- 作成日 : 2026年2月6日
NotebookLMの情報漏洩は大丈夫?安全な活用の仕組みと注意点
NotebookLMのソースやノートブックは、共有(共有設定/公開リンク)を行わない限り、他者に公開されません。ただし、社内資料や議事録などを読み込ませる性質上、データの処理方法や共有設定を正しく理解していないと、情報管理上の不安が生じやすいのも事実です。
当記事では、NotebookLMがアップロードされたデータをどのように扱うのかを整理し、業務で利用する際に想定されるリスクとその回避策を解説します。セキュリティ面の懸念を整理した上で、安心して導入判断ができる状態を目指します。
※(免責)掲載情報は記事作成日時点のものです。最新の情報は各AIサービスなどの公式サイトを併せてご確認ください。
目次
なぜ今NotebookLMの情報漏洩リスクが注目されているのか?
NotebookLMの情報漏洩リスクが注目されている背景には、業務資料を取り込んで活用する動きが広がる中で、情報管理の観点から不安が生じやすくなっていることが挙げられます。NotebookLMは、会議資料や報告書、設計書などをアップロードし、それらを横断的に整理・要約できる点が大きな特徴です。その一方で、これまで社内システムの中だけで管理していた情報をクラウド型のAIサービスに預けることに、不安を感じる企業や担当者も少なくありません。
特に近年は、生成AIの活用が個人レベルからチームや組織単位へと広がり、IT部門や法務部門がセキュリティ面の確認を求められる場面が増えています。NotebookLMは、一般的な質問応答型のAIとは異なり、ユーザーが提供した資料の内容を前提に回答を生成するため、「アップロードしたデータがどのように扱われるのか」「外部に漏れる可能性はないのか」といった疑問が生じやすいのです。
さらに、個人情報保護や社内規程への対応が厳格化する中で、明確な理解や運用ルールがないまま導入することへの懸念も高まっています。こうした状況から、NotebookLMの利便性だけでなく、データの安全性や情報管理の観点が改めて重視され、情報漏洩リスクへの関心が集まっています。
NotebookLMがユーザーのデータを安全に処理する仕組みとは?
NotebookLMは、アップロード/インポートしたソースをもとに回答を生成し、根拠としてソースからの引用(出典)を提示します。この仕組みにより、業務資料を扱う際もリスクを抑えながら利用できるよう工夫されています。
読み込まれた資料をソースとしてノートブック内に保存する
NotebookLMに取り込んだソースはアプリ内に「ソース」として保存され、質問への回答はそのソースに基づいて行われます。アップロードした文書はノートブックの「ソース」として取り込まれ、回答時にはソース中の該当箇所が引用(出典)として示されます。これは文章そのものをコピーして使い回す仕組みではなく、必要な情報を検索・参照しやすい形に整理して回答に反映する処理です。
そのため、NotebookLMでは回答の根拠としてソースの引用(出典)を提示し、必要に応じて参照対象のソースを選択/解除して範囲を調整できます。この段階で、元データを無差別に参照する設計にはなっていません。
ユーザーの質問と関連性の高いデータのみを抽出してAIへ受け渡す
AIが参照するのは、ユーザーの質問と関連性が高いと判断された一部の情報だけです。ユーザーの質問に対して、NotebookLMはソースからの引用(出典)を示しながら回答します。資料全体を一度にAIへ渡すのではなく、回答生成に必要な範囲に絞って情報を参照する仕組みです。
これにより、不要なデータが処理対象になることを防ぎ、情報の取り扱い範囲を最小限に抑えています。業務資料を扱う際に懸念されがちな「意図しない情報の利用」を避ける設計と言えます。
外部から遮断されたクラウド環境内で分析・生成処理を完結させる
NotebookLMの分析や回答生成は、管理されたクラウド環境内で完結します。NotebookLMのデータは共有設定をしない限り他者に公開されません。一方で、フィードバック送信時は、クエリ・アップロード・回答などの関連情報が収集・レビュー対象となる場合があります。
そのため、ユーザーの操作によって共有設定を行わない限り、第三者が内容にアクセスする仕組みにはなっていません。このように、データの保存・検索・生成の各工程が分離され、閉じた環境で制御されている点が、NotebookLMの安全性を支える重要なポイントです。
ビジネス利用において情報漏洩の懸念が生じる具体的な理由は?
