IT業界向けの会計ソフトの選び方・比較すべき項目
更新日:2024年4月25日
IT業界が会計業務の効率化を進めるべき理由
IT業界の業務は、ハードウェア関連、ソフトウェア関連、インターネットサービスなど様々な分野に分かれています。
実際には、これらの事業は複合していることが多く、また、IT業界は日々進化しており、新たな技術が新たな分野を生み出す業界でもあります。
これらIT業界における収益モデルは会社によって千差万別で、長期プロジェクトの受託開発であることもあれば、サブスクリプションモデルを採用している企業もあるでしょう。多様化する収益モデルに合わせて適切な会計処理を行い、収益とコストのバランスをタイムリーに把握することが、技術革新が早いIT業界において重要になりつつあると言えます。
IT業界の経営において会計業務で悩みがちなポイント
経理業務のペーパーレス化を進めたい

例えば、中小のIT企業においてペーパーレス化を進めようとした場合、スキャナーや複合機、電子文書管理システムなどの導入コストがかかります。これらのコスト負担に加え、新たな業務フローに合わせた従業員への教育が欠かせません。
従業員教育は全社を挙げて実施する必要がありますが、従来の方法がある程度システム化されている場合には新たなフローに馴染めない従業員もいるため、適切な業務フローの設定が必要です。
売上の記帳を効率化したい

売上高は損益計算書のトップに記載され、企業の経営成績、収益を示す重要な指標です。IT業界の売上高の計上において、受注制作のソフトウェア等では顧客の検収が必要なケースがあります。また、ライセンス製品の代理店となっている場合等には、手数料の認識が必要です。
このように取り扱う対象によって売上高の計上基準が異なる場合、経理側で管理するのではなく、業務管理システム側とのデータ連携によって売上高を把握したいものです。
会社規模にあわせてスムーズに経理業務を移行したい

IT業界は大企業から一人社長の企業までさまざまです。特に小規模企業においては人手不足、経理の知識不足などもあり、経理処理の負荷が大きくなることもあります。
業務効率化のためには、それぞれの会社の規模や業態に合った会計システムへの移行が必要であり、インストール型ではなくクラウド型のシステムが望まれます。また、会計システムの更改においては、会計データの移行がスムーズに行えるものがよいでしょう。
IT業界の経営者が会計ソフトを比較する際のポイント
銀行・クレジットカードとの連携
IT業界において会社の成長とともに従業員が増え、取引銀行も増えることはよくあります。そこで会計システムを選択においては、できるだけ幅広い連携ができるものが好ましいと言えます。銀行はもちろんのこと、従業員が利用する法人カード、電子マネーなどの利用できる種類が多いものを選択しましょう。
これらの連携により日々の取引が自動化され、エラーなどがあった場合でもその日のうちに解決することも可能となります。
ユーザーの利便性を高めるクラウド型
ソフトウェアのクラウド型とインストール型では、どこで稼働しているかが異なります。
クラウド型はインターネット上のクラウドサーバ上でソフトが稼働し、利用者はインターネット経由でサーバにアクセスして利用します。そのため、アカウントがあれば隔地でもデータをリアルタイムで共有することができ、監査法人や税理士などとの連携もスムーズにできます。
多くの計算要素が必要なIT業界の会計においてはクラウド型が便利でしょう。
上場・IPO準備にもスムーズに対応
IT業界において上場を目指す場合には、内部統制の整備が必要となります。内部統制以外にも、会計ルールの整備をはじめ、健全な企業経営ができる組織としての仕組みづくりが求められます。
経理においては、権限に基づいて処理がなされ、相互牽制がなされていることが確認できる会計システムが必要です。したがって、IPO準備を検討中なら、アカウントの権限管理や仕訳承認機能等が備わっているかどうかを確認しましょう。
IT業界様に参考となる会計ソフトの導入事例
ビジネスチャットツール運営:Chatwork株式会社さまの事例
クラウド型ビジネスツール「チャットワーク」を運営するChatwork株式会社さまは、当初インストール型の会計ソフトを利用していましたが、利用できる端末が限られ、データの間違いにすぐ対応できないという悩みがありました。
「マネーフォワード クラウド会計」を導入した決め手としては、シンプルで使いやすかったこととサポートの手厚さでした。システム更改後は帳簿作成にかかっていた時間が月20時間も削減できています。
情報共有サービス:合同会社esaさまの事例
ドキュメント共有サービス「esa.io」を運営する合同会社esaさまの悩みは、起業時点における会計知識がほとんどなかったことでした。そこで、多くの友人が使っていた家計簿アプリ「マネーフォワード ME」の評判がよかったこともあり、マネーフォワードが開発している会計ソフトの導入を決めました。
「マネーフォワード クラウド会計」の仕訳自動提案などを利用し、拍子抜けするほどスムーズに作業が進んだとのことです。
小規模事業者向け税務サービス:しごとの家計簿株式会社さまの事例
記帳代行をはじめとする税務サービスを展開するしごとの家計簿さまは、小規模事業者向けのサービスの基盤として「マネーフォワード クラウド」を選択しました。
小規模事業者向けのサービスにおいては、記帳業務という労働集約的な作業が必要でしたが、「マネーフォワード クラウド」のプラットフォームと自動化機能で解決しました。小規模事業者に必要十分な機能、優れたコストパフォーマンスで今後にも期待されています。