- 作成日 : 2026年2月6日
ChatGPTでエクセルを自動化するには?連携方法や関数・編集を解説
エクセル業務の自動化は、ChatGPTを活用することで劇的に効率化できます。関数やマクロの専門知識がなくても、AIに適切な指示を出すだけで複雑な処理やデータ分析を実行できるからです。ただし、Web版へのコピペやアドインの導入など複数の連携手段があり、作業内容や頻度に応じた使い分けが欠かせません。
この記事では、ChatGPTとエクセルを連携させる3つの具体的な手法から、実践的な関数の作成、高度なデータ分析の手順、利用時の注意点までをわかりやすく解説します。
※(免責)掲載情報は記事作成日時点のものです。最新の情報は各AIサービスなどの公式サイトを併せてご確認ください。
目次
ChatGPTとエクセルを連携・活用する3つの方法は?
ChatGPTを使ってエクセル業務を効率化する方法は、大きく分けて3つのパターンがあります。それぞれ「手軽さ」や「処理できるデータの量」、「自動化のレベル」が異なるため、自分のやりたい作業に合わせて選ぶことが重要です。
ここでは、それぞれの特徴と適したシーンについて解説します。
【Web版】コピペやファイル添付で対応する
Webブラウザ上でChatGPTに指示を出し、エクセルのデータを貼り付けたりファイルを添付したりして処理する方法が、もっとも手軽で一般的です。特別な設定や追加費用が不要で、今すぐ始められる点が大きなメリットといえます。
たとえば、わからない関数を質問したり、表データをテキストとして貼り付けて整理してもらったりする使い方が適しています。2025年12月現在はファイルのアップロード機能が標準化されているため、ファイルをそのまま読み込ませてグラフ作成や集計を依頼することも可能です。手元の少量のデータを単発で処理したい場合に最適でしょう。
【アドイン】Excel上で直接操作する
エクセル自体に「ChatGPT for Excel」などのアドインを追加し、シート上で直接AI機能を呼び出す方法も有効な手段です。この方法を使えば、ブラウザとエクセルを行き来する必要がなくなり、作業効率が大幅に向上します。
具体的には、専用の関数をセルに入力するだけで、ChatGPTからの回答を直接セルに反映させることができます。大量の行に対して一括でAIによる判定や翻訳を行いたい場合や、定型業務として組み込みたい場合に非常に効果的です。導入にはOpenAIのAPIキー(AIをプログラムから利用するための認証鍵)が必要となるため、運用前に準備しておきましょう。
【データ分析】高度な分析・ファイル出力を行う
大量のデータを分析したり、結果を別のエクセルファイルとして出力したりしたい場合は、ChatGPTのデータ分析機能(旧称:Advanced Data Analysis)を活用します。これはAIが内部でプログラムを実行し、複雑な計算やデータ加工をおこなう機能です。
この機能を使えば、数万行あるデータの傾向分析や、複数のシートに分かれたデータの結合、さらには分析結果をまとめた新しいエクセルファイルの生成まで対応できます。人の手では時間がかかる集計作業も、ファイルをアップロードして指示するだけで完了します。高度な統計分析や、グラフを含んだレポート作成を自動化したい場合に適しています。
Web版ChatGPTでエクセル作業を効率化するには?
Web版のChatGPTを利用する場合、もっとも重要なのは「どのように指示(プロンプト)を出すか」です。エクセルの操作自体は人間がおこないますが、そのための「正解」や「素材」をAIに作らせることで、作業時間を大幅に短縮できます。
ここでは、Web版を使って具体的な作業を効率化するテクニックについて解説します。
関数・数式の作成を指示する
複雑な計算や条件分岐が必要な関数は、ChatGPTにやりたいことを伝えて数式を書いてもらうのが一番の近道です。どのようなデータがあり、どのような結果を得たいかを具体的に伝えることで、精度の高い数式が得られます。
たとえば、「A列に商品名、B列に単価が入っています。合計金額を表示し、かつ1万円を超える場合は『高額』と表示するIF関数を作ってください」と指示します。すると、ChatGPTはそのままコピペして使える関数を提示し、数式の意味まで解説してくれます。エラーが出た場合も、メッセージを伝えるだけで修正案を即座に提示してくれるため、独学で悩む時間をゼロにできます。
データを貼り付けて表作成・編集する
Web版ChatGPTは、バラバラのテキストデータをきれいな表形式に整えたり、特定のルールに従ってデータを抽出したりする作業も得意としています。手作業で修正すると手間がかかるデータ整理も、AIなら一瞬で完了します。
メールの文章やPDFからコピーしたテキストなど、形式が崩れたデータをチャット欄に貼り付け、「このデータを日付、項目、金額の列を持つテーブル形式に変換してください」と指示してみましょう。ChatGPTは内容を解析し、エクセルにそのまま貼り付けられる表形式で出力します。「住所データから都道府県だけを抜き出して」といった加工指示も可能なため、データクレンジング(データの重複や誤記を修正し、利用しやすく整える作業)の前処理としても活用可能です。
VBAコードを生成して自動化する
繰り返し発生する定型作業を自動化したい場合、VBA(マクロ)のコードをChatGPTに生成させる方法を選択しましょう。プログラミングの知識がなくても、自動化したい処理の手順を言葉で説明するだけで、動作するコードを入手できます。
たとえば、「フォルダ内のすべてのエクセルファイルを開き、A1セルの値を一覧にして新しいシートにまとめるマクロを書いてください」と依頼します。生成されたコードをエクセルのVBAエディタに貼り付けるだけで、面倒な転記作業が自動化されます。コードの使い方がわからない場合でも、「どこに貼り付ければいい?」と聞けば、導入手順まで丁寧に教えてくれるため、初心者でも安心して挑戦できます。
アドイン「ChatGPT for Excel」を利用するには?
