化学業界向けの会計ソフトの選び方・比較すべき項目
更新日:2024年2月13日
化学業界において会計業務の効率化を進めるべき理由
化学産業はさまざまな生産工程を経て最終的に製品を製造する過程で、次の工程に必要な材料を作る上流事業と、売り物になる製品を作る下流事業に分かれます。
上流事業で製造されるのはいわゆる基礎化学品です。企業の種類にかかわらず、同じ製法・同じ品質の製品が作られるため、品質自体で差別化ができません。結果的に競合他社との間で価格競争に陥り、製品を売るためには値段を下げる戦略を迫られます。
上流事業ではいかに製造コストを削減し、利益率を高められるかが重要です。生産プロセスの合理化やエネルギーコストの圧縮などの施策ももちろんですが、会計業務の効率化を図り、バックオフィス部門からコストの低減に取り組むことが大切です。
化学業界において会計業務で悩みがちなポイント
詳細な財務情報の分析を行いたい

原材料の価格が急騰していることもあり、財務状況を詳細に分析したいという意見が出ています。支出の内訳をリアルタイムに把握している場合は、コストの削減に迫られる状況の中で経営面での判断が難しくなる可能性もあります。
財務状況を分析する必要性に気付きながらも、システムの刷新に伴う負荷の受け入れが難しく、変革に着手できない企業も少なくありません。
紙の伝票から脱却して業務の効率化を進めたい

紙の伝票は支払を進めるにあたり、上長の判子が必要となり、業務フローも煩雑な傾向があります。また、請求書が紙ベースだと、スキャンしてPC上のファイルに保存する手間が発生します。
2024年1月から原則すべての企業の義務となった電子帳簿保存法への対応も、紙の伝票からの脱却が叫ばれる一つの要因です。紙での処理は業務フローが増えやすく、支払漏れや二重支払のリスクがあるのも特徴です。
各種帳簿の記帳を効率化したい

化学業界も、労働力不足の影響で省力化・自動化が強く求められています。特にバックオフィス専門の人材確保まで手が回らず、日々の記帳を効率化したいと望む会社は少なくありません。
ただ、どのようなフローに改善の余地があるのか、悩む事業者も多いでしょう。
化学業界の経理担当が会計ソフトを比較する際のポイント
①クラウド上で完結するワークフロー
会計ソフトの導入による業務の負担を抑えるには、クラウド上で完結するワークフローを備えたシステムの選定が求められます。経理部は支払請求書の受領や対応が伴うため、出社の必要に迫られ、他の部署と比べてテレワークに移行しにくいことが特徴です。
クラウド型の会計システムを導入すれば、業務の大半を在宅でこなせるように変化し、柔軟な働き方の推進に寄与します。
②リアルタイムでレポートを作成する機能
会計ソフトの導入を考える場合、リアルタイムでレポートを作成する機能は重要です。気になるときすぐに支出の状況を確認できれば、経営の心配は大きく減ります。
不透明なお金の動きがなくなり経費が可視化されることは、コスト削減の要請が強い化学業界の経理では大切です。「マネーフォワード クラウド会計」では、専門家の助言を仰ぐ前に自社で状況を確認できるため、迅速な経営判断もしやすくなるでしょう。
③多数のサービスとの連携機能
さまざまなサービスとのAPI連携機能を備えていれば、複数の業務を1つにまとめ、ワークフローの短縮化が実現します。
「マネーフォワード クラウド会計」と「マネーフォワード クラウド債務支払」をあわせて導入すれば、届いた請求書をシステムに登録するだけで、登録済みの銀行口座へ支払が行われ、仕訳の処理までも完結します。
業務効率化に役立つほか、転記ミスのヒューマンエラーも減るため、非常に有意義です。
化学業界の企業様に参考となる会計ソフトの導入事例
古賀オール株式会社様の事例
銅板の加工や販売を行う古賀オール株式会社様は、従前のオンプレミス型のシステムでは税務申告しか対応できず、財務情報の詳細な分析を行えないことが課題でした。
「マネーフォワード クラウド会計Plus」の導入後は業務の自動化が実現し、負担が減少したそうです。CSVデータの読み込みにより、各種システムとの連携がスムーズに運び、経費の清算や管理会計の推進に絶大な効果を発揮しています。
株式会社オカフーズ様の事例
水産加工食品の開発や製造を手がける株式会社オカフーズ様は、マネーフォワード クラウドの複数のサービスを併用して、従業員1人当たり年間800時間の時短を実現しました。
他の会社が提供する経費精算システムを使用していた頃は、月末にデータを抽出・加工し、「マネーフォワード クラウド会計」に取り込む移行の手間に悩まされていました。
同社は「マネーフォワード クラウド経費」を導入して自動連係機能が使えるようになり、業務フローの簡略化を実現しています。
白鷺ニット工業株式会社様の事例
シルバー向けのインナーウェアを製造・販売する白鷺ニット工業株式会社様は、日常的な経営収支を把握できていない状況に危機感を抱き、クラウド会計の導入を決意したそうです。
専門家に段ボールに入った書類をそのまま渡していた頃は、経理業務はほとんど外部に丸投げの状況でした。しかし「マネーフォワード クラウド会計」の導入によって、自社でお金の流れが分かるようになったことで、用途不明の支出が減り、安心して経営を行えるというメリットを実感されています。