導入事例
導入したツールは20以上。ツールに合わせたフローでテクノロジーと共存へ
マネーフォワード クラウド公認メンバー
伊藤会計事務所
池田 大輔様
顧問先企業の利益体質を盤石とするため、税金の計算だけではなく、経営分析や資金計画の策定、資金調達や事業継承・M&Aなどのサービスやマネーフォワード クラウドを始めとしたクラウドツールの導入支援も手掛け、顧問先の業務効率化にも力を入れている。
目的
業務改善・効率化
解決策
マネーフォワード クラウド・Manageboardの導入
各種ITツール活用
効果
アップセル・クロスセルプランの拡充
伊藤会計事務所について教えてください
2008年に開業し、現在25名の従業員数を抱える会計事務所です。顧問先の全社黒字化を目標に掲げ、利益体質を作るべく、会計税務の分野から顧問先様の中長期的な成長をサポートに取り組んでいます。具体的には、一般的な税務顧問、経理代行や創業支援、M&Aだけでなく、経営分析ツールを用いて財務支援を行う「財務顧問」や今後の企業の成長に欠かせないであろうIT・クラウドツールの導入支援を行う「クラウド顧問」といったサービスを提供しています。
財務顧問というのはどのようなサービスですか?
既存の税務顧問に加え、経営分析ツールの「Manageboard」を用いて預金残高の管理や決算予測といった財務面の支援を行うサービスです。元々、決算予測の精度向上のためにManageboardを導入していました。
そんななか、新型コロナウイルスの影響でオンラインでお客様と面談する機会が増え、お客様にサービスの品質が低下したと捉えられないように、面談をサポートするツールとしても活用機会が増加しました。すると、お客様の中でも予算策定やキャッシュフローの管理として興味を持たれる方が出てきたので、税務顧問の延長線として財務支援も一緒に行うプランを作成することにしました。
具体的な提供内容としては、「Manageboard」の決算予測やキャッシュフローの予測機能を使って、現状の売上や利益から1年後の預金残高を算出することにより、今後の売上や利益の目標を立てたり、経費の見直しを行います。また、財務ハイライトという機能を用いて売上や粗利、さまざまな費用の予算対比や前年度対比を算出して、予算の管理や前年度からの成長を可視化し、今後の経営判断に活用いただいています。
財務顧問を始めて事務所内にどのような効果がありましたか?
「Manageboard」を活用して財務顧問を始めるまではお客様との面談の方法は統一されておらず、品質も従業員によってバラつきがありました。ですが、「Manageboard」を導入したおかげで、プレゼンテーションの質が向上するだけでなく、面談での報告項目や求められる能力が明確になりました。従業員の能力が可視化でき、的確な教育を行えるようになったことで、サービスの品質が向上したと考えています。実際に弊社では、面談を実施した後に定期的に報告会を行い情報を共有したり、面談のロールプレイングを行ったりするなどサービスの品質向上に積極的に取り組んでいます。最近ではコロナ禍によりオンライン面談が増え、同席が簡単になったため、フィードバックを行う機会も多くなりました。
また、これまで内勤だった従業員にもオンライン面談で数字の報告ができるようにして、事務所全体のスキルの底上げと、業務を臨機応変に処理できる体制の構築に力を入れています。
また、新型コロナウイルスの影響で、資金繰りに関して相談したいという顧問先様が増えています。「Manageboard」の活用で、いち早く現状を捉え、将来のシミュレーションを行えますので、お客様に迅速な意思決定や行動ができるようにサポートできています。実際に、持続化給付金や雇用調整助成金の申請や社会保険労務士の紹介をいち早く行うことができました。弊社では毎月売上や利益をもとに決算予測を行い、状況に応じた納税対策などを行えるようにしております。
クラウド顧問とはどのようなサービスですか?
クラウド顧問はお客様の課題に応じて最適なクラウド・ITツールを提案し、お客様にご選択いただいたうえで、導入から運用のサポートを行うサービスです。元々、弊社内で使用していたツールといえば、会計ソフトくらいしかなかったのですが、「マネーフォワード クラウド公認メンバー」に入会したのをきっかけに、「マネーフォワード クラウド請求書」や「マネーフォワード クラウド給与」といった会計以外のツールを活用したり、「Chatwork」でやり取りをしたりをするようになりました。これらのツールを活用する中で業務効率化を実感するとともにノウハウが蓄積され、お客様にもお役立ていけるのではないかと考えサービス化しました。
具体的には、最初にお客様に最適なツールを提案するために、日々の業務の状況をヒアリングします。そして、抱える課題や企業の規模、既存の業務フローを総合的に考慮して選定します。導入や運用はツールごとに担当者が分かれており、ツールにより局所的に対応したり、中長期的に伴走したりしています。活用できる体制が整ったあとは、基本的にはチャットでのサポートに切り替え、要望に応じて終了します。新しくツールを導入するときには、多かれ少なかれ既存の業務フローとは変更点が出てくるので、お客様とともにどのような業務フローにするか考え、スムーズに活用し始められるよう心がけています。
財務顧問やクラウド顧問といった幅広いサービスを展開を可能にするために、事務所として工夫されていることはありますか?
これまでに取り組んできたことは主に「ペーパーレス」「製販分離」「クラウド・ITツールの導入」「業務フローの再構築」の4つです。財務顧問やクラウド顧問のようなサービスを展開する前から、人材不足や生産性の低さに対して課題感を抱いていました。この課題を解決するために4つの施策を打つことで生産性の高いサービスの展開に移行することができたと考えています。
各施策について具体的にお教えてください
ペーパーレスは言葉の通り、今まで事務所内で紙で保管していた資料をすべてスキャンして電子データとして保存しました。空間的な余裕が生まれるだけでなく、資料の整理整頓や紛失リスクを減らすことができますし、お客様にもデータでの資料回収に協力いただき郵送の手間を省き全体的に効率化しました。
次に記帳代行の効率化を図るための製販分離体制では、記帳業務にも製造業のように指示書を導入しました。所要時間や処理方法を統一することで記帳担当制を廃止して、各従業員の仕事の状況に合わせて臨機応変な分配を行えるようにしました。また、「マネーフォワード クラウド会計」の自動仕訳ルールや証憑をスキャンするだけで仕訳データ化する「STREAMED」を活用し、大幅に入力時間を短縮しました。
「マネーフォワード クラウド会計」の活用で大幅に効率化されたことを受けてその他のツールの利用も検討するようになり、現在までに導入したクラウド・ITツールは20以上に上ります。もちろんすべてを完全に使いこなしているわけではないですが、気になったらとりあえず触ってみることを心がけています。実際に効果を実感したタスク管理ツールやナレッジシェアのためのツールは事務所内で浸透し、絶大な効果を発揮しています。
最後に様々なクラウド・ITツールの効果を最大化するために業務フローの再構築を行います。お客様にツールの導入支援するときと同様に、新たなツールを日々の業務に落とし込むには、多かれ少なかれ既存の業務フローをツールに適合させる必要があります。従って、各ツールの特徴や強みを理解した上で、それらが活きる所内の運用体制の構築をしなくてはなりません。弊社でもまだ業務フローの再構築は道半ばですが、今後お客様の支援に時間を費やせるようにテクノロジーと共存した事務所運営を目指していきたいと思います。
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