「経理ならではのクリエイティブを発揮して仕事の成果を大きく上げる」MF Expense expo 2019 イベントレポート vol.5

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2019年9月13日、『MF Expense expo 2019』が開催されました。
マネーフォワードが提供する経費精算システム「マネーフォワード クラウド経費」チームが主催するイベントで、前年に引き続き2回目となります。
今年のテーマは「Change Readiness 経理はニッポンの伸びしろだ」。経費精算や経理業務をテーマに、計13人の登壇者による9講演が行われ、最新のノウハウや事例、ツールが紹介されました。

本記事では、“フリーランスの経理”として執筆活動や経営コンサルティング、企業の経理社員への業務指導などを行っている流創株式会社 代表取締役・前田 康二郎氏の講演内容をお伝えします。

テーマはズバリ「クリエイティブ経理」。経理や管理業務担当者だからこそのクリエイティビティを発揮することで、プロジェクト全体の成果を、ひいては会社の業績を変えられる。そんな経理の本質的価値にスポットを当てた講演となりました。

クリエイティブは時としてお金を失わせる要因にもなる

一見「経理」と「クリエイティブ」は、あまり結びつかないかもしれません。しかし当セッションでは、そうした固定概念を超えた、経理ならではの新しい価値が示されました。

まず前田氏から紹介されたのが、会社のクリエイティブ部門のあり方を正し、啓蒙するという経理の役割です。

前田氏:「ほとんどの会社にクリエイティブな部署がありますが、クリエイティブがお金を生むのではなく、逆にお金を失わせる要因となっているケースが少なくありません。たとえば勤怠やアウトプットの質が不安定だったり、一つのクリエイティブワークに膨大な時間をかけてコスト高になっていたり。あるいはクライアントの要求よりもクリエイター自身の『こうあるべき』を優先していたりです。フリーランスでこのような働き方をしていたら、よほど名の通ったクリエイター以外はたちまち仕事がなくなって生活が立ちいかなくなるはずです。会社員でも同じことです。赤字案件になってしまうのです。

クリエイティブをきちんとお金に繋げるには、こうした不安定要素を極力取り除いていく必要があります。定時に出社し、調子が悪くても悪いなりに一定以上の結果を出す。いつまでも一つの仕事にこだわらず、ある程度で見切りをつけて次に取り掛かる。プライドの置きどころを、自分の理想ではなくクライアントの理想に近づけることに据える。私自身も執筆や企画開発などクリエイティブな作業をする際にこのようなことに気を付けて自己管理しています。確かにお金で測れないものもあることくらいは私もわかっていますが、それでもあえてこうした厳しいことを進言、啓蒙、サポートするのが、バックヤードの仕事なんです。数字の部分が経理で、勤怠の部分は総務・人事ですね」。

経理が得意とする3つのクリエイティビティ

一方で、実は経理には経理で「得意なクリエイティブ」があるといいます。

前田氏:「1つめが、人を傷つけない商品・サービスを生み出すこと。経理はさまざまなリスク、たとえば飲食業であれば食中毒が起きるかも、ネット事業であれば書き込みが特定の人を傷つけるかもといったことを事前に想定するのが得意です。だからそうしたリスクをカバーしながら事業を進められる。こうしたリスクはややもすると損害倍書や名誉毀損、業務停止にも繋がるので、この視点はとても重要です。

2つめは、広告宣伝効果が高いものを生み出すこと。たとえば「〇〇カフェ」のように、企業名や商品名を冠したカフェを設けるとします。経理であれば、もしカフェの収支が赤字でも、話題性があってテレビで数十秒でも取り上げられれば、莫大な広告宣伝効果が見込め、結果として広告費の節約になる、といった判断ができます。

3つめが、シンプルなモデルを生み出せること。新事業をやるとなると、どうしてもあれもこれもとなりがちですが、そうすると後々不具合やトラブルによるコストがかさみ、運営費が膨大になりがちです。でも経理であれば計画段階でそうした視点を持ち込めるので、不要な機能をごっそり削ぎ落とせます。

このようにネガティブな要因を事前に想像することや、それをきちんと数字で捉えるのが経理の得意とするところです。だからそうしたネガティブ要素をカバーしたうえで新規事業や業務開発を提案できるのです。

また、現場から一歩引いた視点で見られるからこその発想も経理の得意なところ。たとえば既存の営業先に固執せず潤沢な予算を持つ他業界での営業を提案したり、広告出稿先を既存の雑誌から費用対効果の高いウェブに移す提案などです。

クリエイティブ経理とは、いわば『作業ではない経理仕事』です。朝から晩まで事務仕事をしていては、その余裕も生まれません。だからこそ、クラウドシステムなどで“作業”を減らすことも重要になってきます」。

クリエイティブ経理を実行する具体的方法は?

