導入事例
人手不足と属人化で疲弊した暗黒期を乗り越え、残業ゼロで若手が活躍する「高知で一番働きたい会計事務所」に
マネーフォワード クラウド公認メンバー
白川浩平税理士事務所
白川 浩平様 / 富永 裕徒様
サーフィン好きが高じて移住した高知県で、Iターン開業された白川浩平先生。しかし、人材不足や業務の属人化に悩まされるようになり、クラウド会計ソフトの導入を決意。クラウド化に抵抗感があるお客様もいる中、どのように導入、定着させたのか。今回は代表の白川先生と、新卒2年目にしてクラウド化推進をリードした富永様に、お話を伺いました。
目的
業務改善・効率化、属人化・計算ミスの防止
解決策
マネーフォワード クラウド・STREAMEDの導入
効果
Iターン開業の理由は「サーフィン」。神戸から高知へと移住
事務所のご紹介を兼ねて、理念や大事にしていることを教えてください
白川様(以下敬称略):弊社の経営理念は、「共に学び、挑戦し、共に栄える」です。この理念は、「お客様とともに新しいことを勉強しながら、いち早く成長し、お互いに支えあっていきたい」という気持ちで掲げています。また、時代に先駆けて挑戦していくことで、自らが成功モデルとなり、新たな価値の創造と明るい未来作りに貢献したいと考えています。
また、「お客様の成長とイノベーションを、あらゆる側面からサポートすること」を、お客様との約束としております。一方、事務所スタッフには、「共に学び成長し続けることで、それぞれの強みを進化させ共に栄えていける組織を作る」と約束しています。
「共に栄える」というのが非常に印象的ですね
白川:そうですね。組織としての存続を考えると、「勉強して成長する」だけでは足りないと考えています。社会から必要とされるサービスを提供しつつ、お客様も弊社も共に「栄えて」いくことが、非常に重要ではないでしょうか。
弊社の基幹業務は税務会計ですが、こうした理念を踏まえ、私たちがお客様に貢献できる範囲はもっと広いと考えています。例えばこれまでも、お客様のDX化や業務効率化、資金調達や人材育成など、実際にさまざまな取り組みを行ってきました。こうした知識や経験を糧に、広い範囲でお客様のお手伝いをしていければと考えています。
出身地ではない高知県で、Iターン開業されたきっかけを教えてください
白川:「海のそばで生活したい」という夢があったことと、子どもを田舎でのびのび育ててあげたい、という思いがあったことがきっかけです。私は神戸出身で、最初は2001年に地元・神戸市で開業していました。ただ、子どもが小学校にあがるタイミングで「夢を実現するのは、今しかないな」と思い、高知県に移住しました。
そのときに現在の高知市で開業されたのですか
白川:いえ。当時は、高知県の南端にある足摺岬(あしずりみさき)のあたりに移住して、毎日趣味のサーフィンで波乗りをしていました。人が少なく大きな波に乗れることも、高知移住の決め手でしたね。子どもの通っていた小学校も全校生徒が40人ほどで、学年問わず仲が良く、よい環境でした。ただ、子どもの成長とともに「事業もちゃんと頑張らないと」と思うようになり、事務所を高知市内に移転して、今に至ります。
人手不足と属人化防止に悩み、クラウド会計を導入
「マネーフォワード クラウド会計」を導入されたきっかけを教えてください
白川:高知市に移転してから3年目のころ、深刻な人手不足や業務の属人化に直面したことです。
当時は集客に力を入れていて、売上は毎年倍増していました。しかし、そのうち人手が足りなくなり、せっかくいただいた新規案件も断らざるを得なくなりました。新たに人を採用しても、すぐに退職してしまい人材が定着せず、所長である自分自身も、担当先を多数受け持って実務をこなすような状況でした。
そのときは、会計事務所での経験がある方を採用し、業務をそれぞれの人のやり方に任せていました。人によって仕事のやり方が違うことから、どの担当者がどういう処理で仕事を進めているかが不透明になり、「担当者がいないとわからない」「その担当者でないとできない」という困った状況でした。
