セブンセンス株式会社

導入事例

「会計事務所が使いやすいから、顧問先に導入できる」創業55年事務所の取り組みとは

マネーフォワード クラウド公認メンバー

セブンセンス株式会社

小長谷 昭文様

「会計事務所が使いやすいから、顧問先に導入できる」創業55年事務所の取り組みとは

セブンセンス株式会社

小長谷 昭文様

業種

会計事務所

都道府県

静岡県

人数

100名以上

利用サービス

  • クラウド会計・確定申告
  • STREAMED

1970年創業、2019年に旧アイクスグループと旧東京税経センターグループが統合して誕生したセブンセンスグループ様。
AIやクラウドの活用を積極的に進め、業務の効率化にとどまらず、中小企業支援の質の向上や、会計業界の魅力向上にも取り組んでいます。
直近では、「マネーフォワード クラウド会計」を250社以上導入しています。
今回は、「STREAMED」や「マネーフォワード クラウド」をどのように導入し、活用されてきたのか。その背景にある課題や思いについて、セブンセンス株式会社代表の小長谷様に詳しくお話を伺いました。

目的

業務改善・効率化、製販分離

解決策

マネーフォワード クラウド・STREAMEDの導入

効果

業務効率化・品質向上

「変化を恐れず、楽しむ」“セブンセンス”に込めた価値観

事務所のご紹介を兼ねて、理念や大事にしていることを教えてください

私たちのグループ名「セブンセンス」には、組織としての価値観が込められています。
人間が持つ五感に「第六感(シックスセンス)=直感」を加え、さらにもう一つ大切にしたい感覚、それが「ユーモア(Humor)」です。
ここでいうユーモアとは単なる笑いのことではなく、仕事におけるやりがいや達成感、仲間と共に働く楽しさのこと。そうした“心のゆとり”を持ちながら、誇りをもって仕事に取り組む文化を大切にしています。
グループのロゴも、この「ユーモア(Humor)」という概念を象徴的に表現しています。
また、静岡に根差した50年以上の歴史のなかで最も重視してきたのが「変化し続けること」と「チャレンジを止めないこと」。
それを言語化したのが「チャレンジing×チェンジing」という現在のグループ理念です。時代の変化に柔軟に対応し、自らも変化しながら前に進む。セブンセンスという名前自体が、そうした姿勢を象徴しています。

入力しない体制を追い求めて、たどり着いた課題

「STREAMED」や「マネーフォワード クラウド」導入前に抱えていた課題を教えてください

旧アイクスグループでは2006〜2007年頃から、ペーパーレスや分業による業務効率化に積極的に取り組んできました。社内のシステム環境を整え、「社内で仕訳を入力しない体制」を築くべく、記帳業務のアウトソーシング化を早期に進めていました。
一時は中国に合弁会社を設立し、8~9割の記帳業務を現地で処理していたこともありました。しかし、通信遮断リスクなどを考慮し国内BPOへの移行を決断。その後は、自社開発の自動仕訳ツールを使い、記帳作業の自動化を図ってきました。
このツールは、過去の仕訳履歴をもとに金額や勘定科目を推測し、マッチ率を星で表示するなどの工夫も施していました。しかし、税制改正や軽減税率・インボイス制度など外部環境の変化に伴う改修が困難で、開発リソース不足という限界もありました。

人への依存と品質のばらつきを解消する手段として

「STREAMED」導入のきっかけを教えてください

「すべてを内製でまかなうのは、いよいよ難しいかもしれない」そう感じていた折、偶然目にした雑誌広告で「STREAMED」の存在を知りました。
特に課題だったのは「人への依存」と「品質のばらつき」。目視での確認、仕訳登録、インポートといった工程に属人性が残り、作業品質も安定しにくい状況でした。
「STREAMED」の機械学習によるデータ化と仕訳提案機能、学習による精度向上に強く惹かれました。
現在では、アップロード担当、仕訳登録・確認担当、会計ソフトへのインポート担当という分業体制を整え、効率と品質の両立を実現しています。

決め手は「会計事務所にとって使いやすい」こと

「マネーフォワード クラウド」を導入されたきっかけも教えてください。

クラウド会計が一般化する前、ERPという言葉が少しずつ浸透し始めた頃から、私たちは「会計は目的ではなく手段」と考えるようになりました。中小企業支援にどう役立てるか、その視点が大切だと感じていました。
いくつかのERPツールを試す中で、「会計事務所にも扱いやすく、中小企業にとっても導入しやすいクラウド型ERP」として「マネーフォワード クラウド」が候補にあがりました。段階的に導入を進め、最終的に選択するに至りました。
その理由はシンプルで、「会計事務所にとって使いやすい」から。たとえば、業歴の長い顧問先は業務フローの変更に慎重です。そんな中でも私たち事務所側が工夫しながら吸収できるツールであることが、非常に重要なポイントでした。
紙資料を預かり、すべてをデータ化する体制がもともと整っていたため、マネーフォワードの導入によって大きな混乱が生じることもなく、スムーズに移行できました。
また、導入を後押しした大きな理由の一つが、「人」でした。担当者の皆さんが非常に誠実で、どんな相談にも真摯に向き合ってくださる。その姿勢に信頼を寄せています。

“まずはやってみる” 少人数から始めた導入推進

どのように導入を進めていったのでしょうか?

