導入事例
南九州地域の最大多数の幸福を目指す。 クラウドとAIの徹底活用で描く、人にしかできない付加価値と新たな支援の形
マネーフォワード クラウド公認メンバー
鯵坂税理士事務所
鯵坂 健太郎様
現在、多くの会計事務所が「人材不足」と「AI活用」という大きな変化への対応を迫られています。
鹿児島県の鯵坂税理士事務所では、マネーフォワード クラウドを活用した業務のクラウド化に加え、生成AIを日常業務へ積極的に取り入れることで、生産性向上を実現。職員数が減少しても業務品質を維持しながら、お客様への提案やDX支援といった「人にしかできない価値」の提供に注力しています。
今回は、「南九州地域の最大多数の幸福を目指す」という理念のもと、AI活用を前提とした組織づくりや、これからの会計事務所のあり方について、代表の鯵坂健太郎様にお話を伺いました。
目的
業務改善・効率化、属人化・計算ミスの防止、リアルタイムで数字を把握
解決策
マネーフォワード クラウドの導入
効果
「まず自分たちがやってみる」DXを実践する組織
事務所のご紹介を兼ねて、貴社の組織体制や、理念について教えてください。
鯵坂様(以下、敬称略):当事務所は「南九州地域の最大多数の幸福を目指します」という理念を掲げています。間接的な会計業務にとどまらず、直接的にお客様のDX支援やシステム化にも取り組んでおり、まずは私たち自身が実践しているというのが特徴です。 スタッフは現在14名で、平均年齢は30代前半で若手が多い組織となっています。

クラウド導入の決め手は「使いやすいUI」と「二重仕訳を防ぐ安心感」
マネーフォワード クラウドを導入された経緯と、選定の決め手を教えてください。
鯵坂:導入したのは5、6年前、ちょうどコロナ禍のタイミングでした。当時はまだインストール型のソフトが主流でしたが、利便性や将来性を考え、いつでもどこでもアクセスできるクラウド会計への移行を決めました。 マネーフォワードを選んだ最大の決め手は、UI(ユーザーインターフェース)です。当時使っていたソフトと似た使い勝手の複式簿記の画面だったことが大きかったですね。
導入当初は、買い切り型ソフトを利用していたお客様から「毎年利用料がかかるのは負担ではないか」という声もありました。しかし、会計だけでなく給与計算や勤怠管理まで一元化できることをご説明すると、多くのお客様に価値をご理解いただけました。
特に勤怠管理の導入は初期設定に一定の工数がかかりますが、そこを私たちがサポートすることで、お客様の業務負担は大きく軽減されます。結果として、単なる会計顧問にとどまらない、長期的な信頼関係の構築にもつながっています。
他社のクラウドソフトもある中で、現在も継続して利用されている理由は何でしょうか?
鯵坂:他社ソフトの機能と比較しても、乗り換える理由がないと感じているのが正直なところです。機能面で評価している理由の1つに、マネーフォワードは「重複処理(二重仕訳)が起きにくい」という点が挙げられます。
二重に登録されてしまうと、後から修正するのが大変そうですね。
鯵坂:そうなんです。会計事務所からすると、二重に入ってしまった仕訳を探して消す作業は非常に手間がかかります。その点、マネーフォワード クラウドは、アップロードされた領収書から仕訳の候補が作成されますが、自動でそのまま「確定」される仕様にはなっていません。一旦、人が確認するプロセスを挟めるため、データ連携との重複に気づきやすく、結果として二重仕訳が起きにくいのです。事務所の余計な手間を増やさない仕様になっているのは、非常にありがたいポイントですね。
決算チェックから移行支援まで。生成AIを日常業務に組み込む仕組み
日常業務において、具体的にどのようにAIツールを活用されているのでしょうか?
鯵坂:私自身の業務で言うと、生成AI(Claude)を使った決算チェックを行っています。事務所で作成された決算書や申告書のPDFデータと、マネーフォワード クラウドの仕訳のデータをAIに読み込ませ、突合させながらチェックリストに基づく確認や、税法のチェックを行っています。人間が画面で一つひとつ確認するのは大変ですが、一括でダウンロードしてAIにチェックさせることで、精度も高く非常に効率的です。 また、職員たちも試算表の分析や仕訳のチェック、グループ会社間の複雑なお金のやり取りに矛盾がないかの確認などにAIを活用しています。

他社ソフトからマネーフォワードクラウドへの移行時にもAIを活用されていると伺いました。
鯵坂:はい。新規のお客様が他社ソフトを利用されている場合は、過去の仕訳データをClaudeに分析させています。AIを活用することで、データがどのような経路で入力されているのか、またどのような運用ルールで管理されているのかを短時間で把握できるようになりました。その結果、現状の業務フローをスムーズに理解でき、初期設定や移行作業を効率的に進められています。
採用難の時代における一つの解。「人を増やさない」という新たな選択肢
AI活用による圧倒的な効率化は、事務所にどのような変化をもたらしましたか?
鯵坂:最も分かりやすい変化として、スタッフが4名減っても、これまで通り業務が回るようになりました。現在、会計業界全体で深刻な人材不足が課題となっていますが、当事務所の経験から言えるのは、「無理に新しい人を雇わなくても、クラウド化とAIを徹底的に活用すれば業務は十分に回せる」ということです。
採用の方針にも変化があったのでしょうか。
鯵坂:はい。未経験の若手をゼロから育てるポテンシャル採用は一旦ストップしています。マネーフォワード クラウドを導入してデータ連携や自動仕訳を徹底したことで、かつて新人さんにお願いしていたような手入力の仕事が大幅に減りました。さらに、クラウド上のデータとAIを直接連携させることで、チェック作業などの属人的な業務も自動化できるようになり、作業的な仕事自体がなくなりました。これは、データが常に最新の状態でクラウド上にあり、AIなどの外部ツールとスムーズに連携できるクラウド会計だからこそ実現できたことだと感じています。
一方で、システムをお客様に導入したり、クラウド会計の活用を指導したりするコミュニケーションの部分は人にしかできません。今後は、こうした付加価値を提供できる人材へのニーズがさらに高まると考えています。採用に悩む会計事務所は多いと思いますが、まずはクラウドを基盤としたデータの一元化とAIによる効率化を徹底し、人にしかできない業務にリソースを集中させることで、人を増やさずに成長していくことも可能だと考えています。

最後に、今後の事務所の展望をお聞かせください。
鯵坂:AI活用が進む一方で、社会福祉法人のように業務の特性上、効率化だけでは十分な付加価値を生み出しにくい業界もあります。そうしたお客様に対しては、私たち自身がAIを活用しながら、理事会資料の作成や会議運営の支援など、事務領域まで踏み込んだサポートを提供していきたいと考えています。
また、地方には管理会計のサポートが必要な中小企業がまだまだ多く存在します。AI以前の課題として、まずはしっかりと管理会計を定着させ、利益確保のお手伝いをするという基本的な支援にも引き続き注力していきたいと考えています。
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