• 作成日 : 2026年2月26日

ニューラルネットワークとは?仕組みや種類、学習方法などをわかりやすく解説

Pointニューラルネットワークとは?

ニューラルネットワークとは、人間の脳神経回路を模倣し、データから特徴を学習して複雑な判断や予測を行うAIの数理モデルです。

  • 仕組み:脳の働きを模した3層構造のモデル
  • 進化:多層化でディープラーニングへ発展
  • 活用:経理の自動化や需要予測などで活躍

従来困難だったクセのある手書き文字の読み取りや、天候等を考慮した精緻な予測が可能になります。

AI活用で業務効率化を目指す際、必ず耳にする「ニューラルネットワーク」。しかし、その具体的な仕組みや学習方法を正しく理解できているでしょうか?

本記事では、脳の神経回路を模倣したこの技術について、ディープラーニングとの違いや主要な種類(CNN・RNN)を含めてわかりやすく解説します。経理の自動化や需要予測など、バックオフィスでの実践的な活用事例までを網羅し、ビジネスへの導入イメージを明確にします。

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ニューラルネットワークとは?

ニューラルネットワークとは、人間の脳神経回路を参考にし、データから特徴を学習して複雑な判断や予測を行うAIの数理モデルです。

「ニューロン」という言葉自体は神経細胞を指しますが、AIの文脈ではそれらが網状に結びついた「ネットワーク」の構造を指してこの名前で呼ばれます。

脳の仕組みの再現方法

脳のニューロンが電気信号を伝え合うように、入力されたデータを層(レイヤー)を通して処理し、結果を出力する仕組みです。

ニューラルネットワークを構成する一つ一つのユニットは「人工ニューロン」とも呼ばれ、脳の神経細胞を参考にした計算単位です。。

人間の脳には約1000億個のニューロンがあり、それらがシナプスで結合して信号を伝達することで、私たちは物を見たり考えたりしています。ニューラルネットワークでは、こうした脳の仕組みから着想を得て、情報処理の流れを「入力層」「隠れ層」「出力層」という3つの層構造に整理して表現します。

  1. 入力層(Input Layer):データ(画像や数値など)を受け取る入り口。
  2. 隠れ層(Hidden Layer / 中間層):データの特徴を抽出し、複雑な計算を行う層。ここが厚くなるほど「ディープラーニング」と呼ばれます。
  3. 出力層(Output Layer):最終的な判断結果(「これは猫である」「売上は上がる」など)を出す出口。

ディープラーニングとの違い

ディープラーニングとは、ニューラルネットワークの隠れ層を多層化(深層化)し、より複雑で高精度な学習を可能にした発展技術です。

  • ニューラルネットワーク(単純):隠れ層が1〜2層程度。単純な分類などが可能。
  • ディープラーニング(深層学習):隠れ層が数十〜数百層。画像や文章など非常に複雑なパターン認識が可能。

現在、ChatGPTなどの生成AIや自動運転に使われているのは、ほぼ全てディープラーニング型のニューラルネットワークです。

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ニューラルネットワークの仕組みはどうなっている?

各ニューロンがデータを受け取り、重み(重要度)とバイアス(調整値)を加えて次の層へ信号を渡すことで情報処理を行います。

単にデータを右から左へ流すのではなく、情報の「重要さ」を判断しながら処理を進める点が最大の特徴です。

信号の強弱と判定を行う重みと活性化関数

重みは情報の重要度を調整し、活性化関数は次の層へどの程度の情報を渡すかを調整する役割を果たします。

入力されたデータがすべて同じ価値を持つわけではありません。AIは計算過程で以下のように情報を取捨選択しています。

  • 重み(Weight):入力情報の重要度。「気圧低下」は雨予測に重要なので重みを大きく、「曜日」は無関係なのでゼロに近づける、といった調整を行います。
  • 活性化関数(Activation Function):受け取った情報の合計値があるレベルを超えた場合のみ、次の層へ信号を送ります(この現象を「発火」と呼びます)。

このように膨大なパラメータ(重み)を調整することで、正しい答え(出力)を導き出せるようになります。

複雑な特徴を捉える隠れ層の働き

入力層と出力層の間にある隠れ層(中間層)を通すことで、単純なデータをより抽象的で意味のある情報(特徴)へと変換・整理します。

ニューラルネットワークが賢い判断をできるのは、この隠れ層でデータの「特徴抽出」を行っているからです。

  • 情報の変換プロセス:例えば画像を認識する場合、入力直後の層では単なる「色の濃淡」を見ていますが、層が進むにつれて「線」→「曲線」→「目や鼻の形」といった具体的な特徴として情報を組み上げていきます。
  • バケツリレーによる連携:多数の層がバケツリレーのように情報を加工しながら手渡していくことで、最終的に「これは猫である」といった複雑な結論を出すことが可能になります。

判断の理由が見えなくなるブラックボックス問題

ニューラルネットワークは計算プロセスが複雑すぎるため、「なぜその答えになったのか」を人間が論理的に説明できない、いわゆるブラックボックス化する弱点があります。

従来のプログラムは「IF A THEN B(もしAならBする)」という明確なルールで動いていますが、ニューラルネットワークは「何億もの重みの調整結果」で判断します。そのため、例えばAIがローンの審査を否決した際、担当者が「なぜ落ちたのか」を顧客に説明できないという課題が発生します。

現在、判断プロセスの完全な説明は難しい場合がありますが、近年は判断の傾向や根拠を可視化するXAIの研究も進んでいます。

ニューラルネットワークにはどのような種類がある?