では、こうした経理ならではのクリエイティビティを、実際にどんな形でアウトプットすればいいのでしょう。以降では、その具体的方法が紹介されました。

前田氏:「もちろん、既存のポジションで上司や経営陣に進言・提案するのもいいですが、難しい部分もあるでしょう。なぜなら、会社では『経理は数字を計算する役目の人』といった固定概念が根強いからです。だから『経理だけやってくれていれば大丈夫だよ』とか『経理が何を言っているんだ』などと言われてしまいがちです。経営陣がそもそも経理には意見を求めない会社も多いでしょう。

そこでおすすめしたいのが、自分でビジネスを作ってしまうことです。たとえば社内起業や社内の新規プロジェクト。そこで自分の同期や先輩、後輩、営業、SEなどとチームを組み、自分が主体的にプロジェクトを進めていく。もし社内ベンチャー制度などがあれば、応募するのもいいでしょう。

もうひとつ、『副業』でやるという方法もあります。たとえば学生時代の友人が起業したので、そのバックヤードの部分を週1回だけ手伝う、などです。

その際は、経理処理を担うだけでなく、『その案は面白そうだけど、こういうリスクもあるよ』『こちらのやり方のほうが利益率は高くなるんじゃない?』といった経理ならではの経営的意見も提案する。それができれば、一経理としてではなく、役員ポジションや共同出資者として参加してほしいという話にもなるかもしれません。実際に起業の世界では、そういうことがザラにあります」。

重要なのは、CFOではなくCEO的視点

実際に前田氏自身も現在、自ら生み出したビジネスを進めているといいます。

前田氏:『節約ウオッチ』という節約アプリを作っているのですが、これも多くの経理的視点をふまえて事業を進めています。『立ち上げ資金や運営資金を低く抑える』『トラブルの確率が低いものを』『できるだけ自分の実働が少ないフローにする』『機能を一つに絞る』といったことです。アプリのプログラミングを手掛けるエンジニアの方に関しても、予算をきちんと決めたうえでマッチングサイトで探しました」。

最後に、経理がクリエイティブであるために身につけるべき習慣が語られました。それは「経営的な視座」を持ち続けることです。

前田氏:「会社の経理というと、目指すところは経理部長だったり、ゆくゆくはCFOというのが既定路線かもしれません。でもそれだとどうしても会社の評価が気になったり受け身に回ったりしてしまい、これまで述べたようなクリエイティビティを発揮するのは難しいかもしれません。

そこでぜひ目指していただきたいのが、社長やCEOといったポジションです。目指す場所がそこであれば自然と制約から解放されるし、また経営的・全体的な視点から発想することになるので、上司や経営者に意見が通りやすくなります。それにより、かえって評価もされやすくなるでしょう。実際、経理は意外と社長にむいているんです。

数字を打ち込むだけの“経理作業”だけではまず差が付かないし、それで会社の業績が目に見えて上がるわけでもありません。結局、結果に違いを生み出すのは、『どこに視点を置いて仕事をするか』なのかなと強く思います」。

まとめ

経理担当者には、計数的・実利的な観点から事業を判断できるという大きな強みがあります。そしてその強みをうまくプロジェクトに活かすことで、会社全体としても個人としても大きく飛躍できる。経理や管理業務の本質をそんなふうに捉え直す興味深い講演となりました。当記事をきっかけに、みなさんの仕事に良き変化が起こることを願っています。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:田嶋 章博 (たじま あきひろ)

ライター、編集者。ファッション誌編集を経てフリーに。ビジネスまわり、カレーまわり、インタビューものを中心に執筆。モットーは「心が動くライティングを」。https://www.muchbako.com/



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