税理士にとって、独立とは今後のキャリアにおいても大きな転換点です。ゆえに成功のためには、入念な準備が必要です。
税理士が独立開業をするための準備には、税理士試験合格から税理士登録申請を経て開業準備に至るまで少なくとも2年以上はかかり、必要資金は一般的に200万円程度であると言われています。
本記事では、これから開業を検討する方や開業直後の方に向けて税理士試験に合格してから独立開業に至るまでの期間の流れを全て解説いたします。
目次
税理士事務所を独立開業するまでの流れは?
税理士として独立開業するためには、以下のステップを踏むことが一般的です。
税理士資格を取得するには?
税理士資格を取得するためには、日本税理士会連合会の税理士名簿に登録しなければなりません。登録を受けるためには、以下のいずれかに該当する必要があります。
- 税理士試験に合格した者
- 税理士試験を免除された者
- 弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)
- 公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)
なお、1および2に該当する場合には、通算2年以上の実務経験も求められます。
税理士試験に合格する
弁護士や公認会計士資格を持たない人が税理士登録を行うためには、まず税理士試験に合格しなければなりません。税理士試験に合格するためには、定められた全11科目のうち、必修科目を含んだ5科目の合格が条件とされています。
税理士試験は年に一度、7〜8月ごろに開催されており、令和4年度の受験者数に対する合格率(一部科目合格者を含む)は19.5%とされています。
また、税理士試験では科目免除制度が設けられており、一定の要件を満たすことでいくつかの試験科目の免除を受けることが可能です。具体的には、特定の大学院での単位取得や修士論文の執筆などが必要となるため、科目免除制度の内容を正しく理解したうえで、活用を検討しましょう。
なお、税理士試験における科目免除制度については、別記事で詳しく解説していますので、ぜひ以下のリンクをご参照ください。
2年間の実務経験を積む
税理士登録を行い、税理士として活動するためには、税理士試験に合格するとともに、通算で2年以上の実務経験を積む必要があります。なお、実務経験に関しては、実務経験として認められる業務とそうでない業務があるため、注意が必要です。
たとえば、仕訳処理や財務諸表の作成、決算手続きなどは実務経験に含まれますが、パソコンを使った単純な入出力業務など、簿記会計の知識がなくても対応可能な業務については、実務経験には含まれません。
また、複数の勤務先で実務経験を積む場合には、実務経験期間の計算方法にも注意しましょう。特にパートやアルバイトなどの非正規雇用期間がある場合や、実務経験に該当する業務とそうでない業務が混在する場合には、「積上げ計算」によって実務経験の時間数を集計しなければなりません。
上記の実務経験の証明にあたっては、勤務先から発行を受けた「在職証明書」を提出します。一般事業会社での勤務期間を実務経験としてカウントする場合には、「在職証明書」に加えて「職務概要説明書」の提出が求められるケースもあります。
なお、税理士登録に必要な実務経験に関しては、別記事で詳しく解説していますので、ぜひ以下のリンクをご参照ください。
税理士登録申請をする
税理士試験に合格し、2年以上の実務経験を積めば税理士登録の申請を行うことができます。登録申請の際には
- 税理士登録申請書
- 住民票の写し
- 身分証明書
- 誓約書
- 在職証明書
などを提出しなければなりません。また税理士登録の際には面接が必須となっており、申請書類に記載された内容に誤りがないかどうか確認されます。登録申請に必要な書類を準備し、税理士会へ申請書を提出しましょう。
開業資金を貯める
事務所の賃借や従業員の必要性などで開業資金も異なりますが、200万円程度は準備するケースが一般的です。税理士事務所に勤務し、実務経験を積みながら開業資金も蓄えましょう。また税理士事務所での勤務は、事務所の経営ノウハウに触れることができ、顧問先の代表者とのコミュニケーションでは経営者の生の声を吸収する貴重な機会となります。税務の知識や開業資金だけでなく、経営ノウハウを蓄え、さらには人脈を広げられると独立開業を成功させるための大きな助けとなるでしょう。
開業に向けた具体的な準備を進める
税理士登録が完了し、開業資金にも目途がついたら、開業時期や開業場所、備品の購入など、具体的な準備を始めます。また開業に向け、必ず自己分析を行うようにしましょう。特に自らの強みを知ることで、開業後の事務所のコンセプトやターゲットとなる顧客層、料金体系を決定する上での重要な手がかりとなります。
独立開業の成功に向けて必要な準備は?