エクセルの画面から離れずにAI機能を使いたい場合は、Microsoftの公式ストアから入手できるアドイン「ChatGPT for Excel」などを導入するのが便利です。セルに関数を入力する感覚でAIへの指示が可能になり、数百行あるデータに対しても一括で処理を適用できます。
ここでは、導入のポイントや具体的な使い方について解説します。
基本無料だがAPI料金が必要となる
多くのアドイン自体は無料でインストールできますが、実際にAIを動かすためにはOpenAI社のAPI利用料が別途必要になります。アドインはあくまでエクセルとChatGPTをつなぐ窓口であり、頭脳となるAIの使用料は従量課金となるからです。
API利用料は使用した文字数(トークン数)に応じて発生しますが、2025年12月現在、最新モデルを使っても比較的安価に設定されています。ただし、数万行のデータに対して一気に処理を実行すると、想定外のコストがかかる可能性もあります。利用を開始する前に、OpenAIの管理画面でクレジットカードを登録し、利用上限額(リミット)を設定しておくと安心です。
導入手順とAPIキーを設定する
アドインを利用するためには、まずエクセルの「挿入」タブもしくは「ホーム」タブにある「アドインを取得」から対象のツールを検索して追加します。「ChatGPT for Excel」などの名称で検索し、インストールをおこないます。
次に、OpenAIの公式サイトにログインし、APIキーの発行画面から新しいキー(秘密鍵)を作成してコピーします。エクセル側に戻り、追加したアドインの画面を開くとAPIキーの入力を求められるので、先ほどのキーを貼り付ければ連携は完了です。この手順は最初の1回だけで済みます。企業で利用する場合は、セキュリティポリシーによりアドインの追加が制限されていることもあるため、事前に情報システム部門へ確認してください。
AI関数でセルに直接入力する
連携が完了すると、通常のエクセル関数と同じように、独自のAI関数が使えるようになります。たとえば=AI.ASK(“指示内容”, 参照セル)のような形式で入力することで、対象セルの内容に応じたAIの回答を表示できます。
A列に顧客からのアンケート回答が並んでいる場合、B列に=AI.ASK(“この内容をポジティブかネガティブかで判定して”, A1)と入力し、下にオートフィルコピーします。これだけで、数百件のアンケート結果の感情分析が一瞬で完了します。ほかにも、翻訳や要約、カテゴリ分けなど、これまで手作業でおこなっていた判断業務を関数ひとつで自動化できるのが、アドイン利用の最大のメリットです。
ファイルをアップロードして分析・出力するには?
手持ちのエクセルファイルをChatGPTに丸ごと渡し、中身を分析してもらう方法は、もっとも高度で強力な活用法です。これは現在「データ分析」などの名称で統合されている機能で、AIがファイルを読み込んで構造を理解し、複雑な集計やグラフ化を行います。
ここでは、具体的な分析手順について解説します。
エクセルファイルを読み込みグラフ化する
チャット欄にあるアップロード機能からエクセルファイルを渡し、「このデータの売上推移を月別でグラフにしてください」と指示するだけで、AIが自動的にグラフを作成します。データの集計から可視化までをすべて内部でおこなってくれるのです。
作成されたグラフは画像として表示されるだけでなく、細かな修正指示も可能です。たとえば、「グラフの色を青にして、タイトルを変更して」と言えば、即座に修正版が提示されます。自分でピボットテーブル(大量のデータを多角的に集計・分析するための機能)を組んだり、グラフ設定を調整したりする手間が一切不要になるため、レポート作成の時間を大幅に削減できます。データの傾向や異常値の発見などもAIが指摘してくれるため、分析の質も向上します。
複数のシートを結合・集計する
部署ごとに分かれた予算管理表や、月ごとに作成された売上報告書など、複数のシートやファイルに分散しているデータをひとつにまとめる作業も、ChatGPTなら簡単です。関連するファイルをすべてアップロードし、「これらを結合してひとつのマスターデータにしてください」と依頼します。
AIはそれぞれのファイルの列名や構造を読み取り、共通する項目を判断して自動的に結合処理をおこないます。表記ゆれ(「株式会社」の有無など)がある場合も、「社名の表記を統一して結合して」と指示すれば、ある程度のクレンジング処理も含めて対応してくれます。手作業でのコピペはミスの元ですが、AIに任せることで正確かつスピーディに統合データを作成できます。
分析結果を新ファイルとして出力する
分析や加工が終わったデータは、最終的に新しいエクセルファイルとしてダウンロードできます。画面上で結果を見るだけでなく、実務で使えるファイル形式で受け取れる点が、この機能の大きな強みです。
たとえば、「分析結果を元に、商品ごとの売上ランキング表を作成し、エクセルファイルとして出力して」と指示します。すると、ChatGPTは処理結果を書き込んだファイルを生成し、ダウンロードリンクを提示してくれます。関数や数式が入った状態での出力は難しい場合もありますが、値として確定したきれいなデータを入手できるため、その後の資料作成や報告業務へスムーズにつなげることができます。
ChatGPTでエクセルを扱う際の注意点は?
