飲食店開業費用に関する実態調査

更新日:2026年9月25日

1. 調査概要

本レポートは、飲食店の開業費用に関する調査結果をまとめたものです。飲食店の開業を検討している方や、開業支援・資金計画に携わる方など、自社の経営判断や資金計画にお役立ていただけます。

  • 調査時期:2026年7月実施
  • 調査対象:飲食店の開業にあたって初期費用の見積もりや資金の準備・管理に「現在携わっている」「過去に携わったことがある」と回答した方
  • 有効回答数:535名(うち、開業費用・資金準備への関与経験がある回答者:386名)
  • 回答者の属性:関与経験がある層(現在・過去の合計)が72.2%を占める

回答者の店舗従業員規模

  • 2〜5名:39.4%
  • 自分1人のみ:31.6%
  • 6〜10名:13.0%
  • 11〜30名:10.9%
  • 31名以上:5.2%
  • わからない/答えられない:0.0%

2. 調査結果サマリー

4つのポイント

  1. 初期費用の総額は500万円未満が49.4%と約半数を占め、1,000万円未満が全体の78.2%と約8割に達しており、比較的小〜中規模の予算感での開業が主流である。
  2. 当初の想定より費用がかかった項目は「内装・外装の工事費」(39.1%)と「厨房設備・調理機器の購入費」(36.0%)が上位を占め、この2項目が開業者にとって想定外の出費になりやすい。
  3. 初期費用の調達方法は「自己資金」が58.5%と最も高く、公的融資や補助金・助成金の活用率は10%台にとどまっており、自己資金への依存度が高い。
  4. 初期費用を抑える工夫としては「中古品・リースの活用」(30.1%)、「DIY」(28.5%)、「居抜き物件の活用」(25.9%)など、工事費・設備費を直接削減する取り組みが上位を占める。

3. 調査結果の詳細

3-1. 飲食店開業の初期費用・資金準備への関与状況

飲食店の開業における初期費用の見積もりや資金準備・管理への関与状況について尋ねたところ(n=535)、過去または現在において約7割強の回答者が何らかの形で関わっていることが明らかになった。

  • 過去に携わったことがある:38.9%
  • 現在携わっている:33.3%
  • 携わったことがない:23.7%
  • わからない/答えられない:4.1%

関与経験がある層(現在・過去の合計)が72.2%を占めており、当事者意識の高い回答者を中心とした調査結果となっている。

3-2. 開業店舗の従業員規模

開業した店舗の全従業員規模(非正規雇用を含む)を尋ねたところ(n=386)、最も多かったのは「2〜5名」であった。

  • 2〜5名:39.4%
  • 自分1人のみ:31.6%
  • 6〜10名:13.0%
  • 11〜30名:10.9%
  • 31名以上:5.2%
  • わからない/答えられない:0.0%

「自分1人のみ」と「2〜5名」を合わせた5名以下の小規模店舗が全体の71.0%と約7割を占めている点が大きな特徴である。

3-3. 開業店舗の業態

開業した店舗の業態として最も近いものを選んでもらったところ(n=386)、最も多かったのは「居酒屋・バーなどの酒類提供店」であった。

  • 居酒屋・バーなどの酒類提供店:36.5%
  • カフェ・喫茶店:18.7%
  • レストラン・食堂(定食・洋食・和食など):16.1%
  • キッチンカー・移動販売:6.7%
  • ベーカリー・スイーツ店:6.7%
  • ラーメン店・そば店などの麺類店:6.2%
  • ファストフード・テイクアウト専門店:6.0%
  • その他:3.1%

居酒屋・バー、カフェ、レストラン・食堂の上位3業態で全体の約7割を占めている。

3-4. 開業までにかかった初期費用の総額

物件取得費や内装工事費、設備費などを含めた初期費用の総額について尋ねたところ(n=386)、「100万円〜300万円未満」が最も多い結果となった。

  • 100万円〜300万円未満:22.0%
  • 300万円〜500万円未満:16.3%
  • 500万円〜700万円未満:15.3%
  • 700万円〜1,000万円未満:13.5%
  • 100万円未満:11.1%
  • 1,500万円以上:9.1%
  • 1,000万円〜1,500万円未満:7.0%
  • わからない/答えられない:5.7%

500万円未満が約半数(49.4%)、1,000万円未満が約8割(78.2%)を占めており、比較的小〜中規模の予算感での開業が主流であることが窺える。

3-5. 開業準備で当初の想定よりも費用がかかった項目(複数回答)

開業準備を進める中で、当初の想定より費用がかかった項目を尋ねたところ(n=386)、最も多かったのは「内装・外装の工事費」で、次いで「厨房設備・調理機器の購入費」となった。

  • 内装・外装の工事費:39.1%
  • 厨房設備・調理機器の購入費:36.0%
  • 家具・什器・食器類の購入費:27.7%
  • 物件取得費(保証金・敷金・礼金・仲介手数料など):25.6%
  • 開業前の人件費・採用・研修費:19.7%
  • 許認可の取得や各種手続きにかかる費用:18.7%
  • 看板・広告宣伝・販促にかかる費用:17.1%
  • 想定より費用がかかった項目は特になかった:11.4%
  • その他:0.8%

