あまちゃんの撮影でも使われた!無人型飛行機「ドローン」の現在と未来

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ドローンを活用することで、今までは不可能だった映像を撮影できたり、物流が大幅に変化する可能性があります。しかし、こうした期待が高まる一方で、フランスの原発に違法飛行ドローンが訪れた物騒なニュースもあり、使用ルールの制定やプライバシーの問題など多くの課題も挙げられています。今回はそんなドローンとは何かという基本的な情報から、今後の課題までをまとめました。

ドローンとはなにか

ドローン(drone)とは、無人で飛行が可能な航空機のことです。最近ではスマホやインターネットと連動して、利用範囲が広がっています。

手のひらサイズから人が乗れそうな大きさのものまであり、農業から軍用まで広範囲の活用が期待されています。最初は、軍事用で開発されましたが、最近は消費者向けの民生用途にも開発がなされています。

ラジコンとドローンは何が違うのか

ラジコンとドローン

ラジコンもドローンの一種であると考えられます。ドローンとは、無人飛行機を指す総称であるため、ラジコンのような人間が操作する必要があるものも広義にはドローンと呼べます。ですが、例えば軍事用のドローンなどは、ラジコンよりもはるかに大きかったり、飛行距離や時間が長かったりと、より高性能なものを指して使われる場合が多いです。

なぜドローンが注目されているのか

米国のGartnerは、2015年の重要展望の中で、2018年までにビジネス・プロセス・ワーカーは、従来モデルが50%の一方で、デジタルビジネスは500%増えると予想しています。その例の一つに、冷蔵庫が食料品を発注し、ロボットが注文の商品をとりまとめ、ドローンが商品をドアまで届ける事で、店員や配達ドライバーの必要がなくなるといったような使い方を提示しています。

また、アメリカ無人機協会は、ドローンの市場規模は2025年までに820億ドルに達し、10万人以上の雇用を予測しています。今後ドローンが、デジタルビジネスに大きなインパクトを与え、空の産業革命をけん引する可能性があるため注目されています。

ドローンの活躍すると予想される分野

自動配送

ドローンが注目されたきっかけの一つに、Amazonのドローンを使ったサービスがあります。2013年にAmazonは顧客が商品を注文してから30分以内に、ドローンを使って顧客に商品を届けることができるシステムであるPrime Airの開発を発表しました。

一度に運べる荷物の大きさや重さ、人にぶつかる危険性などまだまだ多くの課題があるため、実現するのはさらに先の話かもしれません。しかし、現実にAmazonの様な企業がドローンを使った自動配送に本格的に取り組もうとしている、という姿勢は世間に大きなインパクトを与えました。

ジャーナリズム、エンタメでの活用

ドローンを使うメリットの一つに人間ではありえない場所や機動で撮影ができることです。例えばNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」のオープニングでもドローンを使った映像が使われていました。また、バンドOK Goのミュージッククリップ「I Won’t Let You Down」ではドローンを使ったワンカットでの映像が話題にもなりました。

災害救助

Photo By BasicGov

Photo By BasicGov

今までは人間が行っていた危険地帯での撮影もドローンを使えば安全に行うことができます。

アイスランドでの大規模な噴火が起こった際に、ドローンを使って激しく噴煙とマグマを吹き上げる火山に接近し、噴火中の状況を撮影した実績もあります。日本は、多くの活火山があり、2014年9月に起きた御嶽山のような大規模噴火があった場合に、至近距離での噴火状況の撮影や、不明者の捜索などの救助活動に活用できるのではないかと期待されます。

ドローンは火山噴火だけでなく、震災や火災などの災害現場を記録したり、最新の状況を把握したり、行方不明者の捜索をしたりと、救助活動への活用も期待されます。

ドローンの課題

大きな可能性を秘めたドローンですが、いくつかの課題も指摘されています。例えば、住宅地や商業地などの人口過密地帯での墜落事故のリスクや、空撮によるプライバシーの侵害の可能性などです。

実際に、2014年3月にはアメリカでドローンと旅客機とがニアミスする事態が発生したり、5月にはイギリスでも旅客機とのニアミスが発生しています。そのため、アメリカ航空宇宙局ではドローンの飛行を安全に管理するための航空管制システムを開発し始めるなどの対応がなされています。

今後、民間でドローンの利用が普及すれば、上空での交通渋滞や、追突事故などが発生する頻度も増加する可能性があるという負の側面も抱えています。そのため、日本でもドローンの利用に関する法整備や、利用ルールの整備が急がれます。

まとめ

ドローンとは、無人で飛行が可能な航空機で、空間を自在に飛び回ることができる画期的な航空機です。一部の災害の情報収集の分野ではすでに成果を上げ始めている存在でもあります。また、商業的にも、Amazonが先鞭をつけたように、これからの普及が期待されます。

まだまだ多くの解決すべき課題はありますが、今後の活用の可能性は無限であり、ドローンは注目すべきトレンドの一つであると言えるでしょう。

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