ChatGPTは非常に便利なツールですが、万能ではありません。エクセル業務で利用する際には、AI特有の癖やリスクを理解しておく必要があります。とくに業務で扱うデータには正確性が求められるため、AIの回答を鵜呑みにせず、必ず人間の目でチェックするプロセスを組み込むことが大切です。
ここでは、トラブルを防ぐために知っておくべき主要な注意点について解説します。
計算ミスや情報のハルシネーションに注意する
ChatGPTは大規模言語モデル(LLM)のAIであり、理論的な合理性が高い一方で、場合によっては誤情報(いわゆるハルシネーション)を出力することがあります。数値の計算そのものをAIに任せきりにするのはリスクが高いといえます。
そのため、「計算するための数式やマクロ」を作らせて、実際の計算はエクセルにおこなわせる使い方が安全です。また、出力された結果については、検算をおこなうか、数式が正しいロジックで組まれているかを確認しましょう。正確性が命となる財務データなどを扱う際は、あくまで補助ツールとして位置づけるのが賢明です。
機密情報・個人情報の入力リスクを知る
ChatGPTに入力したデータは、デフォルトの設定ではAIの学習データとして利用されるリスクがあるため、機密情報の取り扱いには十分な注意が必要です。顧客名簿や社員の個人情報、未公開の売上データなどをそのまま入力することは避けるべきです。
業務で利用する場合は、設定画面で「学習に利用しない(オプトアウト)」設定を有効にするか、法人向けの「ChatGPT Enterprise」やAPI経由での利用を検討しましょう。これらは入力データが学習に使われない仕様になっています。もし無料版や個人版を利用する場合は、固有名詞を「A社」「Bさん」のように匿名化してから入力するなど、情報漏洩を防ぐための工夫を徹底してください。
ChatGPTの出力が止まる・エラー時の対処法は?
エクセルデータを扱っていると、データ量が多すぎたり指示が複雑すぎたりして、ChatGPTの回答が途中で止まったりエラーになったりすることがあります。このような場合も、焦らず適切な対処をおこなえば解決できるケースがほとんどです。
ここでは、よくあるトラブルへの具体的な対応策について解説します。
途切れた場合は「続き」と指示を送る
回答が文章やコードの途中で突然終わってしまった場合は、チャット欄に「続きを書いてください」や「続きから」と入力して送信しましょう。出力可能な文字数(トークン)の上限に達したことが原因であり、指示を出せば再開されるからです。
これだけで、AIは直前の文脈を理解し、途切れた箇所から回答を続けてくれます。コード生成の途中で切れた場合は、「コードの〇〇行目から続きを出力して」と具体的に指定すると、よりスムーズにつながります。長いVBAコードや大量のデータを処理させているときは頻繁に起こる現象ですが、この方法を知っていれば問題なく作業を完了できます。
エラー時はプロンプトを短く分割する
「エラーが発生しました」と表示されて処理が実行されないときは、指示をいくつかのステップに分割して依頼するのが効果的です。一度に渡したデータ量が多すぎるか、指示の内容が複雑すぎて処理時間をオーバーしている可能性があるからです。
たとえば、「データの修正、集計、グラフ化、分析」を一度に頼むのではなく、まず「データを修正してください」と指示し、完了してから「次に集計してください」と段階を追って依頼します。データ量が多い場合は、ファイルを分割してアップロードするか、まずは最初の50行だけでテストをおこない、うまくいった手順で残りを処理するといった工夫をしましょう。タスクを小さく切り分けることで、AIのエラー率は格段に下がります。
自分に合った連携方法でエクセル業務を効率化しよう
ChatGPTとエクセルを連携させることで、関数の作成からデータ分析まで、あらゆる業務を効率化できるようになります。
手軽に始めたいならWeb版でのファイル添付、日常的な定型業務ならアドインの導入、高度な集計ならデータ分析機能と、目的に合わせて使い分けるのが成功の秘訣です。まずは苦手な関数の作成や、簡単な表の修正といった身近な作業からChatGPTに頼ってみましょう。小さな自動化の積み重ねが、大きな時間のゆとりにつながるはずです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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