運送業向けの会計ソフトの選び方・比較すべき項目
作成日:2024年3月18日
運送業において会計業務の効率化を進めるべき理由
運送業界には規模の小さな事業者も多く、紙文化が根強く残っています。そのため運送業界では会計業務の効率化は欠かせません。また、「2024年問題」も運送業界での効率化が必要な背景として挙げられます。
2024年問題とは、これまで規制のなかったドライバーの残業時間に上限が設けられることによる影響を指します。ドライバー1人あたりの走行距離が短くなるため、運送会社の売上減少や輸送能力の低下が心配されています。
ドライバー確保のためには、ドライバーの処遇改善が必要です。効率化によってバックオフィス業務にかかる人件費を節約できれば、コア業務であるドライバーの確保にリソースを集中できるでしょう。
運送業おいて会計業務で悩みがちなポイント
経理業務のペーパーレス化を進めたい

運送業界では紙文化が根強く残っており、荷主との受け渡しなどでも日常的に紙の帳票が使われています。運送会社は多数の荷主から依頼を受けるため、請求書などの紙の量は膨大になるでしょう。そのため経費業務の効率が悪くなっており、効率化のためにはペーパーレス化が必要です。
また経費精算も紙ベースで行っている企業も多いでしょう。運送業界には全国各地に複数拠点がある企業も多く、拠点間の連携も紙ベースでは負担になっています。
損益データをスピーディーに確認したい

運送業は多くのトラックが大量の荷物を運んで収益をあげるため、細かい損益をリアルタイムに把握しにくいです。車両ごとの損益などを細かく把握できれば、改善もしやすいでしょう。
複数拠点を有する運送業の企業では、拠点ごとの損益の把握も必要です。常に多くのトラックが走っている運送業においては、損益データをスピーディーに把握することが求められます。
他拠点や税理士とリアルタイムで連携したい

運送業は全国に荷物を運ぶため拠点を複数もつ企業が多い一方、小規模な企業も多く、経理業務を税理士にアウトソーシングしているケースも散見されます。
運送業で適切な経営判断を行うためには、他拠点や税理士とのリアルタイムな連携が必要です。事業所間で本支店取引を行っている場合も多く、複数の拠点でデータを共有する取り組みが求められています。
運送業の経理担当が会計ソフトを比較する際のポイント
銀行・クレジットカードとの連携
紙文化が残っており、多くの伝票が発生する運送業界では、銀行口座やクレジットカードなどとの連携が重要です。口座やカードと連携ができれば紙の削減ができるだけでなく、入力ミスも防げるでしょう。
取得した明細をもとに勘定科目も判断してくれるため、仕訳が簡単に行えます。運送業界で会計システムを選ぶ際には、ペーパーレスにできるシステムにしましょう。
リアルタイムでレポートを作成する機能
運送業界の会計システムでは、リアルタイムで損益が確認できるかどうかも重要なポイントです。多くのトラックが大量の荷物を運ぶ運送業界では、リアルタイムでの損益が確認しにくいです。拠点ごとの損益が即時に確認できれば、経営判断を的確に行えるでしょう。
また、マネーフォワードでは貸借対照表や損益計算書も自動で作成してくれるため、決算作業も楽になります。
複数人、複数拠点で同じデータを確認できるか
複数拠点のある企業も多い運送業界では、同じデータを共有できるかどうかも重要です。拠点ごとに経理機能が存在している場合、紙ベースでの処理はタイムラグが発生することや、処理が煩雑になります。
マネーフォワードであれば複数人、複数拠点で同じデータを共有することが可能です。税理士との連携も可能なため、経理処理を効率化できます。
運送業の参考となる会計ソフト導入事例
海運業:浜崎海運株式会社様の事例
エネルギーの海上輸送を手がける浜崎海運株式会社様では、経理業務を紙で行っていたそうです。そのため長年勤務した経理担当が退職する際、大量の紙を引継ぐ負担がありました。
しかし「マネーフォワード クラウド会計」の導入により、ペーパーレス化に成功。これまで紙で管理していたデータをクラウド上で管理できるようになり、複数人で共有できるようになりました。また、顧問税理士ともアカウントを共有することで、仕訳のスピードが向上し、経理業務の効率化に成功しています。
建設業:フクダ・ロングライフデザイン株式会社様の事例
家づくりを手がけるフクダ・ロングライフデザイン株式会社様では、従来の会計ソフトではリアルタイムに経営状況を把握できない課題を感じていたそうです。そこで「マネーフォワード クラウド会計」を導入し、銀行口座との連携を行いました。
入出金明細などが簡単に確認できるようになり、また自動取り込みもしてくれるため処理時間の短縮にも成功しています。従来のソフトでは更新の都度、更新料が発生していたためコスト削減にも繋がっているそうです。
水産加工:株式会社オカフーズ様の事例
水産加工食品の販売を手がける株式会社オカフーズ様では、業務改善の一環で「マネーフォワード クラウド経費」を導入しました。従来は他社システムを利用していたため、月末になるとデータを加工して「マネーフォワード クラウド会計」に取り込む作業が発生し、事務負担が発生していたそうです。
同じマネーフォワードクラウドシリーズにシステムを揃えたことで、仕訳が自動で行われデータ移行の作業もなくなり、効率化に成功しています。アプリで領収書を撮影するだけで、電子帳簿保存法の要件を満たす画像で保存されるなど、経理業務の改善に役立つ機能を活かしています。