独立開業を決意した場合には、開業に向けて以下の準備を行いましょう。
立地選定と物件探し
まずは事務所の開業場所を決めなければなりません。事務所を賃借する場合にはエリアを選定し、物件探しを行います。なお、自宅開業の場合や自らが顧問先を回る業務形態であれば、事務所の賃借が不要となるケースもあります。
また物件選びの際には、単に立地や部屋の条件だけでなく、開業後の利用方法を具体的にイメージしましょう。たとえば「来所型」をメインで考えるのであれば、顧客が車や公共交通機関を利用して来所しやすい環境にあるのかどうかを重視しなければなりません。あるいは「訪問型」の事務所運営であれば、営業エリアを踏まえ、自分が動き回る際に利便性のある環境を選ぶべきです。実際の物件や周辺環境をチェックすることはもちろん、開業後の業務形態を意識して物件を探すことをお勧めします。
必要な資金を確定させて調達する。必要があれば融資の申請を
後述する初期費用だけでなく、毎月の固定費も含めて準備すべき事業資金をシミュレーションします。自己資金が不足し、外部からの資金調達が必要な場合には、創業融資を受けることも検討しましょう。たとえば日本政策金融公庫の新創業融資制度の場合、開業後2年以内の事業者を対象に、無担保・無保証での融資を行っています。制度上、自己資金は融資額の10分の1以上とされていますが、実務上は融資希望額の2〜3割程度の自己資金を準備する必要があります。融資申請を行う際には、申込書や創業計画書を作成し、日本政策金融公庫へ提出しましょう。
税理士会への登録とツールの整備
税理士として独立開業する場合には、税理士会での登録区分を「開業税理士」へ変更する手続きが必要です。「開業税理士」への変更は個人事業主となることを意味し、税務署へ開業届を提出し、開業後の事務所収入は事業所得として確定申告をすることになります。
また、開業後に使用する会計・税務ソフト、パソコンの購入など、業務に必要なインフラ整備を進めましょう。会計や税務ソフトに関しては、「パッケージ型」と「クラウド型」の2種類あります。前者が手入力での処理スピードに長けているのに対し、後者は預金口座や請求、給与システムなどと自動連携できる点が特徴です。開業後の業務内容やターゲット層などを踏まえ、自分に合ったソフトを選びましょう。
またパソコンに関しては税理士の商売道具となるため、価格よりも性能で選ぶことをお勧めします。ただし業務ソフトの中にはMac非対応のものも多いため、Macで動かすためには動作環境を整えなければなりません。特にこだわりがない場合には、Windowsを選ぶのが無難でしょう。
人材採用をする場合、採用媒体を手配する
従業員を雇用する場合には、以下のような求人媒体の検討も必要です。
- ハローワーク
- 紙媒体の求人情報誌
- 求人サイト
- 検索エンジン
- 人材エージェント
ハローワークは厚生労働省による無料の職業紹介サービスであり、多くの企業が利用しています。即戦力や地域に根付いた求人を行いやすいことが特徴です。またフリーペーパーや折込チラシなどの紙媒体での求人の場合、地域を絞った募集がしやすく、比較的主婦層やシニア層の求人に向いています。現在ではリクナビやマイナビのようなWebでの求人サイトが主流となっており、Indeedのように求人情報に特化した検索エンジンも利用できます。料金体系はサービスによって異なりますが、掲載料やクリック課金、成功報酬などの費用負担が一般的です。
また専門職に特化した人材紹介サービスもあり、これらのサービスを通じて税理士業界や経理経験のある人材をピンポイントで採用することも可能です。
このように求人媒体によって特徴はさまざまであるため、自身の求人内容に合ったものを選択することが重要です。また事務所家賃と同様に人件費も固定費となるため、資金計画をしっかりと立てた上で、雇用すべきかどうか慎重に判断しましょう。
税理士事務所を独立開業するためにかかる費用・開業資金は?
