
導入事例
ITツール活用で高品質サービス提供体制を構築
マネーフォワード クラウド公認メンバー
目黒雅和税理士事務所
目黒 雅和様

平成30年(2018年)8月に開業。税務顧問や記帳代行だけでなくクラウド会計の導入による経理業務効率化の支援まで手がける。ITツールを活用し迅速に経営状況を把握し、早期の経営課題の共有により経営サポートしている。
目的
業務改善・効率化
解決策
マネーフォワード クラウド・STREAMEDの導入
Mykomon・DocuWorksの活用
人材の採用・育成
効果
職場環境の充実
目黒先生と目黒雅和税理士事務所について教えてください
開業前は、港区の事務所で副代表を務めていました。同世代の従業員も多く活気のある事務所でしたが、経営側にいる立場としては、業務効率化を図ることで事務所の収益構造の見直しが急務でした。その時に導入したのは、もう今では古いかもしれませんが「製販分離」による効率化です。その実現に向けて所内ルールを根本から見直し、新たに整備し、その仕組みを浸透させるためのITツールを導入し、運用メンテナンスをひたすら行っていました。同時期に、家庭の事情から子育てにより多くの時間を割くことが必要になったこと、以前より職住近接や地元回帰の考えをもっており、40歳の大台に乗ってからその考えが日増しに強くなり、自宅・地元と顧問先にアクセスが良い千葉県浦安市に事務所を構えることになりました。
現在の事務所は、業務委託スタッフ・パートスタッフも含めて9名体制です。それぞれ役割分担し、法人・個人・資産税の申告業務、起業時の融資支援・クラウド会計の導入、予実管理などのサービスを提供しています。具体的な役割として、私が「顧問先担当」「業務進捗管理」「自動仕訳ルールのメンテナンス」「申告書作成」「電子申告」を行い、業務委託スタッフには「顧問先担当」「自動仕訳ルールのメンテナンス」「申告書の作成補助」を依頼しています。パートスタッフには「元帳等の作成」紙証憑の自動記帳サービス「STREAMED」によるスキャンと「掲示板の対応」「給与計算」「月次監査」等を依頼しています。
独立開業時にマネーフォワード クラウドを選んだ理由について教えてください
まずは記帳代行・月次試算表の作成等の日常業務を「製販分離」による効率化を図る必要があり、そのためにも「マネーフォワードクラウド」の導入は必須でした。また、「自動連携」や「自動仕訳ルール」など利便性も急速に向上していたこともクラウド会計導入の決め手となりました。
私どもの事務所では、担当者が申告書作成まで一気通貫するのではなく、業務を上図の月次業務フローにあるように細分化し、それぞれのスタッフが持つ経験や能力に応じてお任せするようにしています。
実際に導入してみて、属人的な業務によるブラックボックス化を防ぎつつ、各工程で複眼的なチェックを行う体制により品質が高められていると感じています。また、クラウドの強みを活かして、在宅スタッフも活躍できる環境のため、コロナ禍で働き方への満足度も高めることができました。
マネーフォワード クラウドを導入して所内の業務効率化を進める上で工夫されたことはありますか?
主に工夫したことは3つあります。
1つ目は「マネーフォワード クラウド」の自動仕訳ルールを上手に活用することです。当事務所では、自動仕訳ルールの作成・修正できる人を資格者又は同等の経験のある人に限定しています。理由としては、自動仕訳ルールを上手に活用すれば大幅に作業時間を短縮することができますが、逆に仕訳の精度が落ちると修正やチェックの手間が増えるため逆効果になってしまうからです。
2つ目は「マネーフォワード クラウド」の掲示板機能を顧問先との連絡や資料の送付に活用することです。あらかじめ月次業務で必要となる資料リストや添付ファイルの名付けルールなどを掲示板に記載し、作業を行う際の手間や資料不足を極力減らす工夫をしております。また質問などがあれば双方向で気軽に掲示板を利用して連絡しています。また、顧問先から問い合わせが掲示板にアップされた時は、パートスタッフが即座に1次対応します。迅速にメッセージを確認し、後ほど担当者から回答する旨をすぐさま返信するとともに、所内チャットにて担当者とリアルタイムに顧問先の意図を共有します。顧問先からの質問をそのまま放置することなく、瞬間的に優先順位を判断するように心掛けています。顧問先としても1次対応があることで、回答を待つ間の不安が軽減されるようです。
3つ目は「マネーフォワード クラウド」と並行してさまざまなツールを積極的に導入することです。「マネーフォワード クラウド」を導入するだけでも、手入力と比較すれば大幅に業務効率化を図ることは可能でした。しかし、事務所運営という点では、サービスの質を向上させることは勿論ですが、同じくらい業務進捗管理が重要となります。そのため、業務管理ツールの「MyKomon」を導入することで細分化された業務ごとに進捗を可視化し、事務所全体の進捗管理が容易となりました。また、「DocuWorks」を導入することでペーパーレス化を実現し、電子データ上での添削管理することでプリントアウトの手間や書類の管理スペースコストの削減をすることができました。併せて在宅スタッフもプリントアウトの必要もなくなるので情報漏洩リスクも軽減できました。
新たにツールを導入する時に気を付けるべきポイントはありますか?
