
経費精算の手間を減らすために、海帆が進めたカード活用とクラウド精算
新時代白子駅前店
愛知県名古屋市に本社を構える株式会社海帆(かいはん)は、⾃社ブランドの「昭和食堂」に加え、株式会社ファッズが展開する人気ブランドをフランチャイズ加盟という形で運営する「新時代」など、懐かしさと温かさを感じさせる居酒屋を全国に広げている。どの店も手頃な価格と肩ひじを張らない雰囲気で、仕事帰りや週末の日常使いに選ばれる存在だ。
自社業態とFC業態が混在する多店舗運営の裏側では、現金管理や経費精算の煩雑さが課題となっていた――その解決策として同社が採用したのが「マネーフォワード ビジネスカード」である。今回は、導入の背景とその後の変化について、経営企画部門部長・亀山さんに話を聞いた。
各店舗に分散していた小口現金、月2回の報告・補充が重荷に
かつての海帆では、各店舗に小口現金を設け、現場で必要な買い出しや備品調達に対応していた。店舗ごとに月1万円程度の枠を設定し、月2回、使用額に応じて本部へ残高を報告し補充するというサイクルだった。
「この運用で30店舗近くを回していたので、本部側の現金管理や帳簿作業も含めて、非常に手間がかかっていました」と、亀山さん。
小口現金はレジ金とは分けて管理されており、売上処理に影響が出ないよう配慮も必要だった。管理は主に店長や社員が担い、承認や記録の負担も少なくなかったという。その煩雑さこそが、現金管理を見直すきっかけとなった。
高額経費も立替、現金運用が生んでいた非効率
もう一つの大きな課題となっていたのが、管理者による経費の立て替え対応だ。スーパーバイザー(以降SVと省略)といった現場の責任者であっても、たとえ高額であっても支払いは基本的に仮払いか立て替えで行われていた。
「現金を受け取ってから支払うという流れで、対応自体も手間でしたし、領収書の提出や管理も煩雑でした」
運用上は事前の稟議申請が必要とされるが、急な対応時は事後申請が認められるケースもあった。また、現金の受け渡しの際は営業本部長もしくは部長・SVが各地を回る必要があり、精算までのタイムラグと手間が大きな負担になっていた。
交通費の扱いにも苦労があったという。SuicaなどのICカード決済では、プライベート利用との混在も多く、経費として処理する際の突合や記録が煩雑になりがちだった。こうした運用が従業員の心理的・実務的な負担につながっていたことも、カード導入を後押しする大きな理由になった。
プリペイド&上限設定できるビジネスカードで解決!
マネーフォワード ビジネスカードの導入検討は、経費精算システムの打ち合わせ中に、偶然目にした資料がきっかけだった。
「それまではカードという選択肢自体を意識していませんでしたが、話を聞くうちに“これはうちの課題にフィットするかもしれない”と感じました」
当時、同社が抱えていたのは、店舗ごとの小口現金管理と、管理者による高額経費の立て替えという2つの煩雑な運用。利用限度額の設定やプリペイド式、発行・管理の柔軟性といったカードの特性は、それらの負担軽減に直結する可能性があった。
また、既存の法人カードでは、年会費や明細管理のしづらさや上限設定の不自由さといった課題も残っていた。複数店舗での共有運用では、「どこで誰が使ったのか」を追う手間も大きかったという。
用途ごとに発行しやすく、リアルタイムに明細確認できるカードの仕組みが、その一つ一つの課題を解消する決め手となった。
小口現金は全廃!申請・精算の仕組みで現場の負担を大幅軽減
現在、海帆の店舗に金庫は置かれていない。小口現金をすべて廃止し、ビジネスカードに一本化したからだ。
「常時現金を保管する必要がなくなり、ほぼ全店で切り替えを完了しました」と、亀山さん。
店舗では、複数店舗を管轄するSVが必要に応じてカード決済を担当。緊急の買い出しなど少額支出だけ立て替えで対応している。
Before(マネーフォワード ビジネスカード導入前)
After(マネーフォワード ビジネスカード導入後)
クラウド経費と連動した申請・承認フローにより、利用履歴がリアルタイムに可視化され、帳簿と現金残高を突き合わせる手作業が一切不要となった。特に食材購入が多い飲食業で手間となる在庫情報との照合も容易になり、経費処理の負担とリスクを大幅に削減できた。
可視化とスピードが生む “次の改善” の余白
マネーフォワード ビジネスカードを導入後、海帆の経費精算は紙と突合する手作業から、クラウドで即時確認・即時処理へと一変した。利用通知が届くたびに明細が自動集約され、カード番号単位で画面上で整理できるため、複数カードの管理も一元化できる。
クラウド経費との連携で、小口建替の履歴もリアルタイムに可視化され、「誰が・いつ・何に使ったか」が瞬時にわかる。
「この人は交通費が常に高い」 「毎週ネギを単品購入している」 ――そんな“傾向”が可視化されたおかげで、「 定期券に切り替えてはどうか」「 ネギをまとめて発注すれば効率的では」といった改善アイデアが自然に浮かぶようになった。
結果、チェック工数は減り、利用傾向の把握や費用の見直しといった“次の改善策”を考える余裕が生まれた。
経理の負担を削ぎ落とし、オペレーションを持続可能に――海帆にとってマネーフォワード ビジネスカードは、単なる決済手段ではなく改善サイクルを回す起点となっている。
公開日:2025年9月9日 公開当時の情報となります
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