目次
会社の業績が好調になれば入金消込で経理は多忙に
会社の業績が向上して取引先が多くなることは、会社にとってはうれしいことですね。ただ、請求書の発行件数が増えると、入金時の入金消込件数が増えることになるのが経理部門泣かせですね。
入金管理業務に関して、入金の消込に苦労している会社をよく目にします。そもそもの入金件数が少なければ、目視でどの請求分に該当するのかを判別することはそれほど難しくありません。
また、入金の件数がそれほど多くない状態で、請求金額と同額を入金してくれるようであれば、消込も簡単です。しかし、請求金額と異なった金額で入金をしてきたりすると消込が単純にできないので、苦労します。
ほかにも、請求先と異なった先から入金がされるケースなどもあり、こうなると消し込むのも一苦労です。
定額サービスであれば同額の入金が多数
目視による入金消込が大変なケースの一つとして、多数の同額の入金がある場合が挙げられます。
先ほどは、請求金額と同額を入金してくれればある程度消込が簡単と記載しましたが、ビジネスの形態によっては、定額のサービスを提供している会社もあります。
このような場合、同額の請求と入金が発生します。一般的に、定額サービスを提供している場合はかなり取引件数が多いので、目視では判別できないほどの入金があるのが通常です。
入金がされている通帳をイメージしていただくと、同額の入金が何ページにもわたって印字されている状況です。目視で、印字されている取引先の名称を見て消込をしていく場合は、膨大な量に辟易となってしまうでしょう。
金額が同額がゆえに他の入金との区別も難しく消込が大変になってしまいます。
自動消込のシステムを導入してみる
入金の消込作業時間は、目視で行う場合、件数が増えるに従って当然増加していきます。そこで、単純な消込にかける時間を削減するための一つの方法が、自動消込システムの導入です。
自動消込システムは、簡単にいうと請求データと入金データのマッチングをかけて、一致したものは消込をしていくシステムです。入金情報のうち、金融機関名・支店名、得意先のカナなどをキーにシステムが照合をしてくれるのです。
先ほどの定額サービスの入金の場合でも、入金元の情報に基づいて入金の消込が行われることで、請求額を適切に入金してくれる場合には、自動消込システムでかなりの件数が消込対象として判別されることとなるでしょう。
機械学習で入金消込の照合率アップ
実務上、入金消込で苦労がある別のケースは、同じ名称の得意先が複数ある場合です。
たとえば、「スズキショウテン」「サトウコウギョウ」という名称の得意先が複数あるようなケースです。類似商号禁止の規制がなくなって、類似商号の得意先が複数あるというケースも実務的にはあります。
自動消込のシステムには、機械学習の機能を実装しているものもあり、入金元の金融機関・支店がわかれば、同じ名前の得意先だとしても、どちらの得意先からの入金かを学習させておきます。そうすれば、次回以降同じ金融機関・支店から入金があった場合に、適切に消込がされるようになります。
自動消込システムを導入することで、目視で行っていた消込の時間が大幅に削減されることになります。そして、学習機能を活用し、次回以降に機械学習をさせたうえで消込をすることで、自動消込の比率が上がってきます。結果として、他の業務をする時間を生み出すことができるようになるのです。
そのうえで、システムではどうしても消込ができないイレギュラーな入金消込だけを人間が作業をすることで、仕事のムラをなくすことができるようになるでしょう。
仮想口座(バーチャル口座)の活用も検討する
このほかに、入金消込に関しては、金融機関が提供している仮想口座(バーチャル口座)を活用することで効率化が図るケースもあります。
仮想口座とは、金融機関が事業者に対して提供する、振込専用の口座です。
仮想口座による入金消込は、得意先ごとに入金してもらう口座番号を割り当てる場合と、注文ごとに口座番号を割り当てる場合があります。いずれの方法の場合でも、口座番号を割り当てることで、どの得意先から入金されたかを判別できるようになります。
仮想口座を活用することで、入金がどの得意先のものかが特定されますので、消込の作業時間の削減に寄与します。
システム導入の要否を検討してみる
会社の成長に合わせて、経理の入金消込の件数も増大します。
入金消込で日常業務が忙殺されるようになる前に、自動消込システムの導入や仮想口座(バーチャル口座)の導入をして、経理部門が会社の成長の阻害要因とならないようにしてみてはいかがでしょうか。
導入にはコストがかかりますが、消込にかかる時間というコストと比較をして導入を検討してみるのも一つかと思います。
※掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。