導入プロセスにおいては、最初から全社展開するのではなく、まずは少人数のメンバーでテスト運用をスタートしました。
「STREAMED」や「マネーフォワード クラウド」は、操作が直感的で、ヘルプやサポートコンテンツも非常に充実しているため、初期メンバーには「自分で調べて、まずは試してみる」スタンスで取り組んでもらいました。
同時に、“社内Wiki”のようなナレッジ共有ページを整備。操作マニュアルやルール、ちょっとした注意点などをまとめた「社内向けのトリセツ」を公開し、誰でも迷わず参照できる体制を構築しました。
これは、チーム内の教育コストを下げるだけでなく、業務の属人化防止にもつながっています。
さらに、マネーフォワード社からの支援も非常に心強いものでした。集合研修や動画学習コンテンツ、ヘルプページの整備など、多角的なサポートが提供される中で、特に社内の習熟度向上に役立ったのが「マネーフォワード クラウド検定」です。
単なる座学やマニュアル学習にとどまらず、「受験日程」や「合格ライン」を設定することで、社員の学習モチベーションが維持されやすくなりました。
この業界には「試験との相性が良い」真面目な人材が多く、検定合格を目指すプロセスが自然とツール理解に結びついた点も、導入定着の大きなポイントだったと感じています。

導入で大変なことはありましたか?

最も苦労したのは、顧問先の意識を変えてもらうことです。特にネットバンキング連携など、環境整備が必要なケースでは「ツール導入のために無理を強いている」と思われないよう細心の注意を払いました。
過去、自計化推進の名のもと巡回監査や記帳指導を行っていた時期がありましたが、結果的には「その場で仕訳を打つ」だけの形式的な運用に終始し、本質的な自計化には至りませんでした。
そうした経験もあり、今は「経営者と話すこと」にこそ時間を使い、記帳代行を中心としたスタイルに舵を切っています。その分、ツール導入で顧客に負担をかけることに慎重にならざるを得ませんでした。
現在では、新規顧客に関してはクラウド前提での運用を基本とし、専門部門を立ち上げるなど、新たな導入体制を整え始めています。

「『STREAMED』を見ればだいたいわかる」品質のばらつきを解消

「STREAMED」導入後、どのような変化がありましたか

導入によって、業務の進め方やチーム間の関係性、品質管理において、目に見える変化がいくつも生まれました。
まず大きかったのは、作業の“同時進行化”が進んだこと。「STREAMED」では納品ステータスが可視化され、処理の順番やスケジュール管理がしやすくなったことで、「今この時間にできる作業」を柔軟に選べるようになり、全体の生産性が向上しました。
また、「STREAMED」の学習機能を活用することで、これまでベテラン社員の頭の中にあった暗黙知が、仕組みとして形式知化されたことも非常に大きな成果です。
「この領収書はこう仕訳する」という判断基準がチーム全体に展開され、結果として業務品質の標準化が進みました。「『STREAMED』を見ればだいたいわかる」という状態が整ってきています。

中小企業の「経理担当者の退職」の不安を解消

「マネーフォワード クラウド」導入後の変化についてはいかがでしょうか。

導入後に特に効果を実感したのは、顧問先が退職に直面した際の業務の安定化です。たとえば、ある取引先企業では経理担当者が「2ヶ月後に退職予定」と告げられたタイミングで、「マネーフォワード クラウド」シリーズを中心としたツールの導入を一気に進めていただきました。
弊社は一部業務を代行する形で関与していましたが、導入後は、毎日張り付いてサポートする必要がない程度の工数で、安定的に支援を継続できています。その結果、先方では担当者が不在になっても業務が滞ることなく、経理体制を維持できました。
「マネーフォワード クラウド」の活用によって、従業員の退職や離職といった突発的なリスクに左右されず、本業に集中できる経営環境の構築に寄与しています。中小企業にとって「人がいないこと=業務が止まる」という不安から解放される意義は大きく、経理体制の柔軟性と持続性を実現する一つの成功モデルとなっています。

中小企業にも会計業界にも、価値を届ける3つの軸

今後の展望について教えてください

セブンセンスグループとしての今後の展望は、3つの軸を中心に描いています。
1つ目は、AIをはじめとする先端テクノロジーの活用推進です。
進化のスピードが著しいAI領域において、私たち自身が試行錯誤を重ねながら成果を上げ、その知見を業界や顧客と共有していくことが重要だと考えています。
2つ目は、中小企業支援のさらなる深化です。
税務や会計にとどまらず、経営全体を視野に入れた「現実的かつ持続可能な変革支援」に重きを置き、“中小企業フレンドリー”な伴走を目指しています。
3つ目は、会計業界そのものの魅力を高めることです。
未来の人材にとって「この業界は面白そう」「やりがいがある」と思ってもらえるような発信や仕掛けを、これからも積極的に行っていきたいと考えています。

“何を実現したいか”を起点にツールを選ぶ

これから導入を検討している会計事務所へのメッセージがあれば教えてください

現在は、ツールの選択肢が非常に多く、どれを選ぶべきか迷われている方も多いのではないかと思います。
だからこそ、私たちが強くお伝えしたいのは「ツールはあくまで手段である」ということ。まずは、「何を実現したいのか」「どんな課題を解決したいのか」を明確にすることが何より重要です。
そのうえで、「マネーフォワード クラウド」は、会計事務所と中小企業の双方にとって非常にバランスが良く、扱いやすいツールであると自信を持っておすすめできます。
変わるべきタイミングは、すでに何度も訪れています。コロナ禍、DX推進、ChatGPTの登場……そのたびに「変化の必要性」が叫ばれてきました。
今こそ、会計事務所が自ら変革に挑むべきタイミングです。そして、その一歩は、ツールに触れてみるという「小さな行動」から始まると思います。
私たちもまだ道半ばですが、これから共にこの業界をよりよくしていこうとする皆さまと、一緒に歩んでいけることを楽しみにしています。

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