保育園向けの会計ソフトの選び方・比較すべき項目
作成日:2024年4月26日
保育園で会計業務の効率化を進めるべき理由
近年は、株式会社による保育園など社会福祉法人以外の保育園も多く見られます。
株式会社の運営する保育園においても、保育が必要な子どもの保育をする「認可保育園」と保護者の委託を受けて子どもを保育する「認可外保育園」の2種類があります。
株式会社で保育事業を運営する場合、会計業務は企業会計の基準に沿うことになりますが、認可保育園の場合には自治体から受領する「委託費」の運用要件を満たさなければなりません。
限られた人員で会計業務をするにあたっては、領収書の整理や記録などが煩雑になりやすく、また、保育用の固定資産や備品の管理も不十分になりがちです。
子どもの保護者との連絡などはメールなどの手段になっていても、会計業務ではペーパーレス化が難しいところも多く、手作業が多いと人為ミスも発生しやすい結果となります。また、これらに起因する会計情報の管理体制の脆弱化も考えられるでしょう。
保育園の経営において会計業務で悩みがちなポイント
経理業務のペーパーレス化を進めたい

株式会社の保育園においては、使用する多くの書類を短時間で処理するためにペーパーレス化を進めるべきでしょう。まずは、書類の種類や量、保管方法等を調査し、ペーパーレス化にどんな成果を期待するのかを明らかにします。
ITツールの選択においては「クラウド型」を選択し、システム導入後には従業員への研修や試行期間を設けましょう。ペーパーレス化は一気に切り替えるというより、徐々に社内に浸透させるほうがスムーズです。
収益の記帳を効率化したい

株式会社型の保育園(認定外)においては、利用者からの収益計上は請求処理のタイミングで行うのが一般的です。
利用者管理を別のシステムで行う場合、請求データと会計ソフトの連携がないと収益計上処理だけで時間がかかります。システム連携によって収益計上と記帳が短時間で可能となるでしょう。
他システムとのデータ連携可能な会計ソフトは、API連携機能が充実していたり、連携用のテンプレートを利用したりできるものが少なくありません。
税理士とリアルタイムで連携したい

保育園業務においては行政とのつながりも多いことから、さまざまな角度からの運営支援が望まれます。会計や税務においては、税理士からの支援も頼りになります。
なかなか終わらない月次処理を待った後、税理士にアドバイスを求めるのではなくリアルタイムでデータの動きを見てもらったほうがよいでしょう。
特に資金繰りに関しては、現在と将来に重点があるためクラウド型の会計システムを介して相談するほうがよいと言えます。
保育園の経営者が会計ソフトを比較する際のポイント
自動仕訳で会計業務を効率化
会計業務には、仕訳の入力が欠かせません。登録した仕訳の「学習機能」があれば、利用するほど自動提案する仕訳の勘定科目は適切になります。ソフトの自動提案を修正して使えば使うほど、より作業を効率化できるでしょう。
保育園の事務では総務的な作業を求められることが多いため、仕訳処理の時短となる学習機能は頼りになります。勘定科目のミスが減ることで、会計帳簿の信頼性を高める結果となるでしょう。
銀行・クレジットカードとの連携
保育園のバックオフィスにおいては、収益も経費もインターネットバンキングやクレジットカードを利用し、かつ、クラウド型会計ソフトと結びつけることをおすすめします。
実際のお金の受払である決済を取引先や銀行窓口でするのではなく、クラウド型ソフトに任せることによって、時短ができる上に人為ミスが削減されます。
クラウド型の会計ソフトではこれらの決済処理の自動化をサポートしており、会計業務の多くが楽になるでしょう。
複数人、複数拠点で同じデータを確認できるか
会計データは会計担当だけでは作成できません。取引の実態を正しく反映した会計データを作成するためには、実際の取引をしている人や税理士・会計士などの専門家の目を通すことが大切です。
保育園に会計ソフトを導入する際においても、衆人環視の中で会計データが作成されるよう、クラウド型で複数人が同じデータを確認できるものがおすすめです。複数人で確認することにより、会計業務への信頼度が高まります。
保育園様に参考となる会計ソフトの導入事例
動物のトータルヘルスケアサービス提供:右京動物病院様の事例
もともとは個人事業で小さな医院を経営していた右京動物病院様は、最初に導入した会計ソフトではお金の流れが把握できず、経営状態の可視化を望んでいました。
税理士の切り替えのタイミングで「マネーフォワード クラウド会計」を紹介され、極力事務作業にかける時間を短縮したい思いと合致したため、導入を決められました。導入後はリアルタイムに会社の状況を把握できるようになり、経営の可視化が進んだそうです。
「IT×福祉」をテーマに独自の事業展開:サンクスラボ株式会社様の事例
IT事業と福祉事業を展開するサンクスラボ株式会社様は、従業員増加に伴って、内部統制の必要性を感じていました。画面のデザイン・操作性、組織の規模感から「マネーフォワード クラウド会計」を導入し、「マネーフォワード クラウド勤怠」「マネーフォワード クラウド給与」と連携させて利用開始しました。
結果として、従業員の労働時間の可視化につながり、「本来あるべき労務管理」ができるようになったそうです。
鍼灸整骨院とIT事業等を展開:株式会社HITOMIOテクノロジーズ様の事例
鍼灸整骨院を主としてIT事業等を展開する株式会社HITOMIOテクノロジーズ様の悩みは、会計入力において手作業が多く、紙ベースの経費精算では月次決算に時間がかかることでした。
社内ビジネスモデルが転換したタイミングに「マネーフォワード クラウド会計」「マネーフォワード クラウド経費」を導入されました。
現在はクラウド型システムの利点をフルに活用し、月次決算も6営業日で対応できるようになったそうです。