フリーランスに限界を感じたとき、どうするか

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フリーランスとして働くことに対する敷居は、クラウドソーシングの発達やブログなどの発信手段をだれでも持てるようになったことで、だいぶ下がっていると言えます。

ですが、フリーランスとして実際に働いてみると組織に属するサラリーマンとは異なり、様々な苦労を背負わなければなりません。

もちろん、一番の不安は「食べていけるかどうか」、「収入が安定しない」などのお金に関わる悩みですが、フリーランスは他にも様々な理由で限界を感じる瞬間があります。

例えば、以下のような場合です。

・売上の限界
エンジニアやデザイナーの売上は、働いた時間にほぼ比例することが多いため、限界まで仕事を詰めこんだ時に、「ああ、これくらいが売上の限界だな」と悟る。

・孤独感
フリーランスをやめた原因の一つとして、「孤独感」を挙げる人は決して少なくない。孤独を愛する人もいるが、数年にわたって孤独に仕事をしていると、孤独感に苛まれるのはむしろ普通である。

・専門性の限界
「フリーランスは、思ったよりスキルが固定化されがち」という方もいる。
なぜなら、基本的に得意なことについての仕事ばかりであり、かつ生活がかかっているので「単価が低くてもスキルがつくので」という冒険がやりにくい。

・健康面
「自分が倒れたらオシマイ」という中で仕事をしているので健康は常に極大のリスクである。また、加齢による体力の衰えが限界を強調するため、「いつまでフリーランスをやれるのだろうか」といった悩みを持つ方も少なくない。

・仕事のやりがい
やりがいを求めてフリーランスになったつもりが、結局会社員として仕事をしている時と全く変わりない仕事をしている人も多い。

このような場合、「せっかくフリーランスになったのに」と悔いることもある。また、ずっと同じ仕事をやり続けることに「飽き」が出ることもある。

そこで、今回は上のような事象への対策について、書いてみたいと思います。

売上の限界をどのように突破するか

稼働=売上という図式を解消するためには2つの方法があります。

1.人を使う

それまで行ってきたことの延長で売上をさらに伸ばすには、「人を使う」ことをまず考える事になります。自分が営業してとった仕事を、協力者を使って分担して行い、売上を伸ばすのです。

但し、「人の管理コスト」や「品質の担保」など、自分一人でやっていた時には必要のなかった仕事が発生するので、「売上は増えたがあまり儲からない」ということも起こりえるので、一長一短です。

2.物販や、不動産、広告など稼働によらない商売を作る

稼働=売上とならない商売も世の中に数多くあります。例えば物販は取引先の開拓さえ終わってしまえば後は品物を動かすだけです。同じように不動産や広告、あるいはwebサービスなども稼働=売上とはなりません。一度仕組みを作ってしまえば、あとはそれを動かすだけです。

ただし、こちらは全くの新規事業となる可能性が高いため、リスクは高いといえます。資金をそれほど必要としない自社製品、例えばアプリやwebサービスを創るのであれば、リスクは相応に低減されます。

孤独感に対する処方箋

「できるだけ多くの人と関わろう」と、各種交流会や勉強会に顔を出す方もいらっしゃいます。ただし、「一緒に仕事」というケースはあまりありませんので、人によっては孤独感の解消とは呼べないと感じる方もいるでしょう。

一方で、アルバイトを使ったり、様々なフリーランスの方が係るプロジェクト形式の仕事を引き受けたりする方もいます。一般的には後者の方のほうが孤独感は少ないでしょう。

いずれにせよオフィスを物理的にシェアする、客先に常駐するなどしてもよいので「誰かと一緒に仕事をする」ことは孤独感の解消に大いに役立ちます。

専門性の拡張

企業は売上の一定の割合を「研究開発費」ということで投資に充てます。フリーランスも同様に、計画的に新しい技術や知見を得られる仕事に充てることが重要です。

ただし、そのような仕事は売上が少ない割には時間が膨大にかかるケースがあるので、引き受ける数は絞り込みましょう。

健康の維持

もちろん運動や食事、睡眠によって体調を維持することは重要です。

が、根本的に「自分が倒れたらオシマイ」という状態を解消するには売上の維持と同じく、「稼働=売上」という図式を解消する必要があります。

また、最終的な防波堤として「保険」は重要な役割を果たします。公的保険の他に、万が一に備えていくつかの種類の保険を検討しておくのも悪くないでしょう。

仕事のやりがいを維持する

企業であっても、「飽き」との戦いは大きな問題の一つです。まして、フリーランスとして同じ仕事を何年もやり続ける精神力を持った人はそう多くありません。

適切な休暇と、挑戦的な仕事が得られない限り、そう遠くない将来に仕事に飽きた、ということになります。個々に必要なのは適切な目標設定です。一人だからこそ、なんとなくやるよりも、年度の最初などに目標設定をすることで自分自身を方向付けすることが重要です。

まとめ

いずれも、問題の根底にあるのは、「一人」でできることの範囲がそう大きくないところにあります。
上に挙げた施策である程度は限界を緩和することができると思いますが、フリーランスとしてある程度事業が成功した時点で

法人化すべきかどうか
・社員を雇うかどうか

について、考えざるをえない時が来るのではないかと思います。

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