導入事例

紙の山も、預かる不安も手放せる。若手社員が広げる年末調整のクラウド化

税理士法人CWM総研
杉田 一真様、田口泰成様、宮井さんご様

税理士法人CWM総研

杉田 一真様、田口泰成様、宮井さんご様

業種
会計事務所
都道府県
埼玉県
事務所人数
15〜39名
利用サービス
  • クラウド給与

年末調整の時期になると、事務所には申告書の束が積み上がっていく——。多くの会計事務所で見慣れたこの光景を、税理士法人CWM総研様はマネーフォワード クラウドの活用によって大きく変えつつあります。

「送付準備に2日」「書類未提出・不備の督促」「給与情報の手入力」「拠点間の情報連携」といった課題に対し、給与から年末調整までのシステムを一元化。現場主導でルールを策定しながら年内に約40件のクラウド年末調整の導入を果たし、大幅な業務効率化を実現させました。
「お客様に向き合う時間を生み出したい」という創業以来の理念を胸に、いかにして現場を巻き込み、業務改革を成功させたのか。代表の杉田様、実務担当の宮井様、監査担当の田口様にお話を伺いました。(※以下、文中敬称略)

目的
業務改善・効率化、属人化・計算ミスの防止
解決策
マネーフォワード クラウド給与・年末調整の導入
効果
業務効率化 / ペーパレス /

「人・もの・金」の悩みに寄り添う|創業から変わらぬ理念と、組織のかたち

事務所のご紹介を兼ねて、大切にされている考え方から教えてください。

杉田:創業して45年、私で2代目になります。当時はまだ手作業で試算表を作っていて、数字を出すだけでも喜ばれた時代でした。
ただ、経営者の悩みは会計や税務だけにとどまりません。人のこと、お金のこと、事業のこと——実に多岐にわたります。そのすべてに一番近いところで寄り添えるのが会計事務所だと思っています。だからこそ、税務会計にとどまらず、総合的に経営のお手伝いをしたい。創業時から変わらず大切にしている考えです。

どんなに効率化やAIが進んでも、最後は「信頼できる人に相談したい」という気持ちが残ります。同じ答えでも、誰から言われるかで受け取り方は変わります。会計事務所には、むしろその部分がこれまで以上に求められていくはずです。

そのお考えは、日々の体制にも表れているのでしょうか?

杉田:はい。当事務所は大宮と東松山の2拠点を構えており、大宮は監査を、東松山は実務を中心に担っています。お客様と面談する監査担当と、会計や年末調整などの実務を担う担当を分ける「製販分離」を進めています。監査担当が、お客様と向き合う時間を少しでも多く持てるように、という狙いです。

加えて、年末調整や確定申告のような季節業務にはプロジェクトチームを別で置き、現場主導で業務改善に取り組んでもらっています。会計事務所の業務はどうしても属人化しがちです。そうなると、せっかくのノウハウが会社の財産として横にも下にも伝わりません。
そのため、土台となる業務フローは経営側でつくり、日々の見直しは現場に任せています。そうすることで一人ひとりが主体性を持って、より良い形へと改善を進めてくれます。マネーフォワード クラウド給与やクラウド年末調整の導入も、このプロジェクトチームが推進してくれました。

代表の杉田様
代表社員 杉田 一真様

送付準備だけで2日|紙の年末調整が抱えていた4つの課題

従来、年末調整業務はどのように行っていましたか。

宮井:以前は、従業員の方から紙の申告書を提出してもらい、事務所の年末調整ソフトで計算していました。ただ、その進め方には、大きく4つの課題がありました。「紙の申告書の送付の手間」、「未提出者や不足資料の督促」、「給与情報の手入力」、そして「拠点間での資料の連携」です。

宮井:まず、申告書の送付ですが、各従業員の氏名や住所があらかじめ記載された申告書を印刷し、会社ごとに仕分け・封入して、他社の資料が混ざらないようダブルチェックして送付していました。年末調整をお受けしている顧問先様は約300件、従業員数は平均10名と考えると、申告書は3,000人分にのぼります。

杉田:夜間にRPAで印刷を回すなど、自動化の工夫はしていたのですが、それでも2日がかりでした。そしてRPAも、ソフトの仕様が変わるたびにメンテナンスが必要となり、直せるのは限られた担当者だけ。自動化したつもりでも、結局は運用面で人に依存してしまい、効率化には課題が残ったままでした。

送付準備だけでそれだけの時間がかかっていたのですね。2つ目の「未提出者や不足資料の督促」は、申告書の回収にまつわる課題でしょうか?

