
導入事例
試算表がゴールからスタートに、変化するお客様ニーズに合わせた価値提供を実現
マネーフォワード クラウド公認メンバー
井上公認会計士事務所
代表・井上哲寿様/松本勇様

井上公認会計士事務所
代表・井上哲寿様/松本勇様
2012年に開業。新規創業者や若手の経営者の支援に注力し、全体の約8割のお客さんの会計業務をクラウドで対応。捻出した時間で予実管理や再生支援等の付加価値の高いサービスを提供。
目的
業務改善・効率化
解決策
マネーフォワード クラウド・STREAMED・Manageboardの導入
効果
・業務改善・効率化
井上先生と井上公認会計士事務所様について教えてください
元々、私は公認会計士として東京の監査法人で上場企業の監査業務に携わっていました。当時は充実感もありましたが、監査業務の性質上、誰かから感謝される機会が少なく、自分が役に立っているという実感が持ちづらいと感じていました。また、いつかは生まれ育った山形で、地元に貢献したいという想いもあって開業に到りました。
当時は自宅の一室からスタートして、現在ではオフィスを構え、全員で12名になりました。弊所の特長は20~30代の職員が大半を占めており、税務顧問のお客様も、新規創業者や若い経営者の比率が高い点です。そのおかげもあり、約8割のお客さんがクラウド会計をご選択されており、業務効率化を図りながら、税務以外の予実管理や再生支援、経営のアドバイザリーなども行っています。
業界内では従業員様の平均年齢が低いと思うのですが、組織作りで工夫されていることはありますか?
クラウド化を進めていく上で、ITに対して抵抗の少ない若い人材を採用したいと思っていました。そのためには、若い方達の立場に立って、「こういう場所で働きたいな!」と思ってもらえる環境を作る必要がありました。どうしても地方の会計事務所だと、自宅兼用の事務所が多くなりがちですが、敢えてオフィスを借りて、環境を整えることでモチベーションに繋がるような職場づくりを心掛けました。その他の施策として、自社のホームページで経営理念を強く打ち出し、理念に共感してくださった方を採用するようにしたり、フレックスタイム制を導入し、資格の取得を後押ししたりと社内外から魅力を感じてもらえるように努めています。
事務所の経営理念や大事にしていることはありますか?
『世界一のNO.2』を経営理念として掲げ、お客様のニーズに合わせて変化し、お客様の成長に貢献できる存在でありたいと思っています。この理念は2年ほど前に、事務所の職員で合宿を開催して、みんなで考え抜いて決めました。大規模な事務所では難しいかもしれませんが、自分たちで考えたことで、職員一人ひとりが当事者意識を持つことができ、理念が浸透しているのだと実感しています。
この理念をもとに大事にしていることが、お客様のニーズを徹底的にヒアリングすることです。もちろん税務顧問であれば、帳簿や申告書を作って税務申告をするのが根幹になりますが、実はやろうと思えばそこから多種多様なことができます。創業したばかりのお客様であれば、身近な相談役に、数年経って事業が軌道に乗ったお客様であれば経営の参謀役というように、求められる役割も異なります。特に会計事務所が初めてというお客様には、何で相談しようと思ったのか、何でうちの事務所に興味を持ってもらえたのかから伺っています。最初に聞いておくことで、お互いにとってミスマッチを減らすことにも繋がるので徹底しています。
ヒアリングしたニーズをもとに、財務諸表を見て報告するだけじゃなくて、お客様と一緒にどうしたら売上が上がるか考えたり、多少税務の範囲外の相談であってもできる限りで対応したりと、当事者意識を持って接している職員の姿勢を見ていると、時間を取って考えて良かったと思います。
理念の実現に向けて、マネーフォワード クラウドはどのような効果がありましたか?
月次決算の締めが早くなり、お客様に早く現状を数字と共にお伝えできるようになったことで、これまでゴールだった試算表の完成が、スタートになりました。したがって、先ほどの通り、お客様と売上を上げるためには何が必要で、どういった施策を行うべきかを一緒に考えたり、財務諸表の見方や分析方法をお客様に教えたりする時間が生まれました。お客様の事業が軌道に乗って、業績数字に興味を持ってもらえるようになると、Manageboardを使って、予実管理サービスの提案をすることができるようになります。値上げと聞くとネガティブに聞こえるかもしれませんが、自分たちが提供できる価値を上げながら、単価を上げていくことは事務所自身の成長、顧問先の成長、双方にとってとても大事なことだと思っています。
それに伴って、所内の業務に対する価値観も変わったと思います。これまでは、日々の取引を正しく手入力することも価値あることでしたが、マネーフォワード クラウドを活用し、付加価値の高い業務に挑戦する中で、通帳やクレジットカードの明細を、手入力する時間がもったいないという意識に変わりました。実際に、事務所内で「通帳を手打ちしているんですか?」という声も聞かれたり、時々通帳の手入力を依頼したりすると少し嫌がられることもあるくらいです(笑)
もちろん、明細の自動取得や自動仕訳ルールの利便性を理解していないと、お客様にご説明することもできないので、従来の手入力の業務も教えるようにしています。
井上公認会計士事務所様では、所内・お客様問わず、マネーフォワード クラウド会計以外にも多くのプロダクトをお使いいただいていると思うのですが、導入する上で工夫していることや苦労した点を教えてください
マネーフォワード クラウドと言っても様々なプロダクトがあるので、最初から多くのプロダクトを理解していたわけではありませんでした。例えば、マネーフォワード クラウド請求書・経費・年末調整などはお客様からのご要望があって初めて勉強しました。しかし、勉強といってもサポートページを見るだけでは限界があったので、事務所内で導入して実際に使うことで理解していきました。同時に、所内でオリジナルのマニュアルを作成して、お客様にもお渡ししていました。
しかし、お客様のニーズに合わせて突発的に事務所内の経理の業務フローを変更しなくてはならないので、移行に苦労することもありました。経費精算の方法も半強制的に切り替えたので、職員には苦労をかけたこともあったと思うのですが、経営理念に共感し、柔軟性を持っていた職員だからこそ乗り越えられたのではないかと思います。
日々の業務をこなしていると、将来を見据えて「このプロダクトを勉強しよう」という動きは生まれづらいと思います。会計業界に限った話ではないですが、目の前にニーズがあるから応えられるように一生懸命習得していったという感じです。最近でも、新しい機能がリリースされると営業担当の方が教えてくださるので、キャッチアップしてお客様にもご案内するようにしています。
井上公認会計士事務所様の今後の展望を教えてください
今後、山形を中心に、地方を盛り上げる存在になりたいと思っています。最近若い経営者の方とお話をしていて意気投合するのが、地方の参入障壁の高さです。地方は住民同士だけでなく、ビジネスにおいても古くからの結束が強いのが特徴です。ビジネスにおいて信頼関係は大事ですが、かえって新規参入しづらくなってしまうこともあります。今後、地方が発展していくためには若い人達が挑戦しやすい環境を整えることが重要です。私たちは会計や税務の側面から、挑戦する人たちを応援していきたいと思っています。地方で事業を始める人が増え、将来的に東北からも日本を代表するような企業が誕生したら良いですね。
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