フリーランス。会社員に戻ってもいいんだよ。

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「フリーランスになったら、二度と会社員に戻れない」
「フリーランスから、会社員に戻るのは、なんかかっこ悪い」

そう思っているフリーランスの方は意外に多いのではないでしょうか。でも、そんなことはありません。個人的な感想ではありますが、フリーランスを辞めて会社員に戻る方の多くは周囲との軋轢も特に無く、楽しそうにやっています。

実際、フリーランスから会社員に戻る、いわゆる「再就職」はフリーランスにとって常に選択肢の一つであることは間違いありません。

そこで今回は、フリーランスから会社員に戻った方々のお話をご紹介し、彼らがなぜ会社員に戻ろうと思ったか、その理由を考察してみたいと思います。

フリーランスから、会社員に戻った人々

事例1:フリーランスから「情シス」に戻る

Tさんは4年前に顧客から、「フリーとして独立すれば、仕事を出すよ」と言われ、独立を決意。仕事は変わらずフリーランスとして開発を行った。

最初のうちはサラリーマン時代よりも手取りが増え、Tさんは独立を喜んでいた。しかし、その後顧客の担当者が異動、Tさんは高いクオリティの仕事をしていたが、部署の「コスト重視」方針の転換に伴い、売上が減少。

新規顧客の獲得もままならず、知り合いの紹介で別の会社の情報システム部門の一員として会社員に復帰した。

事例2:フリーランスからweb制作会社に

Aさんは学生時代からweb制作のアルバイトをやっており、大学の卒業後もとあるweb制作会社に勤務。だが、会社のカルチャーが肌に合わず1年ほどで退職し、その後はフリーランスとして活動。

当初は頑張っていたが、クラウドソーシングとの競合が増え、単価が下落。困っていたところ、たまたま「人手が足りないので手伝ってくれ」と、声をかけてもらった会社にweb技術者として再就職した。

事例3:フリーランスから営業部長に

SIerに20年間勤務し、営業として活躍。その人脈を活かし、フリーのシステム営業として独立。各社から営業代行を受ける。

成果が上がればかなりの売上が見込めるため、当初は年収2000万を超える勢いだったが、人脈を使い尽くし、5年目辺りから伸び悩む。

その後ある受託開発会社から実績を買われて、営業部長のオファーをもらい、再就職を決意。

事例4:フリーランスから経営者を経てデザイン部門責任者に

webのUIデザイナーとして独立。新規開拓を抜かり無く行った甲斐あり、独立3年目にして顧客数40社を超える。

当初は他のフリーランスを使い、仕事をこなしていたが、リソースの安定的な確保、および売上の増加に伴う税金の問題から法人化を決意。企業経営者となる。

しかし、経営者となった頃から資金繰りが悪化、金策に走るうちに「自分の技術力」が全く向上していないことに愕然とし、経営者としての地位に疑問を持つようになる。

たまたま取引先から技術力を買われ、買収の提案があったのでそれを受け入れ、デザイン部門の責任者として再就職する。

フリーランスをやめて、会社員に戻る理由

上でご紹介したように、フリーランスをやめて再就職を決意する理由は人それぞれです。最も多い事例は「売上が徐々に悪化し、サラリーマン時代のほうが収入が良くなってしまった」という理由で再就職を決意する方ですが、他にも様々な理由が存在しています。

以下に主な理由を挙げてみると、

・仕事をこなすことで精一杯になってしまい、新しい技術や試みにチャレンジできなくなってしまった。
・人に任せられる仕事が少なく、自分が精一杯働いた時の上限が見えてしまった。
・年齢を重ねて、今後の体調の不安があった。
・一人で活動することが寂しかった。
・際限なく仕事をしてしまい、休みがほとんど取れない。また、休日も仕事の心配で休んだ気がしなかった。

フリーランスの経験者は、中途採用上「掘り出し物」と考える会社も多い

実際のところ、フリーランスの再就職は難しいのでしょうか。実は思ったほどではありません。事例にもありましたが、取引先や関係者から再就職のオファーを受ける方もたくさんいます。

また、フリーランスの方を求めて採用を行う会社もたくさんあります。面白いことに、最近ではむしろ、「ずっと会社員だった方」よりも、「仕事を取る苦労を知っている」ということで、経営者に好かれるということもあります。

実際、私の知るある会社では、「フリーランスの経験者」を歓迎していました。その経営者は、「一度、売上を作る苦しさを知った人は、経営者と同じ目線で仕事をしてくれるので、大変ありがたい」と言っています。

また、最後の事例のように法人化をしたけど、経営が苦手というフリーランスの方も多く、何かスペシャルなの技術があれば「会社ごと」雇ってもらえるという状況もあるようです。

まとめ

以上ご紹介したように、フリーランスが再就職できない、ということは全くありません。むしろ、フリーランス時代の人脈や苦労などがある人は、この時代に入って歓迎される傾向もあります。

一度独立したからといって、会社に戻れないわけではありません。キャリアは柔軟に考えても良いと思います。

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