- 作成日 : 2026年2月25日
ChatGPTで画像生成すると著作権侵害になる?法的な注意点を解説
ChatGPTで画像生成しても一律に著作権侵害にはなりません。
- 侵害判断は「類似性+依拠性」が基本:
表現が似ていて、作品名・キャラ名・参照画像などを手がかりに生成したと判断されるとリスクが上がります。 - 生成前に寄せない条件を入れる:
固有名詞やロゴ、著名人名は避け、配色・質感・構図など要素で指示します。 - 生成後に類似チェックと記録を行う:
画像検索で近い作品が出ないか確認し、プロンプトとチェック結果を残します。
判断の軸は「既存作品に似ているか」「参照したと見られるか」で、生成前→生成後の確認をルール化すると業務でも使いやすくなります。
ChatGPTの画像生成は、広告物や提案資料、Webサイト、SNS投稿など幅広い業務で活用しやすく、制作スピードを大きく引き上げられる一方で、著作権の観点では、商用利用の可否よりも既存作品の権利を侵害しない運用設計をどう作るかが核心になります。
この記事では、著作権侵害になりやすい判断軸と、社内で安全に運用するための確認手順・承認フロー・トラブル時の初動対応までを体系的に整理します。
※(免責)掲載情報は記事作成日時点のものです。最新の情報は各AIサービスなどの公式サイトを併せてご確認ください。
目次
ChatGPTで生成した画像は商用利用できる?
結論として、利用規約上の条件を満たしていれば商用利用は可能ですが、第三者の権利を侵害しないかの確認は別途必要です。
まず押さえたいのは、「規約上、生成物(Output)の権利を誰が持つのか」と、「権利を持っていても、他人の著作物に近ければ使えない」という二層構造です。
OpenAIの利用規約(Terms of Use)では、利用者が入力(Input)の権利を保持し、生成物(Output)を所有する旨が示されています。一方で、著作権や商標権などは他人の権利であるため、規約上Outputを所有できても、既存作品に似た画像や、ロゴ・キャラクターに近い画像を公開・販売すれば別問題になります。
出典:OpenAI「利用規約」
業務で整理すべきポイントは次の3つです。
|
ここまで整えると、「商用利用してよいか」を個人の勘ではなく社内基準として説明できる状態になります。
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生成した画像はどのような場合に著作権侵害になる?
著作権侵害の判断では一般に「既存著作物との類似性」と「その著作物に依拠したこと(参照・影響)」がポイントで、両方が認められると侵害になり得ます。
文化庁資料でも、AI生成物について「類似性」または「依拠性」が認められなければ侵害にならず、逆に両方が認められる場合は許諾などがない限り侵害になり得ると整理されています。また、生成物をアップロードして公表・販売する行為は権利制限規定に当たりにくいため、公開前のチェックが重要です。
出典:文化庁「令和5年度 著作権セミナー A I と著作権」
以下では、業務で判断しやすいように典型パターンを3つ紹介します。
既存作品との「類似性」が認められる場合
見た人が同じ表現だと感じるほど創作的な表現が共通すると、類似性が問題になりやすいです。
類似性は「アイデア」ではなく「表現」が一致しているかが重要です。
構図、キャラクターの特徴、衣装、小物、陰影、線の癖など、創作的な要素が具体的に重なるとリスクが上がります。
出典:文化庁「令和5年度 著作権セミナー A I と著作権」
- 参照元の作品が特定できる(誰が見てもあの作品っぽい)
- 固有の構図・象徴的モチーフ・特徴的ディテールが複数一致
- 置き換えとして使えるほど完成品が近い
逆に、雰囲気が近いだけで構図や要素が独立していれば、類似性の判断は下がります。ただし最終判断はケースによるため、公開前の類似画像チェックが欠かせません。
既存作品に「依拠」したと判断される場合
既存作品を知っていて、それを手がかりに生成したと評価されると依拠性が認められやすいです。
特に以下のようなプロンプトは、後から依拠性を疑われやすい例です。
- 「この画像をベースに」「この作品と同じ構図で」
- 特定作品名・シリーズ名・作者名を明示して「同じにして」
- 参照URLを貼り、近い結果を求めた履歴が残っている
ポイントは、知っていた/参照したと見える証跡が残ることです。だからこそ、生成前のプロンプト設計と承認フローが重要になります。
キャラクター・ロゴ・作品名を指定して生成した場合
固有名詞で特定して生成するほど、依拠性・類似性の両面でリスクが上がるため、業務では原則避けるのが安全です。
どうしてもテイストを寄せたい場合は、固有名詞ではなく、要素を分解して抽象化します。
例
「◯◯風」→「親しみやすい雰囲気/線は太め/余白多め/背景は単色」など |
社内ルールとして「固有名詞はプロンプトに入れない(例外は法務承認)」と定義しておくと、現場判断が安定します。
著作権以外に注意すべき権利は?