宮井:そうですね。期日までに出していただけない顧問先様にはこちらから督促していました。届いた後も「控除証明書が足りない」といったやり取りが、毎年のように続いていたんです。

回収した申告書の入力に加え、給与情報も手入力されていたのですね。

田口:はい。給与計算を引き受けていない顧問先様では、従業員の方の給与明細を集めて、年末調整ソフトに手入力する必要がありました。しかも通常、給与の情報は月次の資料と一緒にいただくのですが、12月分だけは年末調整に間に合わせるため、先行してご提出をお願いしなければなりません。これを毎年お願いするのも、負担のひとつでした。

4つ目の「拠点間での資料の連携」は、監査担当と実務担当で拠点が分かれているから発生していた課題でしょうか?

田口:はい。紙の資料は、業務を担う東松山拠点にすべて集まります。すると大宮拠点の監査担当が「あの方は今年ご結婚されたはずだが、それが申告書に反映されているだろうか」と気になっても、現物が手元にないため、東松山拠点に確認しなければ、状況が分かりませんでした。

CWM総研_田口様・宮井様
左:田口 泰成様 / 右:宮井 さんご様

現場が提案し、会社が発信する|業務改善を前に進める「体制と役割」

マネーフォワード クラウド導入の検討は、どのように進めたのですか?

宮井:きっかけは、これまで使っていた給与ソフトのサポート終了でした。給与ソフトの切替えが必要となる中、年末調整業務も見据えるとマネーフォワード クラウドで合わせて乗り換えが必要だと考えました。そのため給与の担当も交えて相談し、給与計算・年末調整業務のいずれも「マネーフォワードにしたい」と所長に提案しました。

最終的な決め手は何だったのでしょうか?

杉田:各業務のソフトがつながっていること。これが何より重要でした。会計だけ、給与だけを部分的に切り替えても、効果は限られます。給与から年末調整、会計までがつながって、はじめて本当の効率化になる。先ほどの送付や回収、転記といった負担も、突き詰めれば「紙」と「バラバラのシステム」から来ています。そのため選択肢は自ずと限られていきました。

マネーフォワード クラウドは、お客様の効率化支援ですでに一部の顧問先様で使用していました。「これは効率化できる」という手応えがあったため、揃える先として迷いはありませんでした。そのため他社と比較することもなく導入を決めました。

現場からの提案を、所長が承認する。そういう流れなのですね。

杉田:はい。業務改善のプロジェクトチームには、「どんなツールを使えば楽になるか」を検討し、提案してもらうようにしています。実際に業務を回している現場のほうが、何が使いやすいかを一番分かっているからです。

そのうえで、進めるかどうかの判断と、全社への発信はトップの役割です。現場が「これがいい」と選んで発信まで現場任せにすると「慣れたものを変えたくない」という空気が出てしまいます。だから会社としての決定事項として私から打ち出しました。現場の提案を、会社の意思として発信する。そこは意識して分けています。

クラウド年末調整の導入は顧問先様にも影響があると思いますが、ご案内に苦労しませんでしたか?

田口:それが、思ったほど大がかりな説明は必要ありませんでした。事前にクラウド給与を導入していた顧問先様については、年末調整もその延長で使えることを理解いただけました。
Webの給与明細と同じ流れで年末調整の案内が届き、入力していただくだけ。顧問先の社長に対しては、「これからは、従業員の方から会社へ源泉徴収票の再発行を頼まれることもなくなりますよ」と、楽になる話としてお伝えしたところ、前向きに受け止めていただけました。

若手社員が牽引|少人数で密に進める。カギは「走りながら整える」

実際の切り替えは、タイトなスケジュールで進めたと伺いました。

宮井:はい。7月にマネーフォワードの導入が決まり、そこから一気に進めました。年末調整に間に合わせるために、まずはクラウド給与の切り替えを優先して進めました。

8月にお客様へ案内し、11月までにクラウド給与の設定を完了、そして11月からクラウド年末調整の利用を開始しました。ただかなりタイトなスケジュールだったため、導入先も優先順位をつけて進めました。結果として年内に約40件、クラウド年末調整への切り替えを完了できました。

一部の顧問先様だけクラウド年末調整を利用する状態では、従来のやり方と混在して、現場が混乱しませんでしたか?