ツールを導入するときは、スタッフの方々へのハードルを上げすぎないことを心掛けています。新しいツールは覚えなくてはいけないことも多く、最初は活用できるか誰もが不安を感じるものです。そのため、導入後の効率化した業務の流れを具体的にイメージさせてあげる必要があります。
事務所全体で導入する前にまずは私だけが利用します。サポートセンターに何度も問い合わせをしながら使い方が上手に説明できるくらいまで使い倒します。その後、実際にデモンストレーションをしながらできるだけ分かり易く説明し、かつ操作性の向上を具体的に説明してどこかワクワクする感じを共有しながら導入し、現場からの質問に私が答えながら徐々にツールに対する理解を深めてもらいます。基本的な使い方が理解できたら、あとは質問先を私からサポートセンターに切り替え、習熟度をさらに高めていってもらうようにしています。
組織的な事務所経営を目指す中で、職員さんをどのように教育されてきたのでしょうか?
スタッフ採用を考えたときには、既に1人で30社くらい担当していました。そのため、スタッフの経験・能力に応じて研修を行えるほど余裕はありませんでした。自ずと出来上がったスタイルですが、電子データ上で業務ごとに作業メモを事細かに残していきました。月次作業であれば、例えば、月次減価償却費の計上額がどの帳票のどの欄と突合しないとけいけないのか、預り金の残高は納付書のどこの欄の金額と突合をしないといけないのかというメモです。それらのメモを参考に、まずはスタッフにはまず自力で作業してもらい、必要に応じて税務上の考え方や取り扱い・会計処理といった点をレクチャーしていました。
最初は戸惑い時間も掛かるのですが、数ヶ月もするとスピード感をもって対応してくれるようになります。ここで重要なのは、一人でやり切れたという経験を持ってもらうことです。ただ、無理に詰め込むことはせずに、「日々、1%成長」を事務所の行動指針として掲げており、ゆっくり成長していけば良いという雰囲気を作るように心掛けています。
私も含め、今働いているパートスタッフは全員が子育て中のため、家庭と仕事とのバランスを上手に取ってもらいながら、皆で協力しながら事務所運営を行っています。まだ若い事務所なので、事務所の業務自体も流動的なところもありますが、それぞれのスタッフの特性を見極めながら依頼する業務を選別するようにしています。
最後にマネーフォワード クラウドの導入を検討している会計事務所様へメッセージをお願いします
昨今の会計業界ではAIやRPAのような言葉をよく耳にして、焦りを感じていらっしゃる先生方も多いと思います。また、令和5年10月からは消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入されるなかで、税額控除等のチェックにおいては従来よりも作業工数が増えることが予想されます。その中で従来の人力での作業はスタッフの疲弊や苦しみしか生まず、どこかで必ず方向転換が必ず必要となります。その解決の糸口としては、マネーフォワード クラウドのような自動仕訳機能を実装している会計ソフトを導入し、証憑はSCANによりペーパーレス化し、今後のテクノロジーの進歩にも期待するところはありますが、そのSCANデータをOCRで読込みこませて完全自動仕訳化(税額控除判定も含む。)していくことで省エネ化する方向だと思います。
私は開業するにあたって準備期間があまりなく、クラウドソフトの導入や業務効率化が待ったなしで取り組まざるを得なかったため大変な思いをしましたが、私のようなケースを除けば少々のゆとり時間やちょっとした覚悟があれば始められることではないかと思います。
今思い返せば懐かしいですが、開業時は寝る時間も惜しみこれらの導入に時間を費やしました。今は開業して3年目を迎えたところですが、業務効率化が一定水準まで達したため、週末は基本的に休みが取れるようになりました。最近では、週末に子供達と近くの畑で野菜作りに精を出すなど仕事以外にも時間を使うことができるようになったことは大変意義深いことです。
最後に、マネーフォワード社の営業サポートについてお伝えしたいと思います。当時は、顧問先で金融機関連携がうまくいかず、社長や経理担当者の前で冷や汗をかくような場面が多々ありました。その度営業の方やサポートセンターの方々が助け舟を出してくれたおかげでピンチを切り抜けたことが何度もあり、とても感謝しています。このような場面を共に経験した営業の方々とは、ある種の信頼関係に近いものを感じています。
導入に際して色々思案することもあるでしょうが、まずは下駄を預けるつもりで一歩踏み出されてみてはいかがでしょうか。
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