施工関連(内装・外装工事費)と設備調達(厨房設備費)の2つが、開業者にとって最も想定外の出費になりやすい項目となっている。

3-6. 初期費用の調達方法(複数回答)

開業時の初期費用をどのような方法で用意したか尋ねたところ(n=386)、最も多かったのは「自己資金(預貯金・退職金など)」で、約6割に達した。

  • 自己資金(預貯金・退職金など):58.5%
  • 家族・親族・知人からの借入や援助:22.5%
  • 銀行・信用金庫など民間金融機関からの融資:22.5%
  • 日本政策金融公庫からの融資:17.9%
  • 国や自治体の補助金・助成金:14.0%
  • クラウドファンディング:11.7%
  • その他の調達方法:0.8%
  • わからない/答えられない:3.6%

自己資金への依存度が高い一方、金融機関融資や公庫融資、補助金・助成金の活用率は10〜20%台にとどまっている。

3-7. 初期費用を抑えるために行った工夫(複数回答)

開業時の初期費用を抑えるために行った工夫について尋ねたところ(n=386)、「厨房機器や什器を中古品やリースでそろえた」が最も高い割合となった。

  • 厨房機器や什器を中古品やリースでそろえた:30.1%
  • 内装・設備工事の一部を自分や知人で行った:28.5%
  • 居抜き物件を活用し、前テナントの設備や内装を引き継いだ:25.9%
  • 家賃の安い立地や小さめの物件を選んだ:24.4%
  • 開業時の人員を最小限に抑えた:21.5%
  • 複数の業者から見積もりを取り、価格を比較・交渉した:21.2%
  • メニューや座席数を絞り、必要な設備を最小限にした:18.9%
  • 特に費用を抑える工夫はしなかった:12.7%
  • その他:0.3%

中古・リース活用、DIY、居抜き物件活用など、工事費や設備費を直接削減する工夫が上位を占めている。

4. 調査結果から見える課題と対策

本調査の結果から、飲食店の開業費用に関して、次の3つの課題と、その対策の方向性が浮かび上がった。

課題①:内装・設備費が想定を上回りやすく、予算オーバーに陥りやすい

当初の想定より費用がかかった項目として「内装・外装の工事費」(39.1%)と「厨房設備・調理機器の購入費」(36.0%)が上位を占めており、開業者の多くがこの2項目で予算オーバーを経験している。

対策の方向性:開業前の段階で、内装費・設備費が想定より膨らみやすいことを前提とした予算計画を立て、複数業者からの見積もり取得や交渉を通じて、費用の乖離を最小限に抑えることが求められる。

課題②:自己資金への依存度が高く、資金調達手段が限定的

初期費用の調達方法は「自己資金(預貯金・退職金など)」が58.5%と最も高く、日本政策金融公庫からの融資(17.9%)や国・自治体の補助金・助成金(14.0%)といった公的支援の活用率は10%台にとどまっている。

対策の方向性:自己資金だけに頼らず、公的融資制度や補助金・助成金といった多様な資金調達手段を早い段階から検討し、資金計画に組み込むことが望まれる。

課題③:小規模店舗が多く、限られた予算内での費用圧縮が課題

従業員規模が5名以下の小規模店舗が71.0%と約7割を占め、初期費用総額も500万円未満が49.4%、1,000万円未満が78.2%と、限られた予算内での開業が主流となっている。

対策の方向性:中古品・リースの活用、DIYによる内装・設備工事、居抜き物件の活用など、実際に開業者が行っている費用圧縮の工夫を積極的に取り入れることで、限られた予算内での開業を実現しやすくなる。

5. まとめ

本調査から、飲食店の開業費用は500万円未満が約半数を占める一方、内装・設備費が想定を上回りやすく、自己資金への依存度が高いという実態が明らかになった。

  • 内装・設備費の予算オーバー:内装・外装の工事費、厨房設備・調理機器の購入費が想定を上回りやすい → 資金計画の見誤りや開業後の資金不足につながるリスクがある
  • 資金調達手段の限定:自己資金への依存度が58.5%と高く、公的融資・補助金の活用率は10%台にとどまる → 資金調達の選択肢を狭め、開業者の負担が大きくなるリスクがある
  • 限られた予算内での費用圧縮:5名以下の小規模店舗が71.0%を占め、限られた予算での開業が主流 → 費用圧縮の工夫を怠ると、開業自体が困難になるリスクがある

これらの課題に対しては、内装・設備費の予算計画の精緻化、公的融資や補助金の活用、中古品・リースやDIY・居抜き物件などの費用圧縮の工夫を組み合わせることで、開業資金にまつわるリスクを軽減できると考えられる。

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出典

マネーフォワード クラウド、飲食店開業費用に関する調査データ(回答者:飲食店の開業にあたって初期費用の見積もりや資金の準備・管理に「現在携わっている」「過去に携わったことがある」方、集計期間:2026年7月実施)

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