導入事例
クラウド導入で訪問回数が約1/2に。「地域密着」で長崎のさらなる発展を目指す
マネーフォワード クラウド公認メンバー
税理士法人内田会計事務所
所長 内田佳伯様、内野敦史様、藤川奈穂子様
「地域密着」をモットーに、約40年にわたって地元・長崎と共に歩んできた内田会計事務所様。時流を見据え、自社の効率化はもちろん、経理代行・経理コンサルティングにも「マネーフォワード クラウド会計」を活用。この記事では、クラウド会計を導入する際の課題や導入時の工夫や今後の展望などをお話いただきました。
目的
業務改善・効率化
解決策
マネーフォワード クラウド・STREAMEDの導入
効果
地元・長崎を盛り上げたい。「地域密着」への強い想い
事務所のご紹介を兼ねて、理念や大事にしていることを教えてください
内田所長:内田会計グループは、地域に根づいた会計事務所として40年以上、長崎県内を中心に業務展開しています。経営理念は「お客様の社外重役として、お客様と地域の発展に貢献する」であり、特に重点を置いているのは「地域密着」という点です。
今の世の中、「マネーフォワード クラウド」を始めとしたクラウドツールにより、作業の自動化がどんどん進んでいます。これからは、どこの会計事務所でも同じように、申告書を作れるようになっていくでしょう。
そんな中、私たちは長崎という地元に密着し、地元企業を盛り上げていくことが大切だと考えています。同じ地元の仲間として、お客様の「社外重役」として信用と信頼を積み上げ、「三方良し」を実現していく。このように地域密着型であることが、他の事務所にはない私たちの強みだと考えています。
社員の皆さまも、長崎に縁のある方が多いのでしょうか
内田所長:社員のほとんどが長崎出身です。県外出身者もいますが、長崎の大学を出ていたり、長崎で結婚していたりと、長崎に縁がある者が多いです。一度海外に渡ったものの、長崎に帰ってきて弊社で働いている者もいますね。
藤川様(以下、敬称略):事務所内では、皆長崎弁で話しています。私も入所前は県外に出ていたのですが、この事務所に入ってからは長崎弁を話すようになりました。それだけでも、社員間の距離は近い感じがしますね。
「自動化は時代の流れ」利便性の高さに魅力を感じ導入
「マネーフォワード クラウド会計」の導入を決めた時期やきっかけを教えてください
内野様(以下、敬称略):「マネーフォワード クラウド会計」を導入したのは、2015年頃です。
まだクラウド会計があまり一般的ではない時代でしたが、知り合いの税理士法人が、先に「マネーフォワード クラウド会計」を導入していました。そのご縁と、マネーフォワードの営業の方から話を聞いたことがきっかけで導入しました。
数あるクラウド会計ソフトのなかで、「会計事務所の職員が使いやすいのは、マネーフォワードかな」と感じたのも、導入した理由の一つです。
内田所長:銀行からのデータ取り込みができることが、当時一番の魅力でした。また、Excelデータをインポートできるほか、領収書などの現金取引が画像取り込みできることも良かったですね。
手入力の手間を少しでも減らせればと思いましたし、「便利になるならいいんじゃないの?」と。「自動化は時代の流れだろう」とも感じていたので、当初から導入には賛成でした。
内野:あとは、当時あまりまだストレージサービスが普及していなかったため、複数の拠点で資料をやり取りする手間がネックでした。オンプレミス型では毎回IDとパスワードを入力したり、メールで資料を送ったりしていたので、「クラウドだったらいいな」と考えていました。
また、顧問先に医療機関が多いからか、「Macでクラウド会計を使いたい」という声も意外と多かったですね。これも理由のひとつです。
藤川:私は当時、「マネーフォワード クラウド会計」の導入を担当したのですが、「入力作業が楽になる」と導入には前向きでした。もともとITも大好きでしたし、導入自体も楽しかったですね。弊社にはIT部門があるので、そこと協力しながら導入を進めました。
時間も手間も大きく削減。理念実現のための余裕を捻出
「マネーフォワード クラウド会計」を導入する前、どんな課題がありましたか
藤川:お客様がオンプレミス型のソフトを使用している場合、実際にお客様のもとへ伺って作業をする必要があります。何度も移動したり、お客様が遠方だったりすることもあったので、かなり時間がかかっていましたね。
また、通帳のコピーを郵便やFAXで送っていただいていたので、そこにも時間がかかっていました。「FAXは怖いから」と郵送を使う場合は、さらに2日ほどかかっていましたね。