画像生成を業務で利用する際は、著作権だけでなく商標権・肖像権/パブリシティ権・不正競争防止法も合わせて確認しないと、対外トラブルを十分に予防できません。
著作権が「表現の保護」を対象とする一方、実務では「ブランド表示」「人物」「出所の混同」など、別軸の権利が同時に問題化するケースが多いためです。以下のポイントを押さえておくと、確認漏れを大きく減らせます。
商標権:ブランド名やロゴの無断使用
ロゴやブランド名を識別表示として扱うと商標権の問題になりやすいため、生成画像に既存ブランドのロゴや特徴的な表記が紛れ込んでいないかを必ず確認する必要があります。
生成画像では、Tシャツの胸元、看板、パッケージ、UI風の画面などに、意図せずロゴ風の図形や文字列が混入することがあります。重要なのは、「第三者のブランドを示す表示として受け取られるかどうか」です。社内チェックでは、次の観点が実務的です。
- ロゴの形状が特定ブランドを想起させないか
- ブランド名・商品名に近い文字列が入っていないか(誤字でも要注意)
- 配布物(チラシ・LP・バナー)の目立つ位置にロゴ風要素が配置されていないか
意図しない混入を見つけた場合は、差し替え・修正を優先し、必要に応じて法務へ相談します。
肖像権・パブリシティ権:実在人物の顔や名前の使用
実在人物が特定できる顔・名前・特徴が含まれる場合、本人の許諾がない限り業務利用は慎重に判断するのが安全です。
特に広告・販促用途では、本人の同意なく「その人だと分かる」素材を使うと問題になりやすく、生成画像でも写真風の人物、著名人に似た顔立ち、特徴的な髪型・ほくろ・衣装などが揃うと、第三者からの指摘につながり得ます。
実務では次のルール化が有効です。
- 実在人物(著名人・取引先担当者・社員を含む)の名前をプロンプトに入れない
- 誰かに似ているという指摘が出た場合は、公開前に差し替え候補を準備する
- 人物モデルが必要な場合は、ライセンス素材や撮影素材の活用も選択肢に入れる(後述)
不正競争防止法:他社商品や表示との混同を招く使用
「公式っぽい」「同じ系列に見える」など、出所の混同を招く表現は、著作権とは別軸で不正競争防止法上の問題になる可能性があります。
不正競争防止法では、他人の商品等表示として周知なものと同一・類似の表示を用いて混同を生じさせる行為が類型として整理されています。特許庁の解説資料でも、周知な商品等表示の混同惹起行為が説明されており、特許庁の救済ページでも混同を生じさせる行為が取り上げられています。条文そのものはe-Govで確認できます。
生成画像では、たとえば次のようなケースが混同の論点になり得ます。
- 配色・レイアウト・アイコン配置が特定サービスの公式素材に似ている
- パッケージ風の見た目が競合の表示と紛らわしい
著作権と異なり、「表現のコピー」だけでなく需要者(見る人)の受け取り方が判断に影響する点が実務上の難しさです。だからこそ、ブランド表示・UI風素材・商品パッケージ風素材は、公開前レビューの対象に含めることを推奨します。
業務で安全に使うにはどんな手順が必要?
