実録!本当にあった経理のツラい話〜繁忙期の地獄、まさかの〇〇に遅刻!〜

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私は、社員数50名ほどの事業所で経理を担当していました。

普段は比較的穏やかに進められる経理業務ですが、処理が集中する月末や月初には残業が発生することも多くあります。営業から資料の提出を待つ必要があるなど自分だけでは進められない業務も多いため、不可抗力的に残業が発生するのもツラいところです…。

今回は、そんな経理業務の不運が重なり、新婚旅行に遅刻してしまった先輩のエピソードを紹介します。

刻一刻と迫る出発時間…ハプニングが続出した末の悲劇

これは私の前任者だったKさんの話です。

当時結婚したばかりだったKさんは、忙しいご主人となんとか日程を調整し、四半期決算の締めが落ち着く日を選んで新婚旅行に出発する予定を立てていました。

20時までに退勤すれば飛行機に間に合う計算です。この日に向けて、Kさんはできる限りの準備をし、万全の体制を整えていました。

残る処理は数件のみとなり「順調に行けば定時に退勤できそう」と思っていたのですが…

夕方になっても営業から請求書が回ってきません。

なんとその日に限って顧客からのクレームがあり、担当者が急遽外出してしまったとのことでした。その担当者は誰かに引き継ぐ暇もなく急いで出かけてしまったので、部内総出で請求書を捜索することに。

請求書は、担当者のデスクに高く積まれた書類の山から無事に発見されたのですが、今度は新たな問題が…

支払処理には上長の承認が必要ですが、あいにく上長もクレーム対応に同行していたため、すぐに承認が得られなかったのです。

この時点で時刻は18時。

連絡を受けた営業担当者と上長も、クレーム対応を終えて急いで帰路についていましたが、遠方だったのでそうすぐには戻れません。

支払承認後の締め作業ができるのはKさんだけで、他に任せられる人もいません。Kさんは仕方なく戻りを待ち、処理を終えてから空港に向かうことにしました…。

結局Kさんは飛行機に間に合わず、楽しみだった新婚旅行に遅刻する羽目になってしまったのです。

この事件がきっかけでKさんは会社を辞め、私がそのポジションを引き継ぐことになりました。Kさんの話を聞いていると、この件は決定打に過ぎず、積もり積もった経理業務への不満があることがわかりました。

そして私も、そう時間のかからないうちにその大変さを身をもって実感することになるのでした…。

そもそもの問題点とは?

そもそも経理業務の問題点はどこにあるのでしょうか?

Kさんのような悲しい出来事を繰り返さないよう、問題点と解決策を私なりに考察してみたいと思います。

受け取った担当者しか請求書の状況を把握していない

特に担当者個人宛に郵送される請求書は、個人の裁量で進められます。経理担当者は、「請求書が届いているのかいないのか」「承認はどこまで進んでいるのか」といった進捗を何も把握できず、ただ提出されるのを待つしかないのです。

実際に今回の事件では、誰も請求書の存在を把握しておらず、請求書の捜索から始める必要があり、大幅なタイムロスとなってしまいました。

直接承認をもらうのが難しい

支払処理には、上長の承認が必要です。しかし、営業部長はかなり多忙で離席していることが多いので、なかなか捕まりません。

部長が離席中の場合、机上に置いておけば承認が下りた状態で戻してくれることも以前はありました。しかし重要な稟議書を紛失する事件があって以来、必ず対面で直接承認をもらうという厳しいルールができてしまったのです。

そうなると、承認をもらうのは至難の業…。会議や来客の合間を縫って部長のデスクに長蛇の列ができるという光景も頻繁に見かけました。

上長に承認をもらうのが難しいことも、経理業務の負担が大きくなる一因といえそうです。

処理が後回しにされやすい

Kさんの事件では、問題の請求書は15日には到着していました。つまり、半月以上も放置されていたことになります。

営業は常に新しいプロジェクトを進めていたり、急なトラブルに見舞われたり、とにかく忙しいので、経費精算や請求書といった経理の処理がどうしても後回しになりがちです。

営業の忙しさは理解しているつもりなのですが、届いてすぐに処理してくれていれば、Kさんは新婚旅行に遅刻しなくても済んだのに…と思わずにはいられません。

キーポイントは「システム導入」!?

こうした問題は、すべてアナログであるために発生していると考えられるので、システムを導入することで解決策を見出せるのではないでしょうか。

たとえば、請求書の受け取り、開封、ファイリング、データ化、保管などを行うBPOサービスを利用すれば、請求書が個人宛に届くことはなくなります。

担当者個人の手を離れてオープンに管理できるので、処理も後回しにされにくく、また進捗を把握できずに困るということもなくなるでしょう。届いたと同時に処理を始められるので、月末になって一気に業務が押し寄せてくるという事態も減らせます。

請求書をデータ化し、支払いまで一貫して電子で承認できるシステムがあればさらに理想的です。承認者は外出中でも承認が可能となり、「承認待ちで処理を進められない」という経理業務の問題をすっきり解決できるでしょう。

まとめ

私のいた事業所では、法改正の流れもあり、最近では電子化が進められているようです。経費精算がシステム化されるなど、当時に比べれば経理業務の効率は大幅に改善されています。

しかし、支払い承認に関しては、いまだに部長のデスクに長蛇の列を作る悪しき習慣が続いているようで…。

ぜひ画期的なシステムを導入し、大事なプライベートを犠牲にする経理社員が1人でも減るようにと切に願っています。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:遠藤 ふゆみ

フリーライター。JR系列の会社にて経理・総務として勤務。
子育てとの両立のためWebライターに転身。3児の母。
バックオフィス業務関連の記事を多数執筆。