- 作成日 : 2025年11月13日
Gemini APIの使い始め方とは?料金、無料枠、Pythonでの使い方まで解説
Gemini APIは、自社のアプリケーションやサービスにGoogleの高性能AI「Gemini」を組み込むための、開発者向けツールです。活用することで、オリジナルのAIチャットボットを開発したり、既存の業務システムをAIで高度化したりすることが可能になります。
この記事では、Gemini APIでできることから、気になる料金体系、無料で使える範囲、そしてAPIキーを取得してPythonで使い始める基本的な手順までを、専門家でない方にも分かりやすく解説します。
目次
そもそもGemini APIとは何か?
Gemini APIとは、Googleが提供する生成AIモデル「Gemini」ファミリー(Gemini 2.5 Proなど)を、自身のプログラムやアプリケーションから呼び出して利用するための、公式な接続口(インターフェース)のことです。
通常、私たちはWebブラウザで提供されるチャットインターフェースを通じてAIと対話しますが、APIを利用することで、AIの頭脳部分だけを借りてきて、自社独自のサービスとして提供できるようになります。例えば、自社のWebサイトに設置する問い合わせ対応チャットボットの裏側で、Gemini APIを動かすといった使い方ができます。
Gemini APIで何ができるか?
Gemini APIを導入することで、Geminiの持つ高度な機能を自社のサービスに統合できます。アイデア次第で、様々な業務の自動化や新しいサービスの創出が可能です。
- カスタムAIチャットボットの開発: 自社の商品情報や業務マニュアルを学習させた、専門的な問い合わせに対応できるチャットボットを開発できます。
- 業務の自動化: 受け取ったメールの内容をAPIで解析し、要約して担当者に通知したり、返信文の下書きを自動作成したりするシステムを構築できます。
- コンテンツ生成の効率化: ブログ記事やSNS投稿の案を、キーワードを基にAPI経由で大量に生成させることができます。
- マルチモーダル機能の活用: 画像や動画、音声データをAPIに送信し、その内容を文字で書き起こしたり、要約させたりすることも可能です。
Gemini APIの料金体系と無料枠は?
Gemini APIの料金は、AIが処理したデータ量(トークン数)に応じた従量課金制です。ただし、開発者が気軽に試せるように、一定の利用量まで無料で使える「Free Tier(無料枠)」が設けられています。
料金の仕組み
料金は、AIへの入力データ(インプット)と、AIからの出力データ(アウトプット)のそれぞれの「トークン数」に基づいて計算されます。トークンとは、AIがテキストを処理する際の単位で、言語や文脈により複数の文字で1トークンになることもあります。特に日本語の場合、英語と比べて1文字あたりのトークン消費量が多くなる傾向があります。
料金は利用するモデル(例: Gemini 2.5 Pro、Gemini 2.5 Flash)によって異なります。
無料枠について
Gemini APIには、特定のモデル(例:Gemini 2.5 Flashなど)について、1日あたりのリクエスト数(RPD)や1分あたりのリクエスト数(RPM)に制限はありますが、無料で使える「Free Tier」が設定されています。小規模なアプリケーションの開発やテストであれば、多くの場合、この無料枠の範囲内で十分に行うことができます。ただし、こうした無料枠は変更の可能性もありますので、最新の情報は必ず公式ドキュメントで確認しましょう。
Gemini APIキーの取得方法は?
Gemini APIを利用するには、認証キーである「APIキー」が必要です。開発やテスト用途であれば、「Google AI Studio」というWebサイトから、数クリックで簡単に取得できます。
Google AI StudioでのAPIキー取得手順
- Google AI Studioにアクセス: お手持ちのGoogleアカウントでGoogle AI Studioの公式サイトにログインします。
- 「Get API key」をクリック: 画面の左側サイドバーの下部に「Get API key(APIキーを取得)」というメニュー項目がありますので、これをクリックします。
- APIキーを作成: 「Create API key in new project(新しいプロジェクトでAPIキーを作成)」ボタンを押します。
- キーをコピーして保存: すぐにAPIキー(長い文字列)が生成されます。このキーは後から再表示できないため、必ずコピーして安全な場所に保管してください。
【注意】 APIキーは、パスワードと同様に非常に重要な情報です。第三者に知られないよう、厳重に管理する必要があります。
Gemini APIの基本的な使い方(Python編)
APIキーが取得できたら、プログラミング言語のPythonを使ってGemini APIを呼び出してみましょう。ここでは、最も基本的な使い方を紹介します。
Pythonでの実行手順
- ライブラリのインストール:
まず、ターミナルやコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行し、Googleの公式ライブラリをインストールします。
pip install google-generativeai - コードの作成と実行:
次に、以下のような簡単なPythonコードを作成し、実行します。YOUR_API_KEYの部分は、先ほど取得した自身のAPIキーに置き換えてください。
Pythonimport google.generativeai as genai# APIキーを設定
genai.configure(api_key=”YOUR_API_KEY”)
# 利用するモデルを選択
model = genai.GenerativeModel(‘gemini-2.5-pro-latest’)
# AIに指示を出す
prompt = “日本の首都について教えてください。”
response = model.generate_content(prompt)
# AIからの回答を表示
print(response.text)
これを実行すると、AIからの回答(「日本の首都は東京です。」など)が表示されます。
APIの使用状況や料金の確認方法は?
Gemini APIの詳しい使用状況や、無料枠を超えて利用した場合に発生した料金は、「Google Cloud Console」という管理画面で確認できます。
Google AI StudioでAPIキーを作成すると、裏側で対応するGoogle Cloudプロジェクトが自動的に作成されています。そのプロジェクトのダッシュボードにアクセスすることで、APIのリクエスト数やエラー率、日々のコストなどをグラフで視覚的に把握することが可能です。また、予算を設定し、設定額を超えそうになったら通知を受け取る「予算アラート」の機能もあり、意図せず高額な料金が発生することを防げます。
Gemini APIでAI活用の可能性を広げる
本記事では、Gemini APIの基本から、料金体系、Pythonでの使い方までを解説しました。
Gemini APIは、開発者だけでなく、AIを活用して新しいサービスや業務効率化の仕組みを作りたいと考えている全てのビジネスパーソンにとって、強力なツールです。 無料枠を活用すれば、一定の範囲内で追加コストをかけずにAIを試すことができます。ただし利用量が無料枠を超えると課金が発生するため、実際の使用状況を確認しながら活用する必要があります。
まずはGoogle AI StudioでAPIキーを取得し、その可能性を試してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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