はぎぐち公認会計士/税理士事務所

導入事例

クラウド会計を通じて顧問先への価値創出にこだわり続ける

マネーフォワード クラウド公認メンバー

はぎぐち公認会計士/税理士事務所

萩口 義治様

クラウド会計を通じて顧問先への価値創出にこだわり続ける

はぎぐち公認会計士/税理士事務所

萩口 義治様

業種

会計事務所

都道府県

東京都

人数

5〜14名

利用サービス

  • クラウド会計・確定申告

2012年に創業。資金調達に強く、創業・スタートアップ支援に特化した会計事務所。14年から「マネーフォワード クラウド」を導入。効率化の結果、繁忙期を含めた毎月の残業時間を、月20時間未満に抑えることに成功した。クラウド会計を活用し業務を効率化したのち、会計人が提供するべき会計事務所の新たなビジネスモデルを提案する、税理士・公認会計士として活躍するはぎぐち公認会計士/税理士事務所の萩口氏にお話を伺いました。

目的

業務改善・効率化

解決策

マネーフォワード クラウドの導入

効果

業務の効率化
残業の減少
アップセル提案

サービスの基本は「財務」の目線で行う

事務所の理念や、大事にしていることなどがありましたら教えてください

企業理念としては

  • 従業員の物心をゆたかにする

といい、事務所の最上位の概念としています。そして、これを実現するために、以下の3つのミッションを掲げています。

  • 経営者の「世の中を変える」を支援する
  • それを支援することのできる会計人を育成する
  • 会計事務所の社会的役割を再定義する

はぎぐち公認会計士・税理士事務所の理念

そして、まずは私たち自身が「自分たちは何者なのか」ということを考え直す必要を感じています。その理由は、クラウド会計や自動記帳の機能が登場した結果、税理士の存在価値自体が変化し、今までどおりの仕事自体の価値もテクノロジーの進化とともに低下してきているからです。
昔は手書きの時代だったので、帳簿や申告書を作成すること自体が、職人技であり価値がありました。しかし今は、その仕事の大部分をITやAIがやってくれる。であれば私たち会計事務所は、他の「新しい価値」を提供していかなければ、単価は下がり続ける一方です。

 

「新しい価値」とは、具体的にどのようなことでしょうか

税務的なアドバイスはもちろんなのですが、それに加えて

  • 創業融資・追加融資の調達支援
  • 補助金(創業・ものづくり・事業再構築等)獲得支援
  • コロナ給付金等の情報提供と手続支援など

これらの財務的な支援に力を入れてきました。なぜなら、弊社には創業からの顧客も多いのですが、経済白書によると創業から3年を経たずに廃業してしまう会社や個人事業の割合は実に50%もあるのです。私たちは、まずは創業企業を継続企業にすること、そのためにはとにかく資金調達など財務面での支援が何より重要です。その結果、弊社の顧問先は95%以上が3年以上事業継続しているので、これは私たちの成果の実証だと考えています。
そして今、最もチカラを入れているのが、事業計画策定・進捗管理のコンサルティングです。

 

なるほど、どのようなサービスなんですか?

はい、まずは、世界観からお話すると、会計ってどうしても過去の領収証を集計したものが決算書というような、「過去の集計」として存在していると思うんです。会計の第一義的な目的は正に「過去の集計」なのでそれ自体は大切なことなんですが、私は、数字で未来を作っていきたい。それも過去の延長としての「未来予測」的な事業計画というのものではありません。「数字が未来を変えていく」というような世界観からの事業計画を策定し、進捗管理していくことで、過去からの延長としては手に入らないような未来を手にしていくというようなコンサルティングなのです。
このコンサルティングによって、多くの会社の業績が拡大しました。過去取引の集計をする会計事務所でなくて、会社の未来の業績に寄与する会計事務所って、いいと思いませんか。
このノウハウや、私の考え方について、今書籍化していて、日本経済新聞出版から「儲かる会社の『しゃべる数字』」という書籍が2022年12月13日に出版されました。中小企業の社長向けに書いたのですが、「数字は友達」という世界から、数字を利用してお金を増やそうよ、という本です。数字が好きな社長にもためになるし、数字が嫌いな社長は嫌いじゃなくなるような、読みやすくて、ためになる本に仕上がりました。

自分でなければならない仕事をしたくて税理士に

萩口先生のキャリアは公認会計士からスタートしていますが、税理士になったきっかけや考えについて教えてください

僕は公認会計士試験に合格した後、まずは多くの会計士が働く監査法人に就職しました。そこでは、会計監査を通じて決算書の全体像を俯瞰して問題点を突き詰めていく方法や、監査先である大企業の働き方や仕組みを知りました。社会人1年目から大企業の工場長や営業部長に話を聞ける機会は貴重ですし、職場の先輩方には業界をリードするような方々も多く、とてもいい環境で学ばせていただきました。
しかし、仕事の依頼は監査法人という組織に来るもので、自分の仕事がどこの誰に喜んでもらえているのか、実感が湧きませんでした。自分でなければできない仕事や、自分が直接世の中の役に立てる仕事を求め、監査法人を退職して税理士法人・コンサル会社で働くことにしました。

