中小企業がRPAを導入する場合の考え方 株式会社RPAテクノロジーズにきく 「RPA」は経理の未来をどう変えるのか?

ビジネス分野で大きな盛り上がりを見せる「RPA(Robotic Process Automation)」。第1、2回の記事ではRPAを詳しく知る方々に、RPAの現状と将来的可能性について語っていただきました。
第3回となる本記事のテーマは「ベンダー企業から見た現在のRPA」です。大角暢之さんが代表を務める株式会社RPAテクノロジーズからの視点で、RPAの導入を検討している中小企業が気をつけるべきポイントや導入効果について前回に引き続き語っていただきました。

取材ご協力:
大角 暢之(おおすみ のぶゆき)
一般社団法人日本RPA協会 代表理事/RPAテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長。
早稲田大学を卒業後、アンダーセンコンサルティング株式会社(現アクセンチュア株式会社)に入社。
2000年オープンアソシエイツ株式会社を設立し取締役に就任、ビズロボ事業部を発足し、「BizRobo!」の提供を開始。2013年ビズロボジャパン株式会社(現RPAテクノロジーズ株式会社)を設立し代表取締役社長に就任。2016年7月一般社団法人日本RPA協会を設立し、代表理事に就任。

 
大角さん率いるRPAテクノロジーズの基本的な認識は、『RPA=デジタルレイバー』というもの。RPAを、人の作業を代行する「労働者」として捉えて活用することにより、ITツールを導入した場合と比較すると、よりスムーズに労働生産性を向上させることが可能となります。(下図参照)。

RPAテクノロジーズは現在、「デジタルレイバー(=RPA)にスケール力をつける」というミッションを念頭に置いた事業展開を進めています。

「もし十分なスケール力のあるRPAツールを作れば、お客さま自身が自社のビジネスモデルに合わせてRPAを運用できるようになるでしょう。また、RPAの適用領域が広がれば、導入可能な業務分野が増加しますから、労働時間も削減しやすくなる。こうした取り組みを通じて労働現場を「ハッピー」なものに変えていくこと、これが弊社の目指す理想です。」

出典:RPAテクノロジーズ

興味を持ったら、まずはRPAを「体感」しよう

それでは『自社にもRPAを導入したい』と検討している人は、まず社内に対してどのようにアプローチを仕掛けていけばよいのでしょうか。

「導入をスムーズに進めるためには、まず実際にRPAの性能を体感していただくこと、あるいは動画でRPAのデモを見ていただくこと、これが一番の近道になるでしょう」

ここで大角さんが取り上げるのが、介護施設向けの給食事業などを手掛ける広島の中小企業からRPA導入の相談を受けたという事例です。
「ご相談内容は、『給食に使う食材の発注書を作成する作業RPAを導入したい』というものでした。
これまでは職員が献立表を参照しつつ手作業で入力していたのですが、これが大変手間のかかる作業でして、ひとつの食材に関して分量や切り方までこちらで指定しなければならず、1カ月分の発注表を作るだけでも4時間はかかっていたんです」

そこでRPAテクノロジーズは、同社のRPAツールに職員がおこなっていた作業を記憶させ、献立表から食材名や日付を自動で抽出し発注表に入力するまでを自動化しておこなえるようにしました。

「自動化といってもここでおこなったのはExcelからExcelにデータを移行する作業で、ようするにマクロでしかなく、技術的に高度なことはありません。けれども効果は抜群で、1カ月分の発注表をわずか20分程度で作成し終えました。
けれども、RPAツールの性能を実際に目の当たりにした職員の方々の反応は印象的なものでした。どの方もビックリした顔をされたあと、『他の業務でも使えないか』、『こうした使い方はできないか』など、次々に新しいアイデアをご提案していただいたのです。
それを見て私は、日本の労働者の優秀さというものを実感しました。みなさん口に出さないだけで、本当は辛い業務を変えていくためのアイデアをたくさん持っている。こうした現場の声にすぐに応え、その都度ロボットを開発して業務改善を達成できるというメリットを実感していただければ、RPAの導入を前向きに検討していただけるようになるはずです」

「若者」の存在がRPA導入の突破口に?

しかしRPAの性能を示すデモを見せただけでは、社内全体の意見を『RPAを導入しよう』という方向にまとめることは難しい場合もあるかも知れません。

「RPAは人事部門の方からは好評価をいただけることが多いのですが、一方で、情報システム部門などIT系部門のなかにはRPAは信用できない『胡散臭いマクロツール』に過ぎず、生理的に受け付けられないといった難色を示される方もいらっしゃるのです。
たしかにRPAはITアプリケーションなどと違い、業務に合わせていちいち設定し直さないとならない。ですから、その分手間がかかることは事実です。実際、私がもしシステムエンジニアだったら、RPAには否定的な立場を取っていたかも知れません」

解決の難しい問題ですが、ここで大角さんは社内にいる「若者」の存在に注目します。

「若い人はRPAを業務に導入することに抵抗が少ない。そしてRPAの操作自体にはそこまで高度なスキルは要求されませんので、ITリテラシーがやや不足している人や、業務経験が浅い人でも十分に扱えます。ですから、RPA導入に反対する社内の声に悩んでいるという方は、とりあえず若い世代の人にRPAを任せてみてはいかがでしょうか」

出典:アビームコンサルティング株式会社

空いた時間で「なにをするか」が問われる時代に

無事にRPAを社内業務に導入し終え、業務処理の効率が向上、単純作業に割く労力が減り、以前よりも仕事の負担がずっと軽くなった……。
一見すると望ましいことばかりのようですが、「せっかくRPAを導入しても、それが労働時間を減らすことにしか役立たないのであれば、導入した意味が少し薄いかな」と大角さんは語ります。

「人間は効率化のために生きているわけではない。大事なのはRPAによって生まれた自由な時間でなにをするか、ということではないでしょうか。
空いた時間でやるべきこと、やりたいことが自分のなかで明確に決まっているという人はいいです。ところが実際にはそういう人ばかりではなく、自由な時間を与えられても、一体なにをすればよいのか分からない、という人も多い。
ですからRPAの普及が進むこれからの時代には、RPAに仕事を任せた分、『余った人間のエネルギーをどのような生産的活動に振り分けるか』を考えることが重要性を増すだろうと予想しています」

こうした時代の流れのことを、大角さんは『仕事から労働がなくなり、表現へと向かう』という印象的な言葉で喩えます。

「私は、各人が自身の思い描くアイデアを自由に実現できる、またアイデアがなくても自力で見つけられるような労働環境を創りたい。このために弊社では現在、RPAとHR系サービスを組み合わせた新たなソリューションを提供できないか検討しています。サービスの内容はまだ構想途中で具体的には固まっていないのですが、これから準備を進めていきたいと思っています」

BIZ KARTE編集部

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