扱うデータの種類(画像、数値、言葉)に合わせて、FNN、CNN、RNNなどの最適なモデルが使い分けられています。

バックオフィス業務においても、数字を扱うのか、書類(画像)を読み取るのかによって、裏側で動いているAIの種類が異なります。主要なモデルを整理しました。

代表的なニューラルネットワーク一覧表

種類(正式名称)特徴・仕組みバックオフィスでの主な用途
FNN

(順伝播型)

情報が一方向にのみ流れる最も基本的な構造。

単純な数値データの処理に適している。

  • 数値予測(売上・来客数)
  • データの分類
  • 異常検知(不正アクセス等)
CNN

(畳み込み型)

画像の「形」や「色」などの特徴を捉えるのに特化。

人間の視覚野に近い働きをする。

  • 画像認識
  • AI-OCR(手書き文字読取)
  • 工場の外観検査
RNN / Transformer

(再帰型など)

時系列や前後の文脈を考慮して処理する。

言葉の流れや時間の変化に強い。

  • 翻訳・要約(ChatGPT等)
  • チャットボット対応
  • 音声認識(議事録作成)

画像処理に強いCNN

CNN(Convolutional Neural Network)は、画像データから「特徴」を抽出することに特化したモデルです。

人間が物体を見るとき、無意識に線や丸みなどのパーツを認識して全体像を把握します。CNNも同様に、画像の一部を切り取って線や角、模様などの特徴を検出する「畳み込み」という処理で分析するため、従来は難しかった手書き文字(OCR)の識別や、本人確認のための顔認証システムなどで高い精度を発揮します。

言葉や流れを理解するRNNとTransformer

RNN(Recurrent Neural Network)や現在主流となっているTransformerは、データの「順序」や「文脈」を理解します。

RNNは、文章を順番に処理していくことが得意なモデルです。しかし、文全体を頭から読み進める必要があるため、文章が長くなるほど処理に時間がかかる傾向があります。

また、「結構です。」のように前後の文脈によって意味が変わる表現については、文脈が複雑になると誤判定を起こすケースも見られます。

こうした課題を踏まえ、より文脈理解に強いモデルとして登場したのがTransformerです。Transformerは文章全体を一度に見て、単語同士のつながりや意味判断に重要な部分を重みづけしながら処理します。そのため、文章全体の構造をより正確に理解できる点が特徴です。

現在話題の生成AI(ChatGPTなど)も、このTransformer技術がベースとなっており、メールの自動生成や多言語翻訳で業務効率化を支えています。

ビジネスにおけるニューラルネットワークの用途は?

事務処理の自動化(OCR)、需要予測、チャットボットによる顧客対応など、企業の生産性向上に直結する分野で活用されています。

特にバックオフィス担当者にとって身近な活用例を紹介します。

書類・伝票のデジタル化(AI-OCR)

CNN等の技術を活用し、手書きの請求書領収書を高精度でテキストデータ化します。

従来のOCRは定型フォーマットしか読めませんでしたが、ニューラルネットワークを用いたAI-OCRは、非定型の帳票やクセのある手書き文字でも文字列全体の関係性や文脈を考慮して高い識字率を実現しています。これにより、会計ソフトへの入力業務が劇的に削減されます。

売上・在庫・需要の予測

過去の時系列データをRNNの発展型であるLSTMやTransformerに学習させ、将来の数値を予測します。

Excelの単純な近似曲線とは異なり、天気、曜日、キャンペーン有無など複数の要因(変数)を考慮した複雑な予測が可能です。これにより、在庫切れの防止や人員配置の最適化が行えます。

なお、実務では必ずしもニューラルネットワークだけが使われるわけではありません。とくに売上予測のように因果関係の説明が重要な業務では、ブラックボックス化するニューラルネットワークを避ける傾向も見られます。

その結果、判断根拠のわかりやすさなどを重視して、他の機械学習の手法が採用されるケースも多いのが実情です。

社内問い合わせ対応・翻訳(自然言語処理)

Transformer技術を用いたチャットボットや翻訳ツールが、多言語対応や社内FAQの自動化を担います。

「経費精算の仕方は?」といった社内からの頻出質問に対して、AIがマニュアル(社内ナレッジ)から回答を生成・提示することで、総務や人事の対応工数を削減します。

ニューラルネットワークの学習方法は?

