インターンに関する実態調査

更新日:2026年6月25日

1. 調査概要

本レポートは、新卒採用におけるインターンシップが本選考でどのように位置づけられ、実務でどう運用されているかについての調査結果をまとめたものです。インターンシップの「実質選考化」の実態や、企業が重視する評価項目、学生フォローの取り組みなどを把握することで、自社の制度設計・運用改善にお役立ていただけます。

  • 調査時期:2026年6月実施
  • 調査対象:新卒採用におけるインターンシップの企画・運営、または選考・評価業務に携わったことがある・現在携わっている方
  • 有効回答数:全回答者864名(うち、インターンシップ業務に関与する604名がメイン対象)
  • 回答者属性:企業の新卒採用・インターンシップ業務の担当者

回答者の勤務先従業員規模

  • 1,001名以上:24.7%
  • 101名〜300名:19.9%
  • 51名〜100名:16.2%
  • 11名〜50名:15.9%
  • 301名〜500名:11.3%
  • 501名〜1,000名:7.9%
  • 10名以下:3.6%
  • わからない/答えられない:0.5%

全体として幅広い規模の企業担当者が回答していますが、特に中堅〜大企業の割合が比較的高い傾向にあります。

2. 調査結果サマリー

4つのポイント

  1. 内定への直接影響が大きい:7割超の企業がインターン参加者に本選考での優遇措置を設けており、インターンが実質的な選考の一部として運用されています。
  2. 評価情報はデータとして活用:インターンでの評価情報を採用管理システムに記録し、面接官が確認するなど、単なるイベントではなく採用データとして活用されています。
  3. 重視されるのは熱意と対人スキル:論理的思考力や専門知識よりも、入社への熱意やマナー・コミュニケーション能力など、人物面(定性的な要素)が評価の中心になっています。
  4. 齟齬防止のため個別フォローも重視:学生一人ひとりへの具体的なフィードバックや、社内での評価基準すり合わせなど、手厚い個別対応と社内連携に注力しています。

3. 調査結果の詳細

3-1. 新卒採用におけるインターンシップ業務への関与

アンケート回答者を対象に、新卒採用におけるインターンシップの企画・運営、または選考・評価業務への関与について尋ねました。

  • 現在携わっている:48.7%
  • 携わったことがない:27.3%
  • 過去に携わったことがある:22.0%
  • わからない/答えられない:2.1%

最も多かったのは「現在携わっている」(48.7%)で、「過去に携わったことがある」(22.0%)を含めると、全体の約7割がインターンシップの実務経験を持っていることがわかります。

3-2. 最終的な内定出しへの影響

インターンシップへの参加や評価が、最終的な内定出しにどの程度影響しているかを尋ねました。

  • 本選考のプロセス(書類選考や一次面接など)が一部免除される:41.7%
  • インターンシップ参加者限定の早期選考ルートがあり、直接内定に直結している:31.5%
  • 選考プロセスは同じだが、面接時の評価において加点要素となる:16.4%
  • 基本的には本選考の合否には直接影響しない:8.6%
  • わからない/答えられない:1.8%

合計して7割以上の企業が本選考において何らかの優遇措置を設けており、インターンシップが単なる職業体験ではなく、実質的な選考プロセスとして機能している実態が浮き彫りになっています。

3-3. 評価情報の本選考における活用方法(複数回答)

インターンシップで得られた学生の評価情報を、本選考でどのように活用しているかを尋ねました。

  • 採用管理システム等に記録し、面接官が選考時の参考情報として確認している:42.1%
  • 本選考の面接時に、インターンシップ時のフィードバックとして本人に確認する:38.1%
  • 人事部門の中だけで共有し、選考の優先度やアプローチの判断に用いている:36.9%
  • 本選考の段階では過去の評価情報は一切参照しない:6.5%
  • わからない/答えられない:2.8%

「本選考の段階では過去の評価情報は一切参照しない」と回答した企業はわずか6.5%にとどまり、多くの企業が評価情報を積極的に記録・共有し、採用データとして選考に活用していることがわかります。

3-4. 実務上重視している評価項目(複数回答)

インターンシップでの学生の様子から本選考や内定への影響を判断する際、実務上で重視している項目を尋ねました。

  • 入社に対する熱意や志望度の強さ:35.9%
  • 社員や他の参加者に対するマナーやコミュニケーション能力:35.6%
  • グループワーク等におけるリーダーシップや協調性:33.6%
  • 提示された課題に対する論理的思考力や成果物の質:30.6%
  • 専門知識や技術的なスキルの高さ:29.1%
  • 不測の事態や難しい課題に直面した際の対応力:29.0%
  • お勤め先の事業や文化に対する理解度や関心の高さ:27.6%
  • 特に定まった判断項目はない:1.5%
  • その他:0.3%