NotebookLMは業務効率を高める一方で、扱う情報の性質上、利用方法によっては情報管理への懸念が生じやすいツールです。ここでは、ビジネス利用時に注意すべき代表的な理由を整理します。
機密性の高い社内資料を直接読み込ませて活用するツールであるため
NotebookLMは、社内資料そのものを前提に分析や要約を行う点が、懸念を招きやすい要因です。扱う情報の内容次第では、通常の業務ツール以上に慎重な判断が求められます。
一般的な生成AIは公開情報や一般知識を扱う場面が多い一方、NotebookLMは会議議事録、企画書、業務マニュアルなど、社外に出ることを想定していない資料を読み込ませて活用します。そのため、「重要情報をクラウド上に置くこと自体が問題ではないか」と感じる担当者も少なくありません。特に、社内規程や契約上の制約がある企業では、資料の扱い方を明確にしないまま利用すると不安が残りやすくなります。
ノートブックの共有設定ミスにより第三者に内容を閲覧される恐れがあるため
多くの情報漏洩リスクは、技術的欠陥ではなく設定ミスや運用ミスから発生します。操作が簡単であるがゆえに、確認を省略してしまう点がリスクにつながりやすいと言えます。
NotebookLMではノートブック単位で共有設定を行えますが、操作に不慣れな状態で利用すると、意図せず閲覧範囲を広げてしまう可能性があります。特に、個人向けアカウントでノートブックを「公開」にすると、リンクを知るGoogleアカウント保有者が閲覧できるため、共有範囲の確認が必要です。これはNotebookLMに限らず、クラウドサービス全般に共通するリスクであり、利用者側の管理意識が問われるポイントです。
サービス提供元のサーバーが攻撃を受けデータが流出する可能性を否定できないため
NotebookLMはクラウドサービスである以上、外部からの不正アクセスの可能性を完全にゼロにすることはできません。この点は、どのクラウド型ツールを利用する場合でも共通して考慮すべき前提条件です。
NotebookLMは管理されたクラウド環境で運用されていますが、理論上はサーバーが攻撃対象になる可能性を否定できないという見方もあります。この点が、オンプレミス環境に慣れた企業にとっては心理的な不安要素となりがちです。ただし、こうしたリスクは単一のサービス固有のものではなく、クラウドを利用する際に共通して検討すべき論点です。重要なのは、想定されるリスクを理解した上で、どの情報を預けるのか、どのような運用ルールを設けるのかを整理することだと言えるでしょう。
NotebookLMを安全な環境で使い始めるための具体的な手順は?
NotebookLMを安全に利用するためには、事前準備と初期設定、運用時のルールを段階的に整えることが重要です。ここでは、業務利用を前提とした場合に、情報管理の観点から押さえておくべき具体的な手順を整理します。
セキュリティ管理が可能なGoogle Workspaceのアカウントを用意する
組織としてアクセス制御や利用可否の管理が必要な場合は、管理者が制御できるGoogle Workspaceなどの利用を検討するとよいでしょう。Google Workspaceは、ユーザー管理やアクセス制御、ログ確認などの機能を備えており、組織としての情報管理に適しています。
個人用アカウントでは利用状況の把握や制御が難しく、退職者や異動者への対応が後手に回る可能性があります。あらかじめ業務専用のアカウントを用意し、管理者権限を明確にすることで、NotebookLMの利用範囲を組織としてコントロールしやすくなります。
NotebookLMにアクセスして業務専用の新規ノートブックを作成する
NotebookLMでは、業務用途ごとにノートブックを分けて作成することが安全な運用につながります。個人メモや検証用のノートブックと、業務資料を扱うノートブックを混在させると、誤って情報を共有したり、不要な資料を参照させたりするリスクが高まります。
業務専用のノートブックを新規に作成し、用途やプロジェクト単位で管理することで、情報の整理と管理が容易になります。この段階で、どの種類の資料を扱うノートブックなのかを明確にしておくことも重要です。
資料内の機密情報や個人情報をあらかじめ削除またはマスキングする
NotebookLMに資料をアップロードする前に、不要な機密情報や個人情報を取り除くことがリスク低減につながります。会議資料や報告書には、業務上必須ではない個人名、連絡先、取引条件などが含まれている場合があります。
これらは、分析や要約の目的に直接関係しないことも多く、事前に削除やマスキングを行うことで、万が一のリスクを抑えられます。「アップロードしない情報」を決めておくことは、技術的な対策と同じくらい重要な運用ルールです。
ノートブックの共有権限を必要最小限のメンバーにのみ絞り込む
NotebookLMでは、共有設定の管理が情報漏洩防止の要となります。ノートブックを共有する際は、「誰が閲覧できるのか」「編集できるのか」を慎重に確認し、業務上必要なメンバーのみに限定します。
特に、リンクを知っている全員が閲覧できる設定になっていないかは、作業の節目ごとに確認することが望まれます。共有範囲を最小限に保つことで、意図しない第三者への情報開示を防ぎ、安全な運用を継続しやすくなります。
情報漏洩を未然に防ぐためにユーザーが徹底すべき注意点とは?