当然、そのような状況ではお客様への付加価値提供もままならず、目の前の処理をこなすので精一杯で。休みなしで毎日遅くまで残業して、なんとか仕事をこなす日々でした。そんな状況に疲弊し、ついには毎月お客様を訪問することも難しくなりました。正直、もう税理士業を辞めたいとまで思い詰めることもあったほどです。そういった中で、本腰を入れて事務所の仕事の仕組みを根本から変える必要があると感じた結果、解決策の一つとしてクラウド会計の導入を決めました。
「マネーフォワード クラウド会計」を選んだのは、まずできるだけ作業を自動化して業務効率化し、その結果生まれた時間でお客様に価値提供をしたかったからです。当時は「このままではお客様に価値提供ができない」と強く感じていましたので、自動化で私たちスタッフの時間を作り出し、お客様の成長に貢献できるような情報提供に、もっと時間を割きたいと考えました。また、お客様に会計ソフトを入れてもらうにしても、従来型の会計ソフトには色々な面で限界を感じており、お客さまにも使いやすい会計ソフトは何かを考えた末に、総合的に優れていると思ったのがマネーフォワードでした。
クラウド化に際し、お客様の反応はいかがでしたか
白川:新規のお客様については、最初から「『マネーフォワード クラウド会計』を使ってください」と説明して契約していただくので、特に問題はありませんでした。ただ、既存のお客様については、クラウド会計に抵抗がある方もいらっしゃったので、どのように導入すればよいかとても悩みました。特にご年配のお客様からは、「クラウドの利用方法がわからない」「ネットバンキングは料金がかかる」「紙の資料を持って訪問してほしい」といった懸念をお持ちの方も多かったですね。
そういった懸念をお持ちのお客様には、どう対応されましたか
富永様(以下敬称略):まず、インボイス制度や電子帳簿保存法など、法令対応の必要性をご説明しました。それを踏まえて、「このまま従来の方法で対応していきますか?」という質問を投げかけました。しっかりと法令対応していくには、やはりクラウド会計をはじめとしたさまざまなコンテンツを使うことが望ましいですし、一緒にやってみませんかと。このようにご提案して、導入していただいたケースが多かったです。
白川:人手不足に悩むお客様には、「クラウドソフトに仕事をしてもらいましょう」「浮いた時間を使って、営業に行ってください」とご提案しました。また、「ベテランの社員がいるからクラウド会計は不要だ」というお客様には、その方がいつまで在籍してくれるのか問いかけました。人の入れ替わりは、皆様共通のお悩みです。そのため、事前にクラウド会計を導入して人員体制を整える必要性をお伝えすると、導入いただけることが多かったです。
所内のクラウド導入に若手スタッフを抜てきし、大成功
一方で、事務所内での「マネーフォワード クラウド会計」の導入は、順調でしたか
白川:「マネーフォワード クラウド会計」の導入を本格的に始めようとした頃、ちょうど富永のように若手のスタッフも入社してきました。彼らに導入をリードしてもらったところ、とてもうまくいきました。やはり、若手スタッフは本当によくITツールを使いこなせるんですよね。僕はITツールに苦手意識があるのですが、彼らは分からないことがあってもすぐ検索して解消したり、若手同士で相談して解決したりできる。「彼らがいなかったら、『マネーフォワード クラウド会計』の導入はうまく行かなかったのでは…」と思うくらい、彼らの存在は大きいしありがたいです。
若手スタッフの採用や定着に悩む事務所も多いなか、成功した秘訣は何でしょうか
白川:ポイントは3つあると考えています。
一番大きいポイントは、「残業と休日出勤をなくしたこと」です。
当初は毎日21〜22時まで残業していたのですが、例えば「残業は19時まで」と決めて、「確定申告の時期も残業をしない」と宣言しました。当初は「そんな、無理です」と真顔でスタッフに言われたほどですが、業務フローを見直してみたら、意外とできたんです。こうして「確定申告の時期も残業なし」の体制が整い、「マネーフォワード クラウド会計」の導入をはじめとした業務改革も実行しました。
その結果、業務量は一般的な量の1.5倍ほどをこなせるようになりました。「マネーフォワード クラウド会計」や紙証憑の自動記帳化サービス「STREAMED」の導入のおかげもあり、今年の確定申告も、残業なしで乗り切れました。スタッフは17時になると皆帰ります。