また、クラウド会計の導入にあたり、「情報がもれたら」「引き落としされたら」と、ネットバンキングの利用を敬遠されるお客様もいました。会社のメイン口座はネットバンキングを使わない、というお客様は当時、多かったですね。
内野:口座連携に関しては、まだあまり具体的なイメージが浸透していなかったんだと思います。正直、お客様の間では「オンプレミス型は十分便利で、問題ない」「クラウド会計は使いにくそうだし、わざわざ変えなくても」という雰囲気があったと思います。
内田所長:社内にも、クラウド会計に対して抵抗感を持つ社員はいました。「間違いがあるなら、最初から自分でやった方がいい」という意見だったようです。私としては「7割合っているなら、その7割は手間が省ける」と割り切っていたのですが、そうもいきませんでした。
内野:当時、長崎でクラウド会計を使っている会社は、あまり聞かなかったですしね。それでも、特に若い税理士さんは、抵抗なくクラウド会計を取り入れたり興味を持ったりされる方が多かったです。
藤川:当時は、家計簿アプリの「マネーフォワードME」が流行りだした頃でもありました。こうしたツールを個人的に使っている方は、クラウド会計のイメージがわきやすかったようです。そして徐々に、クラウド会計のイメージを理解してくださるお客様も増えてきました。
「マネーフォワード クラウド会計」を導入した後、どのような変化がありましたか
藤川:銀行口座やクレジットカードのデータ連携のおかげで、決算がとても楽になりました。また、クラウド会計にしたことでデータの共有が進み、お客様のところまで伺う回数が減りました。これまでは2回の訪問が必要だったところが、1回になったんです。
資料の受け取りは「マネーフォワード クラウド会計」のストレージ機能でできますし、Zoomでの面談も行っています。以前は遠方のお客様のもとにも通っていたことを考えると、かなり時間の短縮になっていると感じます。
また、製販分離の体制ができつつあり、入力作業よりもお客様のことを考えられる時間が増えました。お客様の今後の動きやそのための資料作りに、時間が取れるようになったんです。お客様とコミュニケーションを取る時間も増え、弊社の理念の一つである「地域密着」が、実現できつつあると感じています。
「無理に進めない」のが導入のコツ。マクロやCSVも活用
クラウド会計に抵抗感のあるお客様への導入は、どのように進めましたか
藤川:どのお客様も一斉に導入していただくことは難しいので、まずはネットバンキングを利用されているお客様をメインに導入を進めました。
内田所長:社内の職員でもお客様でも、クラウド会計に抵抗感を持つ方はいるので、そこはいったん無理に進めないようにしたんです。
ただ、最近は新しいお客様、特に若い方は最初から「マネーフォワード クラウド」を使っていたり、他社のクラウド会計を使っていたりすることが多い気がします。「マネーフォワード クラウドを導入したいが、今の税理士さんは対応できないから」とご相談いただくこともありますね。
内野:今は「マネーフォワード クラウドが使える事務所だから」ということを理由にお問い合わせをいただくことが、年間10件ほどあります。
実際、今日も相談を受けたお客様に「マネーフォワード クラウド」の説明をしてきました。藤川と2人でこうした提案は積極的に行っていまして、「マネーフォワードだったら内田会計事務所」と言われるようになっていきたいですね。
藤川:あと、自計化を目指しているお客様には、「マネーフォワード クラウド」からダウンロードできるExcelのテンプレートを提供して、使っていただいています。弊社のIT部門でマクロを組んで、日報の数字をCSVに書き出せるようにもしているので、お客様側の手間も減らせていると思います。
新サービスにもマネーフォワードを活用。お客様の反応も上々
貴社では、経理代行や経理コンサルティングにも注力されているとお伺いしました。
内野:2022年1月1日から、経理代行・経理コンサルティングサービスを開始しました。例えば、お客様の経理に関するお悩みについて改善策を考えたり、経理処理をそのまま代行でお受けしたりしています。会計部分だけではなく、請求の問題などお客様の課題を深くヒアリングし、現場の効率化を図るようにしています。
この2つのサービスに関する経理処理は、基本的に「マネーフォワード クラウド」で行っています。そのほうが便利ですので、提案するとすぐに納得いただけるケースが多いです。