NotebookLMを安全に使い続けるためには、初期設定だけでなく、日常的な確認と組織的なルール整備が欠かせません。ここでは、業務利用において特に意識しておくべき注意点を具体的に解説します。
Googleの利用規約を読み込み最新のデータ取り扱い方針を把握する
NotebookLMを利用する前提として、サービスの利用規約やデータ取り扱い方針を定期的に確認することが重要です。特に業務利用の場合は、個人利用との取り扱いの違いがないかを意識して確認する必要があります。
生成AIを取り巻く環境は変化が早く、データの保存期間や利用範囲に関する方針が更新されることもあります。過去に確認した内容を前提に使い続けるのではなく、最新の情報を把握することで、想定外のリスクを避けやすくなります。特に、業務資料を扱う場合は、どのような条件でデータが管理されているのかを理解した上で、社内への説明責任を果たせる状態にしておくことが求められます。
共有リンクの設定が「公開」状態になっていないか作業の節目で確認する
共有設定の確認は、一度行えば終わりではなく、継続的に行う必要があります。運用が定着するほど、初期設定の見直しが後回しになりやすいため注意が必要です。
NotebookLMでは、ノートブックごとに共有範囲を設定できますが、作業途中で設定が変わってしまう可能性もあります。資料の追加やメンバー変更など、作業の節目ごとに共有リンクの状態を確認することで、意図しない情報公開を防げます。特に、リンクを知っている全員が閲覧できる状態になっていないかを確認する習慣を持つことが、情報管理の基本となります。
AIが生成した回答内容に他社の機密情報が混入していないか点検する
NotebookLMが生成した回答は、そのまま社外に共有せず、必ず内容を確認することが重要です。AIの回答は便利である反面、情報の取捨選択を自動で行う点を理解しておく必要があります。
生成された文章には、複数の資料内容が要約・統合されて含まれるため、意図せず機密性の高い情報が含まれる可能性があります。特に、外部向けの資料や説明文として利用する場合は、社内情報や取引先情報が混入していないかを人の目で確認する工程を省略すべきではありません。AIの出力を最終成果物とせず、あくまで補助的な情報として扱う姿勢が、リスク低減につながります。
組織内でのAI利用ガイドラインを策定し関係者への周知徹底を図る
個々の注意だけに頼らず、組織としてのルールを明文化することが、情報漏洩防止の鍵となります。属人的な判断に委ねない仕組みを整えることで、リスクを安定的に管理できます。
どの種類の資料をNotebookLMにアップロードしてよいのか、共有範囲はどこまで許容されるのかといった基準をガイドラインとして整理し、関係者に周知することで、判断のばらつきを防げます。また、ガイドラインがあれば、新たに利用を始めるメンバーにも同じ基準を適用でき、属人化を避けることができます。技術的な対策と運用ルールを組み合わせることで、NotebookLMを安心して活用できる環境が整います。
NotebookLMの情報漏洩を防ぎ、安全に業務で活用しよう
NotebookLMの情報漏洩リスクは、仕組みを正しく理解し、適切な設定と運用を徹底することで過度に恐れる必要はありません。データ処理の流れや共有設定の特性を把握した上で、扱う資料の選別や確認作業を行うことが重要です。
また、クラウド型AIのセキュリティ対策だけに頼らず、組織としての利用ルールを整備することで、業務効率と情報管理の両立が可能になります。NotebookLMを安心して活用するためには、継続的な見直しと運用意識が欠かせません。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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