導入事例
「働きにくい」を取り除きやりがいある環境の作り手になる
マネーフォワード クラウド公認メンバー
社会保険労務士法人クラシコ
柴垣 和也様
2013年12月に開業。給与計算等の役務代行業務からスタートし、人事労務における管理運用・アドバイザリー、労務顧問業務など多角的にサポートする。
目的
給与計算代行から自走化
解決策
マネーフォワード クラウド給与の導入
効果
柴垣先生と社会保険労務士法人クラシコ様について教えてください
元々は派遣社員を取り扱う会社でマネジメントをしていました。当時から人事・労務の課題意識があり「なんとかしたい」と考え、起業しました。ところが、派遣法の改正から、その領域での起業は困難になったので、隣の領域である「社労士事務所」として開業しました。
だから、志があり社労士になったわけではなく、ビジネスとして「人事・労務の課題解決」手段の1つが社労士だったのです。現場知識はあったので誤解を恐れずに言えば、「人を乱暴に扱う」業界から、法律の知識を入れて「人を丁寧に扱い・守る」業界にシフトしました。
事務所としては、労務手続きや給与計算等の役務代行からスタートして、新しい助成金があればその診断やアドバイス、また新卒・中途の採用コンサルタントまで対応しています。これも意図的に増やしたのではなく、お客様の悩みを解決する上で、自然と幅広いサービスを提供してる状況です。
開業時、マネーフォワード クラウドを導入した理由について教えてください
誰が見ても、わかりやすい操作性が一番大きい理由です。開業時、初めて給与ソフトを使うメンバーが多い中で、直感的に「ココにあるかな」というところに設定がある、それが何より有り難かった。他社システムは設定変更の場所がわかりにくい、探さなければいけない、変更しても即時反映されないなど煩わしさがありましたね。もちろん、慣れもあると思いますが、最初にこの差は大きかったですね。
また顧問先に好評なのが、Web給与明細が基本料金に含まれているところです。他社では別途のオプション費用が発生するのでコストが高まり、業務が分断されてしまうのですが、煩雑な人事・労務の業務や給与計算において、明細の発行まで一元的な管理ができ、顧客の費用負担が抑えられました。3年前までは10社ほど紙の明細を発行し封入していましたが、現在は「マネーフォワード クラウド給与」で計算し、全クライアントに無料のWeb給与明細を配布しています。
過去は給与計算の役務代行として急成長され、現在は戦略が変わったのでしょうか?
開業から3年目までは、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)として、給与計算の役務代行業でスケールすると思っていました。ピーク時には1日1件、月に10~20社顧問先が増えていきました。ただ性分にも合わず、激しくしんどい時期でした。
とある日「幸福経営」を知り、読んでみると今まで自分のやってきたことと真逆だったんですよ。代行は人さえいれば増やせたが、1円単位で怒られて、ミスなく出来ても感謝はなかったんですね。水道から水が出ても「ありがとう!」という人がいないように、ハッピー(幸福)を生み出しづらく「働きがい」も見えにくくなっていたんです。
そこから2年くらいモヤモヤ期があったのですが、最近は少しずつ難しい領域にシフトしています。お客様に代行業務をお返ししていく方針にして、クラウドも直接契約に切り替えをお願いして回りました。決めたら早くやってしまうことが大事ですね。
マネーフォワードクラウド以外にもクラウドサービスを活用されているのでしょうか?
事務所の運用と合いそうなら積極的に取り入れ活用してます。例えば、労務手続きは「オフィスステーション」、勤怠管理は「Touch On Time」を使っている割合が高いです。また顧問契約を結ぶ場合、「マネーフォワード クラウド給与」を必須のツールにしてます。
労務顧問の起点を、「マネーフォワード クラウド給与」とした結果、Web給与明細を必ず使っていただけますし、その他のクラウドの導入も進みやすい環境になります。実務では、スタッフにも最小限のツールを使いこなすスキルを習得してもらうため、業務を細分化しすぎず、繋がり深いものはまとめて対応してもらっています。それぞれ項目が連動するので入力ミスはなくなり、あとは決められた手順にて給与計算することで、「特別な対応がないか?」だけ集中することができます。
チーム・組織として経営を行うにあたり、採用で気をつけていることを教えてください
1つ目は、「自発的に動けるか」を注視しています。どうしてもイレギュラーが発生しやすい、保険業務の種類などはマニュアル化することが出来ないと思います。イレギュラーにぶつかっても、その場で解決する手段はどういう物があるか、まず立ち止まり考えて、即動ける「自走できる人」かどうかを見定めて採用しています。
2つ目は、「ビジョン・理念に合うか」を確認しています。業界の性質上、淡々と定型業務を処理するだけの人も多いので、最低でも2割はやり方を創意工夫し、「新しく受け入れる形を作るんだ」といった意識がある人がいいですね。逆に「将来はどうなりたい」というのがないと採用は渋いと感じています。
社労士事務所はこれからどのような経営・役割が求められると思いますか?
3年前は「クラウドツールを使って給与計算ができます!」といっても「そんなのがあるんだ」くらいにしか響きませんでした。実際、「労務手続き・勤怠管理・給与計算が連携します!」と言っても、メリットに気づいてもらえなかったんです。しかし、今は連携を知っているだけで頼りにされるし、ボタン一つでクラウドのデータが連携されること、自動アップデートされることは、さも当然のような風潮になりつつあります。
開業からまだ6年目ですが、士業に派手さは必要なくて、のんびりお客様と一緒に成長できること、ニーズが高い領域=単価の高い領域で対応し、多少のお客様を入れ替えつつ、必要とされることをちゃんと積み上げていくことが肝心だと思います。
新型感染症の影響で、不確実性が高まる世の中で、社労士に限らず、攻めている士業は「お客様の経営を守っている」と思います。そういったお客様との関係を深め、和が広がることで、経営のサポートを担うことが差別化に繋がると思います。専門家だけのポジションでも事務所経営が成り立つなら良いですが、経営者のポジションから見て硬すぎない話をいつでも相談できる役割が求められると感じています。
最後にマネーフォワード クラウドの導入を検討している社会保険労務士事務所様へメッセージをお願いします
人事・労務の専門家として何かシステムを買ってきて、自分のもののように売るということは今の時代もうあまり意味がないんじゃないかなと思います。なぜなら、差別化にならず、自動で知識がなくても手続きできるシステムが出てきているから、お客様にとって事務所を選ぶ意味が薄くなっていくと思うんですよね。
私は根底に「人と同じが嫌だ」ということがあるので、常に他の事務所とは違う商品を作るようにしています。その意味で、給与計算はマネーフォワードクラウド給与だけ、というのも1つですし、専門家だけど限りなく顧問先に近い目線で一緒に経営を考えてくれるというのは独自性に繋がります。
まず1社から使ってみて、お客様が給与を計算できるまでサポートし自信を持たせる、そのような形でも労務顧問はできます。クラウドソフトの一般化に向け、まずは事務所の給与計算の方法を統一し、世間のスタンダードとしてクラウドに統一していければいいですね。
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