「教師あり学習」などで正解データと自身の出力との誤差を計算し、そのズレが最小になるよう「誤差逆伝播法」を使って重みを修正し続けます。

AIは最初から賢いわけではありません。生まれたての脳のように何も知らない状態から、膨大な問題を解き、間違えを修正するプロセスを何万回も繰り返すことで、徐々に正解率を上げていきます。

誤差逆伝播法による学習サイクル

出力された答えが正解とどれくらい違ったか(誤差)を計算し、その原因となったニューロンの重みを逆方向から修正していく手法です。

人間がドリルで勉強する際、答え合わせをして「なぜ間違えたか」を理解し、次は間違えないように覚え直すのと似ています。具体的なサイクルは以下の通りです。

  • 順伝播(Forward Propagation):入力データを層に通し、現在のパラメータで一旦予測結果を出力する。
  • 誤差計算(Loss Calculation):AIが出した「予測」と、用意された「正解」とのズレ(損失)を数値化する。
  • 誤差逆伝播(Backpropagation):出力層から入力層に向かって、「どのニューロンの重みが間違いの主犯だったか」を分析し、パラメータ(重み)を修正・更新する。
  • 反復(Epochs):誤差が限りなくゼロに近づくまで、このプロセスを何千、何万回と繰り返す。

精度を左右する学習データの質と量

高品質なAIを作るには、優れたアルゴリズム以上に「良質で大量のデータセット」が不可欠です。

AIの分野には「Garbage In, Garbage Out(ゴミを入れれば、ゴミしか出てこない)」という有名な考え方があります。バックオフィス業務でAIを活用する場合も、以下のようなデータ準備(前処理)が導入成功の鍵を握ります。

  • 量の確保:数千〜数万件の履歴データが必要になることが多い。
  • 質の担保:手書き文字が読み取れない、入力ミスが多いなどの「汚いデータ」では、AIは誤った学習をしてしまう。

暗記しすぎに注意が必要な過学習

学習データに過剰に適応しすぎてしまい、未知のデータ(本番環境のデータ)に対して正しく判断できなくなる状態を「過学習(Overfitting)」と呼びます。

これは、「過去問の答えを丸暗記して満点を取れるが、少し問題文が変わると解けない学生」のような状態です。 ビジネス現場では、「過去のデータでは完璧な予測ができるのに、来月の売上予測は全く当たらない」という失敗がよく起こります。

例えば、過去の特定のデータに合わせすぎると、『去年のキャンペーン期間のデータ』ばかりを学習して、平時の予測が全く当たらないといった失敗が起きることもあるのです。

これを防ぐために、学習を適切なタイミングで止めたり、あえて情報を間引く(ドロップアウト)などの工夫が行われます。

今後のニューラルネットワーク活用はどうあるべきか?

技術の進化により、複数のデータを同時に扱う「マルチモーダル化」が進むため、人間側には「AIをどう業務に組み込むか」を設計する力が求められます。

ニューラルネットワークの進化は止まりません。単なる計算ツールから、パートナーとしての存在へ変わりつつある今、私たち自身の働き方も変化が必要です。

音声・画像・動画を統合するマルチモーダル化

今後のニューラルネットワークは、文字や画像、音声といった異なる種類のデータを一度に処理する「マルチモーダルAI」が主流になります。

これまでは「画像認識はCNN」「翻訳はTransformer」と役割が分かれていましたが、最新のモデルではこれらが統合されつつあります。

  • これまでのAI(シングルモーダル):「文字」だけを見て翻訳する、または「画像」だけを見て検品する。
  • これからのAI(マルチモーダル):ビデオ会議の映像を見ながら、「参加者の表情(画像)」と「発言内容(音声・テキスト)」を同時に分析し、議事録だけでなく「会議の雰囲気」までレポートする。

    バックオフィス業務においても、電話対応の音声と送付された書類の画像をセットでAIが判断するなど、活用の幅が飛躍的に広がります。

    技術よりもどの業務に適用するかを設計する力

    私たち人間に求められるのは、ニューラルネットワークを細部までプログラムすることではなく、「どの業務にどのAI技術が適しているか」を見極める業務設計力です。

    AIは「手段」であって「目的」ではありません。ニューラルネットワークの仕組み(得意・不得意)を理解した上で、以下のような判断を行うことが人間の役割となります。

    • 業務の仕分け:「この定型業務はAI-OCRに任せよう」「この複雑な交渉は人間がやろう」という判断。
    • プロセスの再構築:AI導入を前提として、無駄な承認フローをなくしたり、データ形式を統一したりする環境整備。

      AIが得意な処理はAIに任せ、人間は「意思決定」や「創造的な業務」に集中する。この分業体制を築くことが、ニューラルネットワーク活用のゴールです。

      ニューラルネットワークの理解が業務改革の第一歩

      ニューラルネットワークは、人間の脳神経回路を模倣してデータから学習するAIの中核技術です。入力層、隠れ層、出力層を通じた情報処理と、誤差を修正する反復学習により、経理の自動化や需要予測など実務レベルで大きな成果を上げています。

      この仕組みを正しく理解することは、単なるツール導入にとどまらず、自社の業務効率化を加速させるための重要な第一歩となるはずです。


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