美容業界向けの会計ソフトの選び方・比較すべき項目
作成日:2024年2月29日
美容業界が会計業務の効率化を進めるべき理由
厚生労働省によると、平成30年から令和4年において美容室の数は増加傾向にあり、理容室と美容室を重複して開設するところも前年比16.5%の増加となっています。しかし、顧客数の減少、客単価の低下など将来に向けての事業拡大には悩ましい要素もあります。
美容業界においては、スタッフの美容技術や接客態度などが顧客獲得の大きなポイントとなり、経営者はバックオフィス業務にあまり傾注できない実態も見受けられます。会計ツールを導入したものの、売上高、資材や商品の仕入、在庫管理等を含めた会計データが思うように管理できないことがあるでしょう。
これは、会計ツールを導入したものの、導入後のフォローアップも不足していると起こりがちな問題だと言えます。会計ツールが現状に合っていなければ、業務フローを整備し準備を整え、目的に沿った使い勝手のよいシステムを活用することで大きく変えることができます。
美容業界において会計業務で悩みがちなポイント
売上の記帳を効率化したい

美容業界において、顧客は継続的な施術が必要であるため、他業種に比べて来店者のリピート率が高く、予約状況によりある程度先の売上予想も可能となります。しかし、現状はサービスが終わってからレジで精算し、その後、売上伝票を会計ソフトに入力するという手作業を継続しているケースもあるでしょう。
売上入力を手作業でするのではなく、うまく予約データや顧客データなどを利用して効率的に売上高の記帳をしたいものです。
レジシステムと会計ソフトを連携したい

レジシステムには、予約管理、顧客管理、売上管理など多くの機能があります。美容業界では、例えば顧客管理においてはプロフィールや施術履歴、アレルギー情報などを管理し、顧客のニーズを把握することが可能です。
そして、レジシステムと会計ソフトとがうまく連携すると、その先のデータ分析を非常に行いやすくなります。会計ソフトに経費や給与のソフトを連携できると、サービスの原価分析なども行いやすくなるでしょう。
税理士とリアルタイムで連携したい

美容業界において、税理士は経営のよきパートナーです。顧客の動きが売上に即影響する美容業においては、税理士支援のタイミングが重要だと言えるでしょう。
税理士がすでに過去月となったデータを確認するだけでなく、リアルタイムに財務データを見ることができれば経営判断の精度が向上します。例えば、新たなサービスの実施時期や資金繰りシミュレーションのアドバイスなど、タイムリーな提案が受けられるようになります。
美容業界の経理担当者が会計ソフトを比較する際のポイント
記帳や仕訳の自動化
会計ソフトを選択する際、自動仕訳・記帳の機能は必ずチェックしておきましょう。
美容業界は営業時間が長い店舗も多く、労働時間も長くなりがちで、仕訳作業にまとまった時間を取ることが難しいと言えます。
自動仕訳機能により短時間で大量に処理できる上、新たな仕訳や複雑な仕訳が必要な場合でも新たなルールを作成して対応できます。また入力の際のミスを防げるため、仕訳精度を高められるでしょう。
参考:https://biz.moneyforward.com/accounting/feature/automations/
様々なPOSレジシステムと連携する機能
会計ソフト選択の際に確認したい項目の1つとして、他システムとの「親和性」があります。
美容業界では、顧客の来店記録や予約を反映した「電子カルテ」搭載のPOSレジシステムなどがあります。先にこれらのレジシステムを導入している場合が多いので、レジシステムとデータ連携できる会計ソフトを選択しましょう。
また、将来レジシステムを変更しても引き続き会計ソフトを使えるよう、多くのシステムと連携できるソフトをおすすめします。
参考:https://biz.moneyforward.com/accounting/feature/cash-register/
パートナーの税理士とリアルタイムに数値共有
経営状況をリアルタイムに把握できると、顧問税理士のアドバイス効果は大きく向上します。そこで会計ソフトを選択する際には、税理士とデータ共有機能があるかを確認しましょう。
美容業界は、サービス売上だけでなく商品売上もある上、器具や備品の中には高額な固定資産が含まれている場合もあります。そこで、税理士と決算の状況をリアルタイムで共有できれば、決算の早期化や経営方針転換の早期実施にもつながります。
参考:https://biz.moneyforward.com/accounting/feature/
参考となる会計ソフト導入事例
サロン的カフェ:銀座ペンシルミュジアム 五十音様の事例
銀座ペンシルミュジアム五十音様は、3つの連携を駆使して業務の効率化を実現しました。3つの連携とは「マネーフォワード クラウド会計」、記帳代行自動化サービス、そしてスキャナー導入のことで、大きな負担となっていた紙の領収書の入力業務が解決されました。
まず紙の請求書をスキャンし、PDFデータを記帳代行サービスに送り、戻ってきたデータをマネーフォワード クラウド会計に流し込むという連携です。「空いた時間を無駄にしない」というポリシーのもと、最適な環境が実現しています。
美容室:シェラブ様の事例
Mac愛用者のシェラブ様は、Mac対応のソフトを探していたところ「マネーフォワード クラウド確定申告」を知り、金融機関との自動連携が決め手になって利用を開始されました。月末にまとめて取引データを手入力していたのが、毎日の自動取り込みにより解消しています。
さらに、POSレジアプリからのクレジットカードの売上データやECサイトと連携した仕入データなどの取り込みにより、自社の経営状況についてじっくり考える時間が生まれています。改めて会計処理が単に作業ではなく、経営状況の把握・分析に活用できるものだと実感されたとのことです。