 

税理士として転職・独立するときにどのような苦労がありましたか

前職の監査法人が主に大企業と取引していたのに対し、税理士法人・コンサル会社の取引先はほとんどが中小零細企業で、前職の知識をあまり役立てられなかったことです。
前職では、国際会計基準(IFRS)や税効果会計など、上場会社の会計の知識・経験を積んだのですが、中小零細企業向けのコンサル業ではこうした知識や経験が求められていないことがほどんどでした。人脈を広げようと交流会に参加しても、中小企業のことをよく知らなかったため、社長たちとの話が弾まないこともありました。しかし諦めずにその後も交流会に参加したり、経営者と士業のゴルフコンペの主催を行ったり、起業家スクールで共に学ぶ仲間も増やしたり、中小企業のことを知り、また自身の人脈が拡大できるよう努力しました。

その後2012年に開業してからは、営業経験がなく、なかなか受注に結びつかないことに苦労しました。受注が増えてきてからは従業員を雇おうとしましたが、採用のノウハウがなく、ここでも苦労しましたね。
最初は「面接で何を聞いたらいいのか」というところから、手探りで進んでいました。従業員を雇った後もスタッフが定着しなかったり、苦労しました。当時は雇い主としての器や自覚がなかったのかもしれません。一人で士業をスタートさせて、独立して人を雇うところまで来ましたが、「本当に従業員を幸せにできているのか」と悩むこともありました。ここまで割と一通りの苦労を経験しながら、一歩一歩成長してきた気がします。

ただ、そうしていろいろな苦労をしてきたことや、勉強を続けていたことは役に立ちました。苦労してきた分、顧問先の皆さんにも共感できますし、アドバイスもできます。
また、公認会計士試験の前から経営やマーケティング、ブランディングなどの勉強をしてきたので、それが自分の会社に生きていると思います。採用や人事、人としてのあり方等も勉強してきたので、あらゆる困難を超えさせてくれたものといえば、勉強だと言えるかもしれません。
現在は、従業員の成長のための投資を旺盛にしていて、各人の勉強を会社が支援する制度を設けて、全職員で色々な勉強に取り組んでいます。現在では、中小企業診断士や、FP、採用定着士、ファンドレイザーなどの資格者がいて、さらに税理士はもちろん、社労士や、司法書士などの勉強をしているメンバーがいて、スタッフの進化も、それによる事務所の進化もすごく楽しみです。

萩口 義治

クラウド会計で業界が変わると思った

マネーフォワード クラウド会計の導入のきっかけを教えてください

「マネーフォワード クラウド会計」は2014年から導入しているのですが、そのきっかけは、関係者の方に紹介を受けたことです。そのとき「黒船が来た」と衝撃を受けましたね。
自社でも実際に使ってみたところ、作業がとても楽になりました。「時代はクラウド会計に移行する」と考え、積極的に導入して、普及活動の先頭に立っていこうと決めたんです。マネーフォワードのさまざまなイベントにも呼んでいただき、積極的に情報発信してきました。

 

使ってみて「楽だ」と思った部分は、どのようなところでしょうか

自動連携機能です。クレジットカードやネットバンクと連携すれば自動的に明細を取り込んでくれるので、便利ですね。顧問先の提出資料も減りますし。クラウド会計は、顧問先も僕たちも楽になるツールだと思います。顧問先に負担をかけないという点は、特にスマートだと感じますね。

 

税理士事務所での働き方や労働生産性について、どのような変化がありましたか

「マネーフォワード クラウド会計」を導入してから、とても効率化したと思います。ただ、最初の2年ほどはうまく効率化ができませんでした。
当時は従業員も少なく、「マネーフォワード クラウド会計」の使い方を教えるリソースがなかったからです。また、当時は経験者を積極的に採用していましたが、彼らもクラウド型ではなくデスクトップ型の会計ソフトに慣れていたため、そこも効率化に時間がかかった要因かもしれません。

そして「マネーフォワード クラウド会計」を導入しただけでは、効率化はしませんでした。クラウド会計が得意な部分と、人が作業すべき部分が、うまく切り分けられていなかったからです。
そこで、クラウド会計でできることや得意な作業を確認し、どんな作業ならクラウド会計に任せられるかを洗い出しました。そして、人が作業すべき部分と組み合わせて業務フローを作り直したときに、効率化するようになりましたね。