特に経理コンサルティングのサービスにおいては、「マネーフォワード クラウド」の導入はお客様に喜んでいただけます。請求書をメールで送れるようになったり、画面上で郵送物の管理ができたりするので。経理代行においても、記帳や給与計算を丸々お引き受けするので、「本業に集中できる」と好評ですね。
藤川:長崎は人口がだんだん減っているため、働く人も減っています。経理における人手不足に悩んでいるお客様は多いので、経理代行サービスでは、記帳部分を弊社で請け負っています。
自計化済みのお客様からも記帳部分をご依頼いただいたり、他の税理士事務所様からも、記帳部分をお受けしたりしています。弊社の作業も増えるため、経理代行のお客様にも「マネーフォワード クラウド」の導入をお願いしています。
内野:これらのサービスは開始して2年目ですが、「マネーフォワード クラウド」を合計10件ほどのお客様に導入いただいています。お客様からは「誰に相談していいか分からなかった」と言っていただけることも多く、こういったサービスの存在自体を知らない方も多いようです。それはもったいないですし、今後もお客様を増やしたいと考えています。
自動化を積極的に活用し、地元・長崎により大きく貢献したい
今後の展望について教えてください
内田:まずは、今注力している経理代行・経理コンサルティングサービスの担当者を増やし、より多くのご依頼を受けられるような体制を作りたいです。このサービスに関しては、以前からニーズの大きさを感じていましたし、実際にサービスを開始した今も、反応がよく手ごたえを感じています。
もっと宣伝すればご依頼は増えると感じているので、「マネーフォワード クラウド」を活用した自動化などを駆使して、より規模を拡大していきたいです。
さらに、DXとしての会計自動化を積極的に取り入れ、手作業をどんどん減らしていきたいです。その分、お客様の相談相手になる時間を増やしていきたいですね。時代の流れとしても、ネット上で一番安い会計事務所を探して依頼する時代が来ると思うので、そうなると顧問という付加価値は、つけざるを得なくなってくる。顧問としてお客様の相談相手になれるかどうかで、明暗が分かれると思います。
弊社では地元・長崎を中心とした地域密着型で、お客様の相談相手になるのはもちろん、長崎で商売をしている方同士をつなげていく、といったことも今後やっていきたいですね。
関連事例
-
クラウド推進を若手社員の活躍の場に。「お客様のために」を実現する社員育成戦略
1989年に横浜で開業した税理士法人 横浜総合事務所様は、2008年に法人化し、現在はスタッフ55名を有しています。全スタッフが、確固たる経営理念のもと「お客様のために何ができるか」を考え行動。若手社員がクラウド会計ソフトの活用を先導することで、活躍しているのも特徴的です。その秘訣を、代表の山本様、クラウド推進担当の倉本様・廣田様にお伺いしました。
山本 歩美様 倉本 俊様 廣田 実穂様
会計事務所 神奈川県 40〜99名
- クラウド会計・確定申告
- STREAMED
-
最初に自ら利用し、圧倒的便利さを実感。だからこそ切り替えも自信をもって提案できた
沖縄県うるま市で長年に渡り地域のお客様を支え続けてきた、歴史と伝統ある本永美智子税理士事務所様。「お客様が不安や疑問を何一つ持つことなく満足できること」を目指して、日々お客様のサポートに尽力されています。
2023年2月に「STREAMED」を導入し、6月に公認メンバーに加入されて以降、「記帳代行プラン」を活用しながら一気にお客様へのクラウド導入を推し進められました。今回はそんな本永美智子様に、苦労された点や成功の秘訣をお伺いしました。本永 美智子様
会計事務所 沖縄県 5〜14名
- クラウド会計・確定申告
- STREAMED
-
税務を切り口にバックオフィス業務全般の支援を実現!公認会計士の開業にクラウドが必要な理由とは?
公認会計士・税理士として監査法人勤務後、2023年4月に「税理士法人 琉球会計」を設立された松茂良様。共同代表として開業されてからの約1年で、200を超える顧客の支援を実施。税務だけでなく幅広い経営支援をされています。
今回は、松茂良様が公認会計士・税理士として税務にも取り組まれている背景や、クラウドの活用方法について伺いました。松茂良 昇様
会計事務所 沖縄県 5〜14名
- クラウド会計・確定申告
- クラウド経費
- クラウド給与
- STREAMED