導入事例
14店舗を抱える飲食業の月次作業15時間が5時間に
マネーフォワード クラウド公認メンバー
税理士法人アクセス
米本 貴久様
2004年3月設立、2012年に法人化。サービス開始当初からマネーフォワード クラウドを導入するも、なかなか活かせていない状況が続いていた。2017年に100件以上の記帳代行先にマネーフォワード クラウドの導入に成功。
目的
業務改善・効率化、製販分離
解決策
マネーフォワード クラウドの導入
付加価値業務
ITを活用した製販分離
効果
米本様は「クラウド推進事業部」でいらっしゃるんですね。弊社には「クラウド推進部」という組織があるので、とても親近感をおぼえます(笑)
その部の方にもよくお会いしています(笑) 御社同様、クラウドを活用して業務促進をかなえるための組み立てと実行をする部署です。さらに言えば、完全クラウド型の会計事務所になるための事業部です。
この部署の立ち上がりはいつでしたか
この部署名での立ち上がりは、2017年10月です。僕が月次資料をつくるのが得意というか、圧倒的な速さで仕上げていたのが創設のきっかけです。僕の作業方法は先にデータを作っておいて、後から会計ソフトにインポートして一気に吸わせるというもので、ほかの職員が数十時間かかっていたものを、僕は 1、2時間程度で完了させていました。それで、僕のやり方が、よりマッチしそうな「マネーフォワード クラウド会計」を活用して、全社的なスキームにできないかという話が持ち上がったんです。
「マネーフォワード クラウド会計」の導入も2017年だったのですか
いえ。2014年と聞いています。「『マネーフォワード クラウド会計』で、やるんだ!」と 20件の記帳代行先を強制的に変えたものの、結局その年の申告は以前から使っていたインストール型の会計ソフトで行っていたようです。僕が入社したのは導入後でしたが、月次でも「マネーフォワード クラウド会計」を使っていたのは1割未満。導入から 2年くらい、ほぼ活かせていない状況が続いていたことになります。
そこからどのように進んでいきましたか
半年で 100件以上になりました。全部記帳代行のお客様です。もともと製販分離を進めていて、入力業務を委託先に出していたので、顧問の主担当に承認を取ることから始めていったんです。委託先に発注するときは、「業務改善チャット」という、委託先と僕と顧問の主担当のグループチャットを通して行うように依頼しても、知らない間に発注されていたりして…。個々で直接発注しないように意識を持ってもらうところが大変で、3ヶ月はそんな感じでした。
それで、ボリュームが多い、つまりコストがかかっているところから順番に切り替えていきました。しかし、切り替え当初は、月次は「マネーフォワード クラウド会計」、報告資料はインストール型の会計ソフトでと担当者の希望があるので、移し替えの手間がかかっていましたね。この頃は、「ヨネクス」という社内通称の僕の一人部隊でした。そんな進め方をしながら、全体会議で発信し続けることもしながら、だんだんと「ここ、ヨネクスでいきたいです」という話が出るようになりました。そのうち、大阪事務所や京都事務所のリーダーも応援してくれました。今では「クラウド推進事業部」という事業部になり、来期経営方針の中では「記帳代行は全件、自計化先でもできるだけ『マネーフォワード クラウド会計』にする」と宣言され、クラウド推進事業部の組織計画ではパートさんを5〜6名まで増やし、よりクラウドに特化していくことになりました。
クラウド会計をなかなか活用できない会計事務所の方からポイントを聞かれたら、米本様のご経験から何とアドバイスされますか
「クラウド思考」になって、はじめて業務効率化を実現できますよ、ということですね。「会計ソフトは入力するもの」「クラウド会計ソフトを導入すれば楽になれる」と思っていたら、きっと進まないはずです。データを組み立てていくのが「クラウド会計」の醍醐味なので。パズルにたとえたら、台紙が「クラウド会計」で、ピースが「現金出納帳」や「ネットバンキング預金口座の自動連携」や「給与データの自動連携」や「STREAMED」などです。
「クラウド思考」とは下準備と捉えれば良いでしょうか
けっこう広いというか奥というか、データの入手経路やコミュニケーション手段も含めて、いかに速く・確実に・みんなで使えるものにしていくかということです。メールでも電話でもなく、チャットで連絡する。郵送ではなく、インターネット上のストレージサービスにアップして、そのありか(URL)をチャットで送る。そういう一つひとつのオペレーションが、既存のプロセスで当たり前とされていた、待ち時間、手戻り、確認の時間を減らすので、どんどん最終工程が前倒しされていく。そういう思考の総称という意味で、「クラウド思考」という言葉を使っています。
月次が縮まった事例をお聞かせいただけますか
15時間と、かなり頑張って効率化されていると言っても良いような、14店舗展開されている飲食業のお客様は 5時間になりました。それに、部門(店舗)別損益も出せています。やったことは、クレジットカードや 30冊ある通帳のうちの 8割を自動連携させたこと。それから、請求書を受け取った順にエクセルに、〇〇店、いつ、どこに、いくらと縦に打ち込んでもらうこと。などですが実際は特殊なエクセルシートを使うわけでもなく、今まで経理事務の方が作成されていたエクセル資料にひと手間加えただけというものが多いですね。その中で経理事務の方にも「いらないものはいらない」とお伝えし、先方も効率化が図れるようにしています。
取引先ごとの買掛管理をしているということですか
そうですね。買掛金の未払いをシンプルにしたかったんですよ。末締めで、15日払いか 25日払いの 2回に分けてまとめて払う格好です。部門別かつ科目データがあるので、ちょっと加工するだけで買掛金の残管理もできますね。この作業も15時間の中に入っています。
業務効率化の先に、今後米本様が手掛けていきたいことはありますか
会計業界に革命を起こしたいですね。まだ言えないですけれど、飲食業向けの究極のお値打ちプランを考えています。飲食店の経営者は、「請求書は明日頑張って売り上げたら払える」みたいな考えの、どんぶり勘定の方も多いと感じます。それで経営者がよく分かっていない間に、キャッシュ不足で、あるいは、キャッシュはなんとか回っていても営業利益が出ていなくて支払えなくて、お店がつぶれてしまうこともある。そういう飲食店をなくしたい。そのために、会計データを活用できるようなインフラを整えたいと思っています。そうすることで1人でも 1,000件を超えるような飲食店と関わることができると考えています。
米本様の情熱は伝わりました。会計業界の革命という部分について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか
「クラウド会計」が進めば、どうしても「記帳代行」が無価値化してしまうと思うのです。そして今の会計業界は、その記帳代行で報酬を得ているところも多いと思っていて、生き残るためには革命というか革新が必要ですよね。商品・サービスを根本から変えるような。代表の鈴木がよく言っているのですが、「作業で悩むな、提案で悩め」、まさにこれです。僕は、飲食店のお客様向けのインフラをつくり、大量のデータから価値ある提案を行っていきたいと思います。
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