経営状態がリアルタイムで確認できる会計ソフトは?
作成日:2024年6月10日
経営状態を常に確認する重要性
企業において、「経営状態を確認する」とは具体的には次のようなことを言います。
損益の確認
利益(または損失)の状況は想定の範囲内か?
安全性の確認
財務項目は安定しているか?極端な上がり下がりはないか?
生産性の確認
通常どおりの生産性は確保できているか?大きな異常はないか?
資金繰りの確認
資金回収および支払に懸念事項はないか?
これらは企業継続のための基本的な事項で、どれか一つでも大きな異常値が確認されると他の項目にも影響を及ぼす結果となります。企業においては常に最新の経営状態の確認が必要です。
経営状態を確認する上で見るべき指標は?
①売上増加率
企業がどれだけ成長しているかを示す直接的な指標が売上増加率です。
売上増加率(%)={(当期売上高 ÷ 前期売上高)− 1} × 100
売上増加率が高いほど、市場での競争力や需要の拡大を示しています。売上増加率が高い企業は、市場でのシェアを拡大することができ、競争相手に対して優位性を確保できます。
売上増加率が高いと、成長性、収益力、さらには将来性も高く評価される可能性がありますが、この指標だけで判断するのは早計です。以下の利益や自己資本との関係等も合わせて見てみましょう。
②営業利益率
売上高に対する営業利益の割合を示す指標が営業利益率です。
営業利益率(%) = 営業利益 ÷ 売上高 × 100
営業利益率は企業の本業による収益力を測る指標であり、値が高いほど、企業は「効率的に収益を上げている」ことになります。
営業利益率の推移を追うことで、過去の経営戦略が有効であったかどうかを評価できます。営業利益率が低い場合は、売上原価や販管費等が高すぎる可能性があるため、コストの見直しの上でも営業利益率は重要なトリガーとなるでしょう。
営業利益率を定期的に求め、改善に向けた取り組みを行うことが求められます。
③自己資本比率
総資本のうち自己資本の占める割合が自己資本比率です。
自己資本比率(%)= 自己資本 ÷ 総資本 × 100
自己資本とは資本金、利益剰余金など返済する必要のない資本であり、総資本は自己資本と、返済を要する借入金等の他人資本との合計です。自己資本比率は企業がどれだけ自分の資金で運営されているかを把握できる指標です。
自己資本比率は企業の財務健全性を評価する指標で、高い自己資本比率は企業が自己資金によって事業を安定的に運営できることを示します。
借入金の依存度が低く、財務リスクが少ない企業ほど自己資本比率が高くなるため、信用力の評価につながるでしょう。
経営状態が確認できる会計ソフトを導入するメリット
経営指標を確認できる会計ソフト導入のメリットとして、次の3つが挙げられます。
即時性:リアルタイムでの経営指標の把握
問題の早期発見やそれに対する迅速な対応を可能にします。
効率性:複雑な分析を介さない経営指標の確認
同業他社における自社の立ち位置を客観的に評価することが可能となります。
将来性:将来の業績予測が可能
効果的な経営計画策定に役立つほか、資金繰り計画や投資計画等の具体的な立案にも役立ちます。
マネーフォワード クラウド会計で作成できるレポート例
①キャッシュフローレポート
マネーフォワード クラウド会計には、キャッシュフローレポート機能があります。キャッシュフローチャート」では、入出金の推移を日・週・月・年などの単位で棒グラフで比較でき、残高推移もグラフ内に示されます。グラフのメリットは、一目見ただけで全体の流れが分かることです。
また、「キャッシュフロー表」は、現預金期中増減、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローに分けられ、直接法によるキャッシュフロー計算書に近い形で提示されます。
また、キャッシュフローデータはSCV形式で出力できるため、システム集計された値をさらに精緻化させることが可能です。
参考:
「レポート」機能の使い方|マネーフォワード クラウド会計サポート
「キャッシュフロー表」がCSV形式で出力できるようになりました|マネーフォワード クラウド会計サポート
②収益レポート
売上高等の集計用には、収益レポート機能が便利です。売上高を計上する際に補助科目を設定しておけば、補助科目内訳などが区分されて表示されるので分かりやすいでしょう。
「収益内訳」では収益の内訳が同心円のグラフで表示され、「月次推移」では各月の売上高が層状のグラフで示されます。「収益詳細」ではさらに細かく内訳を確認できます。
参考:「レポート」機能の使い方|マネーフォワード クラウド会計サポート
③費用レポート
一定期間の費用の内訳を見るには、費用レポート機能が便利です。どの会社でも費用項目は多岐にわたることが多いため、補助科目別の内訳の状況がよく分かります。収益レポートと同様に、「費用内訳」「月次推移」「費用詳細」についてそれぞれ示されます。
月次推移では、前期の途中から当期の途中までという表示も可能なため、気になる期間を表示できます。補助科目の設定次第で有効活用できるでしょう。
「レポート」機能の使い方|マネーフォワード クラウド会計サポート
経済産業省が公表する6つの財務指標も確認可能!
企業の経営状態を把握し、改善策を見つけるための「企業の健康診断ツール」として経済産業省が公表した「ローカルベンチマーク」という指標があります。このローカルベンチマークの中には、6つの財務指標が使われています。
マネーフォワード クラウド会計では、「財務指標(β)」にてこの6つの財務指標を一目で確認可能です。
- 売上増加率
- 営業利益率
- 労働生産性
- EBITDA
- 営業運転資本回転期間
- 自己資本比率
これらの財務指標により、財務状況を多方面から把握して、経営改善や戦略立案に役立てることが可能です。また、金融機関や支援機関との対話もスムーズに進めることができます。