論理的思考力(30.6%)や専門知識(29.1%)よりも、熱意やマナー・コミュニケーション能力といった定性的な要素が上位に挙がっており、意欲やポータブルスキルが重視される傾向にあります。

3-5. 学生との認識の齟齬を防ぐための取り組み(複数回答)

インターンシップから本選考・内定への案内を行う実務において、学生との認識の齟齬を防ぐための取り組みを尋ねました。

  • インターンシップ終了後に、学生一人ひとりに対して具体的なフィードバックを行う:35.4%
  • インターンシップ担当者と本選考の面接官の間で、評価基準のすり合わせを行う:31.6%
  • 採用に関わる社員向けに、学生への声かけや案内方法に関する手引を作成する:31.1%
  • 時期やステップに応じた適切なフォローの連絡を定期的に行う:31.0%
  • 実施前に、選考への影響の有無や優遇措置の有無をあらかじめ明示する:27.6%
  • 大学の就職課や専門家のアドバイスを受けながら、案内文面を作成する:25.5%
  • 特に取り組んでいることはない:4.1%
  • その他:1.2%

全体の約96%の企業が何らかの対策を実施しており、個別のフィードバックや定期的なフォロー、社内での評価基準のすり合わせなど、企業側が手厚いフォローアップに注力している様子が窺えます。

4. 調査結果から見える課題と対策

本調査の結果から、インターンシップを実質的な選考チャネルとして運用するうえで、企業(採用担当者)が直面する3つの課題と、その対策の方向性が浮かび上がりました。

課題①:定性的な評価のブレ

実務上重視されている評価項目は、入社への熱意(35.9%)やマナー・コミュニケーション能力(35.6%)など定性的な要素が中心です。これらは数値化しにくく、評価者によって判断にブレが生じやすいという難しさがあります。

対策の方向性:誰でもブレずに採点できる評価シートやテンプレートを整備し、定性項目の評価基準を明文化することで、評価の標準化を図ります。

課題②:人事部門と現場面接官の連携

評価情報を採用管理システムに記録する(42.1%)など活用は進む一方、インターン担当者と本選考の面接官の間で評価基準のすり合わせを行う企業は31.6%にとどまります。人事側の評価が現場面接官へ正しく引き継がれにくい状況がうかがえます。

対策の方向性:インターン担当者と本選考の面接官の間で評価基準をすり合わせ、評価データを共有するフローを構築することで、選考の連続性を確保します。

課題③:学生フォローの仕組み化と工数

個別フィードバック(35.4%)や定期的なフォロー(31.0%)など手厚い個別対応に注力する企業が多い一方、これらは工数がかかり、マンパワー不足で継続的にやり切ることが難しいという課題があります。

対策の方向性:フォロー文面のテンプレート化や連絡タイミングの標準化により、個別対応を効率的に仕組み化し、限られた人員でもフォローを徹底できる体制を整えます。

5. まとめ

本調査からは、インターンシップが「企業説明の場」から「優秀層の早期囲い込みと内定直結のための最重要チャネル」へと移行している実態が明らかになりました。7割超の企業が本選考での優遇措置を設け、評価情報を採用データとして活用しています。その一方で、運用面では次のような課題が残っています。

  • 定性評価のブレ:熱意やコミュニケーション能力など定性的項目が重視される → 評価者による判断のばらつきが生じ、採用の質が安定しにくい
  • 人事と現場の連携不足:評価基準のすり合わせは31.6%にとどまる → インターンの評価が本選考に正しく引き継がれず、優秀層を取りこぼすおそれがある
  • フォローの仕組み化の難しさ:個別フィードバックや定期フォローに工数がかかる → マンパワー不足でフォローが続かず、他社への流出や歩留まり低下を招きやすい

これらの課題は、評価基準の標準化、人事と現場の情報共有、学生フォローの効率化という3つの方向で解決を図ることが重要です。定性評価をブレなく行う仕組みと、評価を確実に引き継ぐ社内連携、そして手間をかけずにフォローをやり切る運用体制を整えることが、インターンからの歩留まり改善につながります。

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出典

マネーフォワード クラウド、新卒採用におけるインターンシップの実態【インターンに関する調査データ】(回答者:864名(有効回答:インターンシップ業務に関与する604名)、集計期間:2026年6月実施)

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