人材業界向けの会計ソフトの選び方・比較すべき項目
更新日:2024年2月13日
人材業界が会計業務の効率化を進めるべき理由
人材業界における一番の課題は、労働力人口の減少です。総務省が発表している「情報通信白書」によると、2050年には現在に比べて29.2%も労働力人口が減少するといわれています。人材業界には人材紹介や転職支援、人材派遣などさまざまな業態がありますが、労働人口が減れば市場も縮小するでしょう。
参照:総務省「情報通信白書」
働き方改革によって、柔軟な働き方や雇用形態の多様化も進められています。さらには労働力の不足によって、これまでの若い世代への支援だけでなく、中高年への転職・就職支援なども重要になるでしょう。
環境や労働力人口や年齢の変化によって、人材派遣業界は従来とは違ったアプローチが必要です。そのため、経営のリソースを人材支援や営業のフロント業務に集中させる一方で、会計などのバックオフィスは効率化を図る必要があります。人材業界で生き残っていくためには、会計の効率化は重要なポイントといえるでしょう。
人材業界における会計業務で悩みがちなポイント
①損益データをスピーディーに確認したい

人材業界は業態にもよりますが、労働集約型のビジネスモデルです。転職エージェントであれば、1人のエージェントが支援できる人数には限界があるため、売上を伸ばすためにはエージェントを増やすしかないケースもあります。ただし、一人ひとりのスキルには差があり、損益データをリアルタイムで把握する必要があります。損益状況をリアルタイムで確認することにより、人員確保なども的確に行えるでしょう。
②売上の記帳を効率化したい

人材業界の主な売上は、人材を紹介した企業からの成功報酬です。売上先の会社数は非常に多く、請求書の送付や売上を記帳する件数は他業種に比べても多くなります。経理や会計の部署に人員割いているのであれば、売上の記帳を効率化することで、人員リソースをエージェントや営業部門に割くことが可能です。
③顧問税理士や他拠点とリアルタイムで連係したい

税理士とデータを連携できれば、効率的な会計業務が行えるでしょう。入出金や取引明細を税理士に送っている会社もあるかもしれませんが、取引件数が多くなるほど事務負担もあります。リアルタイムでデータを連携することで、仕分けをチェックしてもらえるためミス防止に繋がります。税制改正があった場合や、税務調査の際にもスムーズに対応できるでしょう。
人材業界における会計業務に役立つクラウド会計ソフトの機能
①リアルタイムでレポートを作成する機能
人材業界の企業が会計ソフトを選ぶ際、着目したいのがリアルタイムでレポートを作成する機能です。人材業界は人員が売上・利益に直結するため、適切な人員配置が必要です。リアルタイムで売上に関するレポートを作成する機能があれば、人員の過剰や余剰を防げるでしょう。リアルタイムでレポートが作成できて、さらに複数人や拠点間でも共有できる会計ソフトがおすすめです。
②銀行口座・クレジットカードとの連係
銀行口座・クレジットカード会社との連携も、人材派遣業の会計ソフトでは重要です。金融機関との連携が行えれば自動で入出金明細ができるため、面倒な入力作業が発生しません。またソフトによっては仕訳も自動で行ってくれる機能があるため。経理業務を効率化できます。人材業界は取引先が多く入出金件数も多くなりがちなため、金融機関との連携が可能なソフトはおすすめです。
③複数人、複数拠点で同じデータを確認できる
複数拠点で同じデータが確認できれば、顧問税理士との連携もスムーズに行えます。大量の取引明細や伝票を税理士に定期的に送っている企業も多いかもしれませんが、同じデータの確認を実施できれば経理業務を効率化できるでしょう。複数拠点を持つ企業であれば、拠点間の連携もスムーズに行えます。拠点間でのデータのやり取りなども、減らせるでしょう。
参考となる会計ソフトの導入事例
会計業務の内製化でリアルタイムな数字把握を実現
資産運用や節税、事業承継などのアドバイスを行っているUBUNTU株式会社さまでは、経理業務は税理士にアウトソーシングしていました。そのため会社の運営をするうえでの数字が把握できず、また経費を把握するまでに2ヶ月ものタイムラグがあることが課題でした。そこで「マネーフォワード クラウド会計」を導入し、経理業務を内製化しています。
導入後は経費をリアルタイムで把握できるようになり、収支管理も自社で行っています。銀行連携など他社連携が豊富なため、作業に割く時間が短くコア事業に集中できるようになりました。
脱Excelで経理業務を効率化
ベンチャー支援事業を行っている株式会社サムライインキュベートさまでは、Excelを使って請求書を作成していました。毎月の請求書作成の負担は大きく、請求業務にかかる時間と手間が課題でした。そこで「マネーフォワード クラウド会計」を導入し、請求書作成業務を効率化しています。
従来は在宅勤務のワーカーが請求書作成を担当、PDFファイルを受け渡しするフローが負担でしたが、導入後はリアルタイムでデータ共有できるようになりました。管理やチェックがしやすくなり、業務連携がスムーズになっています。