クリニック向けの会計ソフトの選び方・比較すべき項目
更新日:2024年2月13日
クリニック経営において会計業務の効率化を進めるべき理由
医療業界では、2025年問題の影響が懸念されています。2025年には約800万人の団塊の世代(1947~1949年生まれ)全員が、75歳以上の後期高齢者になります。日本は国民の5人に1人が75歳以上、3人に1人が65歳以上という超高齢化社会に突入し、さまざまな方面で影響があるでしょう。
特に影響を受けるのが医療業界で、大量の後期高齢者を支えるための人材が大幅に不足するでしょう。そのため、医療機関の経営効率化は今後の大きな課題といえます。医師や看護師といった患者と接する人員を確保するためには、会計などのバックオフィスに割く人材を減らす必要があります。
クリニック経営における会計業務で悩みがちなポイント
①売上の記帳を効率化したい

医療機関の経理業務は、他の業種と比べると特殊といえるでしょう。
クリニックにおける収入は保険収入・自費収入・雑収入の3つがあり、収入の大半を締める保険収入は、健康保険からの収入全般です。自費収入は、自由診療での収入です。雑収入は物品等の売上を指し、医療行為による売上ではありません。保険収入は自費収入に比べて2ヶ月程度入金が遅れるため、売上の記帳が煩雑になりがちです。
②損益データをスピーディーに確認したい

一口にクリニックといっても業態はさまざまで、保険診療が中心のクリニックがあれば自費診療が多い場合もあるでしょう。どのような形態であっても安定した経営を継続するには、損益データをスピーディーに把握する必要があります。足元の損益状況を常に確認することで、適切な施策が打てるでしょう。
③顧問税理士とリアルタイムで連係したい

クリニックは院長自ら経営している場合が多く、会計業務には詳しくない方も多いでしょう。そのため、会計業務を税理士にアウトソーシングしているクリニックも珍しくありません。
税理士に会計業務を依頼している場合、リアルタイムで情報を共有できる方が、よりタイムリーに連携が取れます。
クリニック経営の会計業務に役立つクラウド会計ソフトの機能
①銀行口座・クレジットカードとの連係
クリニックの経営者が会計ソフトを比較する際は、銀行口座やクレジットカードと連携できるかどうかに注目してみましょう。金融機関と連携できれば自動で入出金明細を作成できるだけでなく、仕訳も楽になります。売上の記帳が煩雑になりがちなクリニックには、おすすめの機能といえます。できるだけ多くの金融機関と提携しているソフトのほうが、ストレスなく使えるでしょう。
②リアルタイムでレポートを作成する機能
リアルタイムでレポートを確認できるかどうかも、クリニックでは重要なポイントです。損益の状況をリアルタイムで確認できれば、迅速な経営判断ができるようになります。クリニックは患者に医療を提供する必要があるため、安定した経営が求められます。常に損益が確認できる会計ソフトのほうが、クリニックにはおすすめです。
③複数人、複数拠点で同じデータを確認できるか
税理士に会計業務をアウトソーシングしているクリニックでは、複数拠点で同じデータを確認できるかどうかも、重要なポイントです。同じデータを共有できれば、まとめて請求書や領収書なども送る手間も省けるでしょう。経理処理などにタイムラグがなくなるため、スムーズで効率的な経営が可能になります。複数の拠点を展開しているクリニックにも、データが共有できる機能があるソフトがおすすめです。
クリニック経営者様の参考となる会計ソフトの導入事例
リアルタイムな数字把握が可能に
右京動物病院さまでは、院長が会計業務を1人で行っていました。税理士に相談してパッケージ型の会計ソフトを導入したものの、会計用語などの知識がなかったため使いこなせていませんでした。そこで税理士の変更に伴い、「マネーフォワード クラウド会計」を導入しています。
会計業務を効率化することで、本業に集中できるようになりました。また経営状況がリアルタイムに把握できることも、「マネーフォワード クラウド会計」のメリットといえます。
経理業務の内製化を実現
ホスピス事業を展開する日本ホスピスホールディングス株式会社さまは、会計業務を全て委託していました。上場準備を機に経理部門を設置し、内製化することにしました。当初は他社会計ソフトを利用していましたが、機能の拡張性がある「マネーフォワード クラウド会計Plus」へ移行しています。
取引先ごとの経費分析などの機能を拡張し、企業の成長へ繋げています。また画面も見やすく操作性も良いため、経理に詳しくないメンバーでも無理なく使えるようになりました。