宮井:そこは、いちばん気をつけたところです。クラウド年末調整を使うと、紙のときとは業務の進め方そのものが変わります。しかも当時は、マニュアルも業務フローもまだ整っていなかったため、このまま一斉に進めてしまうと、確実に混乱するだろうと分かっていました。
そのためまずは、クラウド年末調整に切り替える顧問先は、実務担当3人に絞りました。少人数なら、密に情報共有しながら進められると思ったからです。

進め方としては、最初に私がマニュアルのたたきを作り、それを他の2人に渡して、実際にやってみてもらいました。分からないところが出てきたら、その都度質問してもらって、そのやり取りを反映しながらマニュアルを更新していく。
業務フローも同じで、最初から完璧を目指さず、大枠のたたきだけ用意して、実際に運用する中で「こういう場合もあるのか」と気づいた点を、一つずつ埋めていきました。
そうやって3人で手順を固めながら、走りながら型をつくっていきました。

送付準備がほぼゼロに|書類を預かる不安からも解消され、大幅な時間短縮を実現

導入して、実際に何が変わりましたか?

宮井:まず大きかったのが、申告書を配る手間です。メールアドレスを事前に回収できている方へは、画面上の操作だけで送付が完了します。書類の印刷から仕分け、封入まで、従来2日かがりで準備していた送付作業がほとんどなくなりました。

もちろんメールアドレスをお持ちでない方や、ご高齢で操作が難しい方は、これまで通り紙で対応しているので、すべての作業がなくなったわけではないのですが、それでも、紙で扱う量を大幅に削減できたことは大きな変化です。

宮井:そしてもうひとつ大きかったのが、書類を預かる必要がなくなったことです。以前は控除証明書などの現物をお預かりして入力し、終わればお返ししていました。入力の間も、ほかの方の資料と混ざらないよう、常に気を配る必要がありました。それが今は、画面を開けばその場で確認でき、手続きもそのまま画面上で完結できます。この安心感は本当に大きいです。

作業時間としては、どのくらい変わったのでしょうか?

宮井:正確に測ったわけではないのですが、クラウド給与・年末調整を導入した先は、1件あたりの年末調整にかかる時間が体感として4割ほど減ったと感じています。

杉田:特に規模の大きい顧問先様ほど効果は大きいと感じています。担当者が「150名を超える会社の年末調整が、一瞬で終わった」と驚いていました。クラウド給与も連携しているため、以前のように給与明細を集めて入力し直す、といった手間もありません。

田口:監査を担当する立場でも助かっています。お客様から問い合わせをいただいても、以前は現物が手元になく、すぐにお答えできませんでした。
それが今は、ログインすればその場で状況を確認することができます。日々の対応がずいぶん楽になりました。

宮井:正直に言うと、導入する前はどれだけ楽になるのかイメージしきれていませんでした。システムが連携すれば楽になる、というのは何となく分かっていたつもりでしたが、実際に自分で構築して、使ってみることで、「本当にここまで楽になるのか」と実感することができました。頭で分かっていたことが実感に変わり、それが仕事のやりがいにも繋がりました。

目指すのは、効率化の先|お客様と「向き合う時間」をつくるために

元々の課題を解消し、業務の効率を上げられたのですね。そうして生まれた時間を、今後どのように使っていきたいとお考えですか?

杉田:一番やりたいのは、やはりお客様と深く向き合うことです。単なる数字の報告にとどまらず、人・お金・事業といった経営の悩みにじっくり寄り添う。結局は、創業以来大切にしてきた「経営全体に寄り添う」という原点に立ち返ることだと思っています。
そのためにも、私たちが目指しているのは年末調整だけの効率化ではありません。給与計算、請求書、経費精算までバックオフィス全体を同じ仕組みでつなげ、私たちの業務も、お客様の業務も効率化していく。そうして生まれた時間で、より一層お客様と向き合い、深く寄り添うことにつなげていきたいですね。

会計事務所さま向け サービス資料3点セット
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