事故を防ぐには「生成前のプロンプト設計」「生成後の類似チェック」「公開前の承認と証跡」の3点セットです。
ここからは、チームで安定して回せる運用に落とし込むための具体手順を示します。個人の注意喚起だけでは抜け漏れが起きやすいため、手順化して誰が行っても同じ品質になる状態を目指します。
生成前にプロンプトで権利侵害リスクを確認する
プロンプトの段階で「寄せない」条件を先に固定しておくと、類似・依拠のリスクを大幅に下げられます。
実務で効果的なのは、禁止事項を注意書きとして最後に付けるのではなく、要件定義の一部として最初から組み込むことです。たとえば次のように書き分けます。
- NGを明示:特定作品名、キャラクター名、ブランド名、ロゴ、著名人名を入れない
- オリジナルを要件化:独自の構図、独自モチーフ、一般的な要素の組み合わせで構成する
- 参照画像(Image to Image)を使う場合は、権利クリアな素材(自社撮影、許諾済み、ライセンス素材)に限定する
さらに、社内向けに「プロンプトの危険ワード例」を共有しておくと、現場で迷いにくくなります。
| 目的 | 避けたい指示 | 置き換え案 |
|---|---|---|
| 有名作品の雰囲気を出したい | 作品名・キャラ名・作者名で指定 | 配色、線の太さ、質感、余白、情報量など要素分解で指定 |
| ロゴっぽい表現がほしい | 「◯◯社のロゴ風」 | 幾何学形状・抽象マーク・文字なしで作成、ブランドを想起させない条件を追加 |
| 人物を使いたい | 「有名人Aの顔で」 | 架空人物・一般的特徴で生成、または許諾素材に切替 |
上記の段階で寄せる指示を減らすだけで、後工程として類似チェック・差し替えの手戻りが大幅に減ります。
生成後に画像検索や素材台帳で類似作品を確認する
公開前に「似ていると指摘されそうか」を第三者目線で確認し、その結果を記録することが安全運用の中心です。文化庁資料でも、生成物をアップロードして公表・販売する行為は権利制限規定に当たりにくいとされており、公開前チェックの重要性が高まっています。
最低限、次のセットを実施します。
|
ここでのポイントは、ゼロリスクを証明することではなく、合理的に確認した証跡を残すことです。後から指摘が入った際の初動が格段に早くなります。
公開前に承認フローを通し、証跡を記録する
誰が、何を根拠にOKしたかを残すだけで、トラブル時の対応速度と説明力が大きく向上します。社内フローは複雑である必要はありません。おすすめのSTEPは次のとおりです。
|
文化庁資料でも、トレーサビリティ(追跡可能性)や記録の重要性が強調されています。
実務では、この記録をテンプレ化すると運用が安定します。
出典:文化庁「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」
トラブルが起きたらどう対応すべき?
結論として、申し立てが来た場合は「公開停止→証跡確保→法務連携→差し替え」の順で迅速に進めるのが安全です。
生成AI関連のトラブルは、初動が遅れるほど説明コストが増えるため、事前に誰が何をするかを決めておくと現場が迷いません。
権利者から申し立てが来たら即座に公開を停止する
権利者から申し立てが来たら、まず拡散を止め、事実関係の確認に集中できる状態を作ることが最優先です。
公開停止は、謝罪や責任認定より前に行える「被害拡大を防ぐ行動」です。SNS投稿、Web掲載、広告配信、資料配布など、露出経路ごとに停止手順が異なるため、どの部署がどの管理画面で止めるかまで運用ルールとして整備しておくと安心です。
生成履歴・プロンプト・承認記録を法務に引き継ぐ
主観的な説明ではなく、プロンプトや生成日時、チェック結果などの客観情報を揃えて渡すことで、法務の判断が早まります。
法務が確認したい情報は次のとおりです。
- 生成物(問題画像)と掲載先URL/掲載期間
- 生成履歴:プロンプト、生成日時、生成回数、採用までの経緯
- 類似チェックの証跡:検索結果メモ、参照素材の出所
- 承認記録:誰がOKしたか、判断理由
文化庁資料でも、依拠性の判断では利用者が既存著作物を認識していたかが論点になり得るため、プロンプトや制作メモは重要な材料になります。
必要に応じてライセンス素材や撮影素材に差し替える
納期や配信停止といったビジネス影響を抑えるため、代替手段を複数持っておくのが現実的です。差し替え先の優先順位は次のように組みやすいです。
|
「生成をやめる/続ける」ではなく、用途に応じて手段を切り替えるのが業務利用では現実的です。
ChatGPTの画像生成を社内で安全に活用するための重要ポイント
ChatGPTの画像生成における著作権実務では、商用利用の可否だけでなく、既存作品との類似性・依拠性、ロゴや人物、混同のリスクまで総合的に見て運用することが重要です。生成前に固有名詞を避けたプロンプト設計を行い、生成後に画像検索等で類似チェックを実施し、承認と証跡を残してから公開すれば、社内で安全に運用しやすくなります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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