申告内容の訂正方法

確定申告制度は、税務署から税額を通知されるのではなく、納税者が自ら税額の計算を行い、申告・納税する制度です。したがって、確定申告書の提出後に申告内容の誤りや記載漏れに気付くこともあります。しかし、誤りの内容、訂正するタイミングによって、訂正の対処法は異なります。また、訂正を行うことで罰則が生じることもありますので、しっかりとポイントをおさえましょう。

確定申告の期限前に訂正する場合

提出した確定申告書を、期限前に訂正することを「訂正申告」といいます。法定申告期限日の3月15日(土・日曜および祝日の場合は翌日)以前の訂正は申告手続きを行った税務署で比較的簡単に対応してもらえます。

訂正申告は、最初に提出したものと同じ様式の確定申告書の再作成が必要です。控えを見ながら内容を転記して、間違った箇所を修正した申告書を作成してください。最後に、訂正申告書だとわかるように、確定申告書1枚目の上部に「訂正申告」、余白欄に訂正前の申告年月日と訂正前の申告税額を朱書きで加えます。新しい申告書と訂正の内容を証明できる書類を添えて再提出します。確定申告期限内であれば、何度提出しても、日付の一番新しい最後に提出した確定申告書が正式なものとして受理されます。

e-Taxを利用して申告データを送信・提出した場合は、オンライン画面上で訂正が可能です。e-Taxソフトを利用している場合は、以下の手順で訂正データを送信しましょう。

1. 「申告・申請等一覧」画面から再送信するデータを選択します。
2. 訂正する帳票を開き、内容を訂正した後で、「作成完了」ボタンをクリックします。
3. 「別名保存確認」画面が表示されたら、「申告・申請等名」欄に30文字以内で入力・保存します。
4. 「署名可能一覧」画面から再送信するデータを選択し、電子署名を付与します。
5. 「送信可能一覧」画面から送信します。

出典:e-tax 問い合わせページ|期限後に気付いたら

法定申告期限日を過ぎた後で訂正を行う場合は、以下の2つのどちらに当てはまるかによって手続きは異なります。

納税額が多かった、または還付額が少なかった

申告した納税額が多過ぎた、もしくは還付額が少な過ぎたといった誤りに気付いたら、「更正の請求」という手続きを行います。更正の請求書と訂正の事実を示す書類を税務署へ提出して認められれば、払い過ぎていた税金や、不足分の還付額が還付されます。更正の請求は、法定申告期限から5年以内であれば手続きが可能です。手数料や罰則はありません。

なお、平成23年12月2日以前に法定申告期限が到来する国税については、法定申告期限から1年以内が提出期限となります。

納税額が少なかった、または還付額が多かった

申告した納税額が少な過ぎた、もしくは還付額が多過ぎたといった誤りに気付いたら、「修正申告」という手続きを行います。この場合、速やかな対応が必要です。税務調査や税務署からの指摘を受けた後に訂正をすると、新たに納める税金の他に過少申告加算税や延滞税等が発生します。さらに、修正前の申告に仮装や隠ぺいなど、悪質と判断される内容があれば、重加算税も課せられることになるので注意しましょう。

修正申告を行うには、確定申告書のB様式と修正申告書を作成して、税務署へ提出します。新たに納める税金は、修正申告書を提出した日に納付しなければなりません。

修正申告による影響

修正申告をすると生じる新たな課税などについて詳しく理解しておきましょう。

過少申告加算税

税務調査や税務署からの指摘によって修正を行った場合は、過少申告加算税が課せられます。つまり、税務調査や指摘以前に自主的に修正申告を行った場合は、過少申告加算税はかかりません。
過少申告加算税は、修正申告によって新たに納める税金の10%に相当する金額です。ただし、新たに納める税額が50万円を超えている場合、その超える部分の金額は15%の割合になります。

無申告加算税

期限後に行った確定申告に対する修正申告の場合、どんなケースであっても無申告加算税が課せられます。新たに納める税金のうち、50万円以下は15%相当額で、51万円以上は20%相当額です。ただし、税務調査前に自主的に修正申告を行った場合は、5%の割合に軽減されます。

延滞税

法定納付期限日から完納日までを対象期間として、新たに納付する本税に対して延滞税が計算されます。修正申告を行った日の翌日から2ヶ月以内に納めれば延滞税の税率は年2.6%で、2ヶ月を越えると年8.9%の割合となります。
※平成30年1月1日から平成30年12月31日の期間の場合

また、期限日から1年以上経過したのちに修正申告を行った場合、法定申告期限内および法定申告期限後に行った確定申告の提出日から修正申告書の提出日までの期間は、延滞税の計算対象期間から除外されます。しかし、重加算税が課されていないことが条件です。

重加算税

申告内容に仮装や隠ぺいの事実が認められた場合は、過少申告加算税と無申告加算税に代わり、重加算税が課せられます。過少申告加算税に代わり、納付する重加算税は税金の35%相当額です。また、無申告加算税の場合は、納付する税金の40%相当額となります。

訂正を防ぐためには

できることなら煩わしい訂正や、加算税等の支払いもしたくはありません。どうすれば訂正を防げるのでしょうか。
例えば、医療費控除・生命保険料控除の適用漏れ、経費の計上誤り、売上計上基準の相違といった訂正の原因は、日々の処理に紛れていることが多いです。

確定申告書を作成する前に、会計処理や決算書類の内容を精査し、申告に必要な項目をチェックリストにして、訂正を発生させない対策をお勧めします。

参考:
確定申告を間違えたとき|所得税(国税庁)
当初、提出した申告データに誤りがあり、訂正したいのですがどうすればいいですか。(e-Tax)

関連記事:
確定申告の期間と期限
確定申告に必要な添付書類(場合別)

監修:高木 健太郎 (税理士)

税理士法人ナレッジラボ 代表社員
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