開業時に考慮すべき費用としては、一時的に発生する「初期費用」と定期的に発生する「ランニングコスト」があります。
結論を先にお伝えすると、税理士事務所を開業する場合、開業資金としては200万円程度を用意することが好ましいです。しかし、事務所の形態によって、必要な資金は大きく変動するためご注意ください。
後述する費用の詳細な内容を確認しながら、自らの開業計画をしっかりと立て、必要な開業資金を計算しましょう。
賃借料やオフィス備品
事務所を賃借する場合は、敷金や仲介手数料が初期費用として発生し、以降もランニングコストとして家賃が発生します。
追加のコストがほとんど発生しない自宅開業を除くと、事務所の開業場所については、以下の2つのパターンが挙げられます。
・レンタルオフィス
レンタルオフィスは、事務所や会議室、共用スペースを貸し出すビジネスサービスです。
ネット回線や什器も揃っているため、初期費用を抑えて事務所を開業しやすくなります。
・賃貸事務所
事務所を賃借する場合には、敷金や仲介手数料が必要です。地域などによって異なりますが、一般的には50万円程度が目安になります。賃借料については、立地などによっても上下するため、事務所としての在り方を考慮したうえで、最適な開業場所を選定しましょう。
パソコンや事務机などの備品が必要な場合は、およそ20万〜30万円が相場となります。また、複合機などの大型のオフィス機器を導入する場合には、開業資金などの状況に基づいて、購入とリースのどちらが適切か検討するとよいでしょう。
税理士登録費用
日本税理士会連合会には全国15カ所の税理士会があり、さらに各税理士会には支部会が設置されています。税理士登録の際には、開業地の税理士会だけでなく、支部会にも所属する必要があるのでご注意ください。
開業に併せて初めて税理士登録する場合、税理士会への登録費用として合計で11万円が必要となり、さらに所属地域の支部会への入会金として3〜5万円かかります。
なお独立開業前から「所属税理士」や「社員税理士」として登録済みで、開業に合わせて「開業税理士」へと区分変更する場合には、5,000円の手数料負担のみで変更が可能です。また入会金とは別に、自身が所属する税理士会および支部会の双方に対し、年会費として毎年10〜15万円を支払わなければなりません。
会計ソフト代
開業にあたって、会計や税務ソフトの購入が必要となります。会計ソフトは5〜10万円、税務ソフトは10〜15万円程度が一般的な相場です。なお近年ではパッケージ型だけでなくクラウドサービスも主流となっており、その場合には月額利用料として毎月数千円の負担となります。
マーケティング費用
マーケティング費用は、具体的な集客手法によって変動します。
たとえば、事務所のホームページ制作を外部へ委託する場合は、30万円前後が相場です。
そのほかにも、名刺やチラシ、ロゴデザインなどを外注する場合には、10〜20万円程度の追加資金が必要です。
開業にあたっては、開業後の具体的な集客方法やツールを想定し、それぞれに必要なコストを漏れなく予算に組み込むことが重要です。
独立すると収入はどうなる?開業税理士と所属税理士の年収を比較!
独立開業を検討するにあたって誰もが気になるのは、開業前後での収入の変化です。所属税理士が「給与収入」であるのに対し、開業税理士の場合には「売上」であるため、単純比較はできませんが、開業を検討する際にご参考ください。
所属税理士の平均年収
厚生労働省の「令和3年度賃金構造基本統計調査」によると、企業規模が10人以上の企業に勤める公認会計士および税理士の給与年収は平均599万円となっています。なお上記には公認会計士も含まれていることを考慮すると、「所属税理士」では約400〜500万円前後、取締役に相当する「社員税理士」では約900万円前後が平均値であると考えられます。
開業税理士の平均年収
開業税理士の平均年収は2,000~3,000万円程度と言われていますが、その一方で年収500万円以下の割合も大きいと考えられます。つまり独立開業したからといって高収入が約束されるものではなく、収入状況に大きなばらつきがあることが伺えます。
税理士が独立開業するメリットは?