17時に帰れるなんてうらやましいです!タイムパフォーマンスを重視する若い世代にも刺さりそうですね
白川:そうですね。従業員満足度も高いようです。次に、2つ目のポイントとして「採用マーケティング」に力を入れました。採用うんぬんの前に、まずは「弊社を知ってもらうこと」が大事だと考えました。弊社の良さを知ってもらい、「いいな」と思ってもらえれば、自然に応募へとつながるはずです。具体的には、事務所のホームページとは別に採用専門のサイトを作ったり、YouTubeやSNSを運用してみたりしました。「採用はマーケティングだ」と気付けてからは、こうした活動に地道に取り組んでいきました。
YouTubeを拝見しましたが、入社後のイメージがしやすかったですし、事務所の雰囲気がとても良く、私もここで働きたいなと思ってしまいました(笑)
白川:ありがとうございます。3つ目のポイントは、「若手スタッフに思い切って仕事を任せた」ことです。例えば、富永には新卒入社してから1年経っていない頃に、業務標準化・効率化のリーダーをやってもらいました。特に業務の標準化や効率化は、僕が考えるより、初めて仕事に携わる人の目線で進めてもらった方が、よりよい仕組みになると思ったためです。本人たちも、自分で考えて試行錯誤することで、働きがいや成長を感じられたようです。あえて責任者としてのポジションを任せることが、若手の成長につながっていると感じています。
富永:僕が新卒で入社したのは2022年の4月で、「マネーフォワード クラウド会計」の導入はちょうどその年の5月くらいだったと思います。「誰かリーダーをやりたい人はいるか」と白川から声がけがあり、「頑張らせていただきたいです」と手を挙げました。困ったときには、小林さん(マネーフォワードの担当者)や同期たちに相談しながら、少しずつ仕事を学んでいきました。同期は僕のほかに2人いるのですが、お互いが分からないことを調べたり、教え合ったりしていましたね。
中小企業庁からも優良支援事例として紹介される
中小企業庁の「中小企業・小規模事業者支援 優良取組事例集」に、優良支援事例として紹介されたそうですね
白川:中小企業庁から毎年発行されている「中小企業・小規模事業者支援 優良取組事例集」に、弊事務所の取り組みを掲載していただきました。これは、全国の経営革新等認定支援機関による、優良取組み事例を紹介するものですが、その中のひとつとして取り上げていただけたのは、非常にうれしく思います。これまで私たちがやってきたことが報われた気がしますし、頑張ってきたスタッフ全員の自信にもつながったと思います。
また、公的機関から評価をいただけたことで、金融機関等からの評価も上がり、ご紹介案件が増えたり、提携業務のお話しをさせていただいたりしています。
付加価値の高いサービスを提供し、未来の顧客獲得を
今後の展望について、教えてください
白川:数値目標で言うと、5年後に売上1億2,000万円、人員規模20名以上を目指したいですね。売上の内訳としては、顧問料や決算料の割合を減らし、補助金などお客様の組織の支援に関する売上を増やして行きたいです。今は売上の9割以上が顧問料や決算料なのですが、お客様の成長につながるようなサービス提供を、もっと増やしていきたい。会計や税務の申告というより、その他の付加価値で勝負できる事務所にしていきたいです。
また、未来の顧客層を考えて、今後は20代後半~30代のお客様も獲得していきたいです。今、弊社のお客様の年代は僕の年齢に比例していて、40~60代が一番多くなっています。5年後、10年後のことも考えて営業しつつ、創業支援にも力を入れていきたいです。そういう分野こそ、若いスタッフに活躍してもらいたいですね。
5年後には、すべての事務所運営を若手に任せて、私は高知の田舎で毎日農業でもできたら最高ですね。
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大河原 祐司様
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芳賀 匡史様会計事務所 東京都 15〜39名
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