もう新人とは言わせない!議事録の書き方の4つのコツ

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年度末が近づき、社内でも次の新入社員が研修に来る姿を見かける機会も増えてきたのではないでしょうか。

ところで、自分が新入社員の頃に一番最初に任された仕事が何だったか、覚えていますか?

今回は、多くの新入社員が最初に任される仕事のひとつである会議の議事録の取り方を解説します。新入社員が入ってきた際にしっかりとした議事録の取り方を教えられるように、これを機に議事録の取り方の基本をおさらいしておきましょう。

議事録をとる目的

議事録をとる目的は、その会議で話し合われた内容を記録することです。議事録がないと、後で会議の内容を確認したい時に、何が検討中のことなのか混乱してしまう可能性があります。しかし、会議で話し合われた内容を全て記録してしまうと、非常に長く読みにくい議事録になってしまいます。

そのため、議事録はその会議で何が話し合われたのかを簡潔にまとめたものを作成する必要があります。

新入社員が議事録をとる2つの理由

多くの新入社員が議事録をとる仕事を最初に任せられることにはもちろん、理由があります。

1つ目の理由は、議事録にはビジネスで使う文書の基本が詰まっているからです。ビジネスで使う文書の条件は、誰が見ても読みやすくかつ、誤解が生まれにくいということです。

そのため、誰が見ても読みやすく、わかりやすい議事録を作れるようになることが、新入社員が最初にできるようになるべきことになります。

2つ目の理由は、議事録の作成を通じて業務の理解を深めることができるからです。
会議では様々なことが話し合われます。プロジェクトの進捗状況の報告や、案件の課題の共有、発生している問題への対処方法など、ビジネスの場で発生するほとんどの出来事が会議では話し合われます。これらの出来事にどう取り組むのかを議事録の作成を通じて学ぶことができます。

議事録をとるなら絶対に必要な4項目

1,ファイル名には「いつ」の「何」かを入れる

議事録のタイトルには2つの要素を入れます。1つが何の会議だったのかということ、そしてもう1つはいつの会議だったのかということです。例えば、2015年3月15日に「新商品の企画会議」を行った場合の議事録のタイトルは下記の様にするといいでしょう。

20150315「夏季新商品の企画会議」第1回議事録

こうすることで、後に議事録を振り返る時に、スムーズに見つけだすことができるようになります。何度も繰り返し開催される会議の場合は何回目なのかも一緒に書いておくとよりわかりやすいものになります。

2.誰が参加者したのかを書く

毎回の会議に全てのメンバーが参加できるとは限りません。そこで、議事録には誰が参加したのかを一緒に記録しておく必要があります。こうすることで、誰まで情報が共有されているのかや、その会議の内容について深く質問したい時に誰に聞けばいいのかがわかるようになります。

また、参加者の名前を記載する際には下記の点に注意しましょう。

・お客様から先に名前を記載する
・役職が高い人から名前を記載する
・役職が不明な人は名前の後に「様」を付けるT
・自分の名前は一番最後に書く
・自分の名前の後ろに議事録の作成者であることがわかるように(記)などをつけておく

3.話し合いの内容を整理する

会議の目的は論点について方針を決めることと、「いつまでに」「誰が」「何をするのか」を明確にすることです。議事録では、この情報をひと目でわかるように作成する必要があります。

ポイントは、1文につき1つの決定事項、若しくはTODOを書くということです。文学的な表現を工夫する必要はないので、先にテンプレートを作っておくと時間短縮ができます。日本語をそのまま書き起こすのではなく、要点だけ完結な日本語でまとめると理解しやすい議事録になります。また、決定事項が複数ある場合は数字を入れてナンバリングするとより見やすくなります。

しかし、会議の時間内で全てのことが決まるとは限りません。そういった時には検討事項についても論点を整理して記載することが重要です。この情報が間違っていると、今後のプロジェクトの進行や全体の計画に影響を与えてしまう可能性があるので、少しでも内容が曖昧だと思ったら一緒に参加していた先輩などに確認することが大切です。

また、決定事項とTODOは同じではないので、必ず分けて記載しましょう。

(例)
・新入社員研修は3グループに分けて実施(決定事項①)
・3グループのグループ分けについてはXXさんが4月30日までに作成(TODO①)

4.次回の予定を書く

議事録の最後に、次回の予定についても一言添えておくようにしましょう。未定の場合でも「未定」と書いておくことで「後で決める必要がある」という情報になります。

また、次回の予定が書かれていることで、今回欠席したメンバーも予定を組みやすくなります。参加したメンバーと、欠席したメンバーの間の情報量の差を埋められるような議事録にすると非常に良いものができあがります。

ワンランク上の議事録を作るための3つのコツ

1.ひな形を作っておく

議事録の形式はどんな会議でもほとんど変わりません。そこで最初にひな形を作成しておくとスムーズに議事録を作ることができます。

フォーマットを作る時には先輩や過去に作られた議事録を参考にしながら、先ほど紹介した項目を押さえたものを作ると簡単にできます。

2.会議中はメモをしっかりとる

会議中のメモよりも多くの情報を議事録に記録することは難しいです。そのため、会議中は話し合われた情報をなるべく漏れがないように記録することが大切です。メモをとる時には「誰が」「何を話した」のかを記録することが大切です。

会議を録音する方法もありますが、メモをとらずに録音だけすることはあまりおすすめできません。なぜなら、録音した内容が必ずしも聞き取れるとは限りませんし、録音内容を後で書き起こす必要が発生してしまうためです。

会議中はしっかりとメモを取るようにしましょう。

3.議事録はその日の内に作り始める

エビングハウスの忘却曲線によると人間は1日経過すると記憶の70%以上を忘れると言われています。議事録を作成する時にはなるべく会議のあったその日の内に作成するようにしましょう。

もし、夜遅くまで会議が続き、その日の内に議事録を作ることが難しい場合は、最低でも先ほど紹介した「3.話し合いの内容を整理する」だけでもしておくといいでしょう。

議事録を作成した後にやること

議事録が完成したら会議参加者にメール等で会議からなるべく時間が空かないように早めに送付しましょう。議事録の作業は会議出席者の合意形成まで必要です。記載してフォルダに格納して終わり、ではなく、関係者に一読してもらい、齟齬がないようにしましょう。関係者の確認を怠ると、後で同じ議論を繰り返したり、方針がぶれたりするリスクにつながります。しっかりと会議のエビデンスを残しましょう。

まとめ

先輩の社員としては、自分たちが学んできたものを後輩に伝えることも大切な仕事のひとつです。次に入社する後輩たちに、議事録の取り方をしっかりと伝えることができるように、基本を振り返ってみてはいかがでしょうか

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