動物病院向けの会計ソフトの選び方・比較すべき項目
更新日:2024年2月13日
動物病院が会計業務の効率化を進めるべき理由
「ペットは大切な家族」と考える人が多くなり、動物病院に求められることも増えています。また、動物病院の数が増える一方で、ペットの数は減少傾向にあり、動物病院の経営者は収益や差別化について考える必要性が高まっています。
動物病院は、動物への想いや使命感を持った獣医師が経営している場合が大半です。しかし、それゆえに「経営にまで気を回せない」「経営についてはよくわからない」という方も多いかもしれません。休みや給与が少ないなど、獣医師自身や動物看護師の努力の上で経営が成り立っていることも多いものです。管理部門を専門に行うスタッフがおらず、獣医師や動物看護師が診療や治療に加えて受付や経理業務を行うこともあるでしょう。
収益力の強化や他の動物病院との差別化を図り、働く人の負担を軽減するには、できるところから効率化に取り組む必要があります。動物や飼い主へのケアに集中するためにも、バックオフィス業務の効率化に取り組むことが重要です。
動物病院の経営において会計業務で悩みがちなポイント
①売上の記帳を効率化したい

動物病院は動物に対するケアを行う現場であるため、顧客が多いと業務が慌ただしくなります。ケアを優先して、売上の記帳が遅くなったり後回しになったりすることも少なくありません。
しかし、そもそも業務時間内に記帳のための時間を取ることが難しかったり、詳細がわからなくなったりすることもあるでしょう。売上の計上と同時に記帳も完了できる仕組みがあれば、あとからの処理が不要となり二度手間になりません。
②損益データをスピーディーに確認したい

動物病院といえど、利益を確保できなければ経営を続けられません。そのため、損益データを確認しながら経営する必要があります。
しかし、売上の記帳に時間がかかってしまうと現時点の経営状況を把握できません。記帳の効率化は従業員の負担を軽減するだけでなく、スピーディーな経営判断にもつながります。
③顧問税理士や他拠点とリアルタイムで連係したい

税理士の協力や指導を受けながら経営している動物病院もあるでしょう。「経営についてはわからない」という場合は、税理士と情報を共有して適切な判断を行うことが重要です。
情報を共有するには、ある程度まとまった形のデータにする必要があります。そのため、やはり売上をはじめとする取引の記帳が必要です。加えて、状況に応じた臨機応変な判断をするには、できる限りリアルタイムの情報を共有できる仕組みが必要になります。
動物病院の経営者が会計ソフトを比較する際のポイント
①銀行口座・クレジットカードとの連係
会計ソフトと銀行口座やクレジットカードと連携することで、取引データを自動的に取得できます。さらに、取引内容から自動的に仕訳を作成できるものを選べば、承認や修正を行うだけで仕訳が完了します。
一つひとつを入力することに比べると、大幅な効率化が期待できるでしょう。キャッシュレスの支払を採り入れていない場合は、効率化を図るために検討してみることも一案です。
②リアルタイムでレポートを作成する機能
入力された仕訳から、グラフや試算表などのレポートを作成できる会計ソフトもあります。情報が整理されているため理解しやすいほか、税理士との情報共有にも役立つでしょう。
ある時点での経営状況がわかるだけでなく、過去の状況と比較したり一定期間における変化を読み取ったりと、直感的・視覚的にデータを理解できます。
③複数人、複数拠点で同じデータを確認できる
複数の動物病院やペットに関連する他の施設を経営している場合には、全体の経営状況を見ながら判断する必要があります。インターネット環境とパソコンがあれば、違う場所でも同じデータを共有できるクラウド会計ソフトがとくにおすすめです。
複数人が同時に操作することも可能であるため、各拠点でスムーズに処理や確認ができるでしょう。
動物病院さまのクラウド会計ソフト導入事例
バックオフィス業務を効率化し、診療に専念
右京動物病院さまは、顧問であるひろせ税理士法人の協力のもと、「マネーフォワード クラウド会計」を導入されました。もともとは院長自身が経理業務を行っていましたが、法人化や従業員の増員に伴う負担の増加から導入を決められました。
バックオフィス業務は最小限にして診療に時間を使いたいという思いを持ち、簡単に入力できる機能を有効活用されています。スマホのアプリも活用して、経営状況をリアルタイムで把握できるようになりました。