収入面以外にも、独立開業には以下のようなメリットがあります。
現役で働き続けることができる
独立開業を行うことで税理士自らが経営者となるため、「定年退職によって現役を引退する」という概念がなくなります。自分自身が健康である限りは生涯現役で働き続けることができ、年齢を重ねたあともまとまった収入を得ることが可能です。
しかし開業税理士として成功すれば長く現役で居続けることができる一方で、経営が立ち行かなくなった場合には自らの事務所をたたまなければならないケースもあります。
また定年退職がないとはいえ、市場環境の変化や年齢的な衰えなどにより、将来的に第一線を退くことを決断しなければならない場合もあります。そのような場合には、自らの後継者探しについても計画的に準備を進めることが重要です。
税理士が独立開業するデメリット・リスクは?
業務への責任が増す
税理士が独立開業する場合、自由度が高い代償として、業務への責任は重くなります。所属税理士であれば勤務先の後ろ盾がありますが、開業税理士は顧問先や従業員への責任を自分で背負っていかなければなりません。
また、自らが経営者となることで、自分と同じ立場の人が周りにおらず、周囲に相談しにくい場合には、開業税理士としての精神的な負担も増えやすくなるでしょう。
収入の安定性が下がる
独立開業することにより、収入アップの可能性が高まる一方で、開業直後は安定した収入を確保するまでに時間がかかることが一般的です。
したがって、独立開業後は効果的な集客活動を行い、できるだけ早く安定した顧客基盤を築くことが重要であるといえるでしょう。
税理士が独立すべきタイミングや年齢はある?
独立開業を行う適切な時期を判断することは容易ではありません。ここでは、国税庁から公表されている税理士試験合格者の傾向をもとに、独立開業のタイミングについて解説します。
どのくらい事務所に勤務すべきか
下図は令和4年度における税理士試験受験者の年齢分布を表したものです。「41歳以上」の占める割合が約4割にまで達していることが分かります。
試験合格後、直ちに独立開業するとは限らないことを考慮すると、実務経験としては10〜15年程度、40〜50歳代で開業するケースが一般的であると考えられます。10年以上にわたる勤務経験を通じて、税務知識だけでなく、経営ノウハウをひとつでも多く吸収することが重要です。
経歴によって変わる独立開業のメリットや注意点とは?
税理士事務所での勤務経験がある場合
税理士事務所での勤務経験がある場合、それまでの実務経験を通じて培った専門性の高さを存分に活かせることが最大のメリットといえます。
ただし、勤務時代と開業後ではターゲットとなる顧客層が異なるケースも多いため、開業後の顧客像に合ったサービスを再構築することも重要です。
また、勤務時代の経営方針や業務フローの影響を受けやすく、無意識のうちに事務所づくりに関する先入観が形成される可能性もあるため、注意が必要です。
税理士事務所での勤務経験がない場合
税理士事務所での勤務経験を経ず、一般事業会社などの実務経験のみに基づいて開業するケースも少なくありません。
一般事業会社での勤務のみで開業する場合、会計や税務に関する対応実績は少ない一方で、ひとつの会社におけるバックオフィス業務に深く携わった経験を活用したり、特定の業種に絞ったサービスを提供したりすることで、自らの強みに転換しやすくなるでしょう。
また、弁護士や公認会計士などの資格によって税理士事務所を開業する場合も同様に、開業後の自己研鑽によって税理士業務での実績不足をカバーしつつ、法務や会計面での専門性によって差別化を行うことが効果的です。
独立開業時に成功するために必要な要素とは?