最早クラウド会計は税理士にとってのインフラだと思う

クラウド会計を使ってみて、感じたことを教えてください

最近は、クラウド会計が「あって当たり前のもの」として、インフラ化していると感じます。職歴の長い社員は、デスクトップ型の会計ソフトで手入力を経験していますが、近年の新入社員は、クラウド会計を使うことが前提だと思って入社してきます。
そのためか、手入力について「なぜこんなことをするのか」と感じる社員もいるようです。クラウド会計は、すでに新しい世代へと根付いているのでしょう。

こうした時代の変化も踏まえ、効率化を進めた結果、繁忙期である3月・5月でも、残業時間は平均して20時間未満で済むようになりました。その一方で、事務所の利益は過去最高を記録。とても働きやすい会社になったと思います。

また、早期にクラウド会計を導入していたおかげで、新型コロナウイルスの流行で緊急事態宣言が出る前に、テレワーク体制を整えることができました。これも、マネーフォワードによって、各種資料のデータ化が進んでいたおかげです。今もテレワーク体制は継続しており、より身軽に仕事ができています。

あとは、クラウド化して残業時間が減ったことで、会計人を育成するための勉強時間も確保しやすくなったと思います。
僕は、多くの事務所で顧問契約を安売りしていることが、税理士業界全体の課題としてあると考えています。安く多く件数をこなすのではなく、新しい付加価値を提供し、それに見合った報酬を頂くべきです。
そうすれば、一人当たりの顧問先が減る分、より価値あるサービスを提供でき、報酬ももらいつつ早く帰れる。そしてその分、勉強時間も確保できますよね。
弊社がこうした余裕を持てているのは、作業をクラウド化したからこそだと思います。
萩口 義治

税理士がもっと世の中から期待されるように

今後の展開や、注力していきたいことを教えてください

今後はこの業界において、税理士の付加価値を高めることに注力していきたいです。

例えば、今の顧問料の相場は月3万円ほどと言われていますが、例えば月10万円で受注できるだけの付加価値の高いサービスを業界として提供していけるようになれば、税理士業界で働きたいという人も増えてくると思います。
経営コンサルタントには月30万円、扶養内で働くパートさんにも月10万円払っている会社が、税理士に3万円しか払っていない。
私たちは、もっと付加価値を提供し、その価値を世に理解していただく必要があると思っています。

例えば、
①税理士が社長の脳みそを刺激しながら事業計画とそれに見合った行動計画を一緒に作り
②毎月数字のチェックだけでなく行動の進捗管理と今後の会社の行動について並走してくれる
そんなサービスを毎月うちは提供しているんですが、それで本当にクライアントの業績が上がるんだとしたら、会社はどのくらいの価値を感じてくれるでしょうか。私たちは、「数字のチカラで未来を変える」という世界観からこのようなサービスを始めていて、その手ごたえを感じつつあります。

今の時代にも必要とされる価値を提供し、適切な報酬をいただく。それによって、業界で働く人が増え、業界としてもよりよいサービス提供・価値提供が磨かれていく。
私たち税理士は、業界としても「コスト・義務」としての立ち位置から、将来の利益を増大させる「事業投資」であるという位置づけにシフトしたいですよね。

そのことに貢献できるなら、業界にも貢献することになりますし、その先のエンドユーザー企業の業績にも貢献することで、日本のGDPにも影響できるかなと考えています。

 

そうした目標を掲げつつ、今はどのような形で営業されていますか?

もともとやっている創業支援の分野は、既存客やパートナー士業からの紹介が多いですね。コロナ禍になり始めたオンラインセミナーも、だいぶ集客ツールとして確立してきました。
事業計画のコンサルの方は、コンサルってやっぱり何をするのかイメージが難しいので、まず45分の無料コンサルを提供することにしています。そこで何か前進があったり、発見があったら契約してくださいと案内しています。結果としては45分あれば、ほぼやりたいと言っていただけますね。

 

最後に、萩口先生個人の今後の目標を教えてください

個人としては、書籍の執筆もそうなんですが、「公の存在になる」ということを今のコミットとしています。今までは知り合いの紹介により、お客様を増やしてきましたが、より広くより深く、世の中に貢献したいと思っています。
そのために、本の執筆や、ツイッターnote等、不特定多数の方々に対して、自分の考えていることや経験を発信しています。
本も1冊目を書いている間に2冊目、3冊目で書きたいことが決まりました。そのためにもまずは、1冊目を成功させたいですね。すごく前評判が高く、本当に面白い本に仕上がったので、是非手に取って頂けたら、嬉しく思いますね。
儲かる会社の『しゃべる数字』」 日本経済新聞出版 (2022年12月13日)

 

マネーフォワード クラウド 公認メンバー制度

 

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