのアカウントを持っていれば誰でも基本的な機能を利用できます。 以前は有料プラン加入が必須でしたが、現在はより多くのユーザーがその性能を試せるようになっています。

利用方法は非常にシンプルで、特別なアプリケーションをインストールする必要はありません。

  1. Xにログイン:Xのウェブサイトまたは公式アプリから、ご自身のアカウントにログインします。
  2. サイドメニューからアクセス:Xのサイドメニュー(PCブラウザでは左側、スマートフォンアプリではアイコンをタップして表示)に「Grok」という項目が追加されています。
  3. 対話を開始:「Grok」を選択するとチャット画面が開き、すぐに質問や指示を入力して対話を始めることができます。

Grokの料金は?無料で使えるか?

Grokの基本機能はXアカウントがあれば無料で利用可能です。 ただし、無料版には利用回数に厳しい制限があり、全ての機能を利用するには依然として有料プラン「X Premium+」が必要です。

AIの普及とプラットフォームの活性化を目的として提供戦略が変更され、多くのユーザーがGrokの性能を試せるようになりました。

無料版と有料版(X Premium+)の比較

比較項目無料版有料版 (X Premium+)
月額料金無料1,960円(目安)
利用条件Xアカウントを保有X Premium+への登録
Grok利用制限1日の質問回数に制限あり(例: 10回程度)制限が大幅に緩和
利用モード通常モードのみ通常モード+ファンモード
優先度標準ピーク時も優先的にアクセス可能
その他特典なしXの広告非表示、長文投稿などPremium+の全機能

(料金は改定される可能性があるため、必ずXの公式サイトで最新情報をご確認ください)

無料版は、GrokがどのようなAIかを体験するには十分ですが、日常的な情報収集やビジネスで活用するには、質問回数の制限がネックとなります。一方、有料版では制限を気にすることなく、Grokのユニークな「ファンモード」も存分に楽しむことができます。

Grokの危険性と「利用がバレる」という懸念は?

Grokの危険性とは、その独特の個性と情報源に起因する「不正確・不適切な回答」や「情報の偏り」のリスクを指します。「利用がバレる」という懸念は、Grokの利用が匿名ではなく、個人のXアカウントに紐づいているという事実に由来します。この点は無料版・有料版共通です。

危険性①:不正確・不適切な回答

Grokは意図的にフィルターを緩くしているため、他のAIであれば避けるような、物議を醸すトピックや不適切なジョークを生成する可能性があります。また、リアルタイム情報を反映するがゆえに、X上で拡散されている誤情報やフェイクニュースを事実であるかのように回答してしまう危険性も指摘されています。

危険性②:情報の偏り(バイアス)

Grokの主要な情報源はXの投稿データです。そのため、Xプラットフォーム全体のユーザー層や言論の傾向(エコーチェンバーなど)が、そのままAIの回答の偏りとして反映される可能性があります。特に、Xには差別的発言やヘイトスピーチなど、社会的に問題のある投稿も含まれることがあるため、回答にその影響が現れる場合もあり、ビジネス用途には不向きです。多様な視点からの客観的な情報を得たい場合には注意が必要です。

「利用がバレる」とはどういう意味か?

この懸念は、プライバシーに関するものです。Grokを利用するには、特定のXアカウントでログインする必要があります。そのため、誰がGrokを利用しているかがX社に把握される可能性があります。また、将来的にGrokとの対話履歴がAIのさらなる学習や、X上での広告ターゲティングなどに利用される可能性もゼロではありません。匿名でAIを利用したいユーザーにとって、この点は大きな懸念事項といえるでしょう。

Grokで何ができるか?(ChatGPTとの違い)

Grokが最も得意とすることは、「今、この瞬間に世界で起きていること」に関する質問に答えることです。これは、一般的なAIが持つ「知識のカットオフ(学習データの最終日時)」という弱点を克服している点で、ChatGPTなどとの決定的な違いです。

比較項目GrokChatGPT (GPT-4o)
主な情報源Xのリアルタイムデータ、Web2023年頃までの大規模なデータセット、Web(都度検索)
得意なこと最新のニュース、トレンド、世論の要約普遍的な知識に基づく文章作成、要約、分析、創造
個性ユーモア、皮肉、反抗的(調整可能)中立的、客観的、協力的
利用料金基本無料(回数制限あり)、有料プランあり基本無料(回数制限あり)、有料プランあり
画像生成・認識限定的(テキストベースが中心)可能(DALL·E 3、GPT-4o)

(2025年9月時点の比較)

例えば、「昨夜のスポーツの試合結果について、ファンの反応をまとめて」といった質問に対して、GrokはX上のリアルタイムの投稿を分析し、熱量の高い要約を生成できます。一方、ChatGPTは、より普遍的で詳細なレポート作成や、ビジネス文書の起案といったタスクを得意とします。

画像の扱いは?

Grokの主な機能はテキストベースの対話であり、画像の生成や高度な画像認識機能は、ChatGPTなどの競合AIに比べて限定的です。今後のアップデートで機能が拡張される可能性はありますが、現時点ではテキスト情報を扱うAIと考えるのが適切です。

Grokを理解し、情報収集の新たな選択肢とするために

この記事では、xAIが開発したユニークなAI「Grok」について、その最新の提供形態から使い方、料金、そして潜在的なリスクまでを詳しく解説しました。

Grokは基本機能を無料で試せるようになったことで、より多くの人々にとって身近な存在となりました。その最大の価値は、Xのリアルタイム情報にアクセスできる点にあります。世の中の「今」を素早く掴みたいマーケターやジャーナリストにとっては強力なツールとなりえます。

しかし、その回答には偏りが含まれる可能性があり、利用が個人アカウントに紐づく点も理解しておく必要があります。Grokは万能のAIではなく、ChatGPTやGeminiといった他のAIと特性を理解した上で使い分けるべき、新たな情報収集の選択肢といえるでしょう。


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