自らの得意領域の把握
税理士登録者数が年々増加する中で安定した収入を得るためには、競合する他の事務所に対して差別化ポイントをつくることが重要です。
そのためには税理士としての得意な領域を明確にし、自らの強みを確立することが求められます。具体的には対象顧客をベンチャーやスタートアップ企業に絞ったり、医業や飲食業、不動産業などの特定の業種に特化したりすることも効果的です。また事業承継や経営支援など、業務内容の観点から得意分野を選択することも可能です。
これらの情報を整理するうえで、「顧客に対してどのように付加価値を提供できるか」について検討し、税理士としての強みや事務所としての経営戦略を構築しましょう。
入念な市場調査
税理士業務において、顧客は自らの重要情報を税理士へ提供する必要があります。インターネット環境やリモートワークが普及した現在においても、何かあればすぐに会えるように近場の税理士へ依頼するケースが少なくありません。
事務所を開業する際には、開業地周辺にある他の税理士事務所の特徴や、近くに分布している企業の業種などを事前に調査し、自分自身の強みやターゲットとなる顧客層と合致しているのかどうかについて慎重に検証することが重要です。
顧客獲得のための営業力
新規顧客を獲得するためには営業活動を行わなければなりません。開業税理士として、集客ができなければ収入を得られないため、まずは営業力を身につける必要があります。営業力を強化するためには、単に「トーク力」を鍛えるだけでなく、相手のニーズを引き出す「ヒアリング力」や、それを適切に解決する「提案力」を磨きましょう。また対面での営業活動の他に、ホームページやブログを活用したWeb集客も有効です。Web集客を軌道に乗せるためには、定期的な更新や読み手を意識した情報発信が必要不可欠となります。
適正な顧問料の設定
顧問料などの料金設定も非常に重要です。顧問料が高すぎれば顧客獲得は難しくなり、安すぎれば顧客を獲得できたとしても、自身の労働量に見合った対価が受け取れず肝心の利益が残りません。特に顧問契約については、中途解約などがなければ継続するため、ときには足かせとなってしまいます。たとえば、格安の顧問料で契約を結んだことにより自分の労働力が消費され、他に受けたい案件があっても余裕がなくて受けられないケースが挙げられます。
根拠のない値下げはせず、サービス内容に合った適正な料金設定を心掛けましょう。
独立開業後、顧問先獲得のための効率的な営業方法とは
先述のとおり、開業税理士にとっては集客のための営業活動が必須となります。税理士の営業としては、以下の方法が一般的です。
ホームページ・ブログ集客
ホームページやブログ運営を行う税理士事務所が増加しています。これらの媒体を通じて事務所の強みや料金設定などを発信し、潜在顧客へ訴求します。
税理士マッチングサイトの活用
税理士専門のマッチングサイトを活用すれば、税理士を求めるユーザーを検索し、直接交渉することができます。サイトによって月額料金や成果報酬の有無などが異なるため、利用する際には料金設定を確認しましょう。
SNSの活用
税理士業界は年齢層が高いことから、TwitterやインスタグラムなどのSNSやYouTubeなどの動画配信サービスを活用している税理士はさほど多くありません。そのためこれらの媒体を効率的に活用できれば、競合他社と差別化を図ることも可能です。
また、SNSの活用は集客面だけでなく、職員を採用する際にも大いに役立ちます。
実際にSNSを活用して採用を進めている事務所も増えており、事務所の理念や職場の雰囲気を発信する手段としても活用する余地があるでしょう。
事例から学ぶ開業前後の苦労話や成功体験
税理士事務所を開業する場合、基本的な準備の流れや手順などは同様ですが、開業場所や事務所形態など、さまざまな要素によって注意すべき点や具体的な手法も変わります。
開業にあたっては、自らの事業環境や経営目標に近い事例から、成功体験や苦労したことを参考にし、自分自身の事務所経営に役立てることも重要です。
年齢や営業エリアなど、それぞれの背景をお持ちの先生方の事例をぜひご覧いただき、ご自身の独立開業にご活用ください。
独立前の万全な準備で不安をなくし、税理士として新たな一歩を
今回は独立開業に向けて準備すべきことについて解説しました。開業前の準備が成功への第一歩となるため、売上や資金計画をもとに準備を進め、開業税理士としてのスタートダッシュを切れるように取り組みましょう。
よくある質問
税理士の開業資金はいくら必要?
事務所の賃貸が必要かどうかなど、開業時の条件によって異なりますが、一般的には200万円程度を準備することが望ましいでしょう。
独立開業後の平均年収は?
開業税理士の場合、その収入金額には大きな格差があります。平均収入としては2,000万円~3,000万円と言われていますが、一方で500万円以下の割合も大きいと考えられます。
独立開業前には何年の実務経験が必要?
税理士登録のためには2年以上の実務経験が必要ですが、独立開業前の実務経験としては10年前後が一般的と考えられます。