特定の人しか実務を把握していない…そのリスク・解消方法とは?

更新日:2024年2月13日

突然の休暇・退職・人事変動があっても通常どおりの業務はできますか?

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「専門性の高さ」が
業務を「ブラックボックス化」する

特定の従業員しか業務の詳細内容や進め方がわからない状態を、「属人化」といいます。属人化は、担当者が突然休んだり退職したりしたときに誰も業務に対応できないという事態を引き起こしかねません。担当者が変わることで仕事の質に差が生じるという問題も起こります。

企業にとって大きなリスクになる「属人化」

「属人化」とは…

「属人化」とは、特定の社員だけしかできない業務が存在する状態です。業務がブラックボックス化するため、担当者がいない場合、業務内容や進め方がわからない状態になってしまいます。担当者の長期不在や離職によって業務が滞り、品質が劣化するなどの問題も起こるでしょう。健全な企業経営に支障をきたすため、属人化の解消と業務の標準化が求められます。業務の標準化とは誰でも業務を遂行できる状態であり、担当者が急に休んだり異動したりしても、他の従業員による業務の代行・引き継ぎがスムーズに行われます

属人化で起こること

業務の属人化により業務プロセスがブラックボックス化してしまうと、他の従業員は進捗状態を把握できません。そうなると業務の質や成果に関する、管理者によるマネジメントが難しくなります。業務の生産性は担当者の働き方に左右され、組織全体の効率化も図れないでしょう。
また、人事労務全般の仕事を1人の担当者が担っている場合、属人化の弊害も大きくなります。従業員への給与支給がスムーズに行われないといった事態が起こる可能性もあり、会社の信頼性に関わる重大なリスクにつながりかねないでしょう。

属人化のリスクを解消する方法

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業務フローの現状把握

属人化のリスクを解消するには、まず現状を正確に把握することから始めます。業務フローを整理して、属人化している部分がないかをチェックしましょう。どのような手順で業務を行っているのかを洗い出し、属人化して業務プロセスが見えない業務については作業量や作業にかかる時間、必要なスキル・難易度などを客観的な数値でデータ化します。業務フローの洗い出しは、マニュアルの作成と並行して行うと効率的です。業務の流れや担当者の役割を見える化し、属人化している業務ごとにマニュアルを作成します。
マニュアル作成により、誰でも同じ品質の作業ができるようになるでしょう。マニュアルづくりの過程では、社員が意見交換しながら共同作業することもノウハウの共有につながり、属人化の解消に役立ちます。

業務マニュアル見直し10のチェックリスト

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業務フローをシンプルにする

複雑な業務は属人化しやすい傾向にあり、業務フローをシンプルにすることが属人化のリスク解消のポイントです。業務プロセスを可視化する過程で、業務を単純化できないかを複数の社員で検討していきましょう。人事労務業務では複数のツールを使うこともありますが、ツールが複数あるほどデータの書き出しやインポートなどが複雑になります。操作の理解にも時間がかかるでしょう。できるだけ簡略にして必要最小限のものだけを残すことで、属人化を防げます。

マネーフォワード クラウドを利用した場合のシステム連携図掲載

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システムの見直し

属人化のリスク解消には、誰もが同じ情報にアクセスできる環境づくりが大切です。業務進捗の管理・共有ができるタスク管理ツールや、社員間の情報共有がスムーズにできるコミュニケーションツールなどのITツールを活用すれば、情報共有ができて属人化の防止・解消につながります。特に、業務で得た知識・ノウハウを組織全体で共有でき、必要な情報をマニュアルから検索できるナレッジマネジメントシステムの導入は属人化の防止・解消に効果的です。システム全体の見直しも視野に入れ、属人化のリスク解消を行いましょう。