
記入例を見ながら確定申告書を作成する場合、意外なところで戸惑ってしまい記入する手が止まってしまうことがあります。そのような時でも確定申告書を記入することができるように、ポイントをまとめてみました。
確定申告書の基本情報 記入例に関するポイント

(出典:平成26年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引きpdf|国税庁HP)
確定申告書の第一表表面から記入し始めて最初に疑問に思う箇所は、自分の所轄税務署がどこなのかという点ではないでしょうか。自分の住所を管轄している税務署は、下記のサイトから簡単に調べることができます。
参考:税務署を調べる|国税庁HP
また、住所は原則として住民票の住所を記入します。
(又は事業所 事務所 居所など)という選択肢や記入例を見て、法人用の用紙なのかと思うことがあるかもしれませんが、確定申告書Bは事務所や事業所がある個人事業主も使用する様式なので、このような記載になっています。
また、単身赴任をしている場合の住所ですが、住民票を単身赴任先としている場合はその住所を記入しますが、住民票を異動していない場合は、単身赴任前の住民票の住所を記入します。それぞれ記入した住所を根拠に所轄税務署が決定することになります。
現在の住所とは別に1月1日時点での住所を記入するのは、住民税に関係があるからです。現在の住所は管轄の税務署を決定するための情報で、1月1日時点での住所は住民税を納税する市区町村を決定するための情報となります。
1月2日にA市からB市に引っ越した場合、1月1日時点の住所はA市となるため、A市の住民税を納付することになります。
屋号と雅号ですが、個人事業主の確定申告を兼ねているために記入枠が設けられているものです。記入例に「国税商店」と記載してあるため、個人商店や事業を営んでいる場合の項目であることがお分かりいただけると思います。
屋号は「個人事業の開業届出書」に記入することで登録することができます。雅号は特許庁の商標法に従って登録手続きを行なうことになります。屋号も雅号も持っていない場合は、空欄のまま提出することになります。
「世帯主の氏名」の欄には以下のような場合にはあなた自身が世帯主となるので、自身の氏名を記入し、続柄は「本人」とします。
・一人暮らしで未婚の場合
・住民票の住所に自分しか住んでいない場合等
しかし住民票を実家から移していない状態で一人暮らしをしている場合は、実家の世帯主の氏名を記入する点で注意が必要です。
「翌年度送付不要」の欄に〇をつけると、その次の年から確定申告の案内の用紙は送られてきません。電子申告をする場合は紙での案内は不要ですので「○」を付けると、不要な書類が送られてくることはありません。
その他記入例や計算で気を付けるポイント
確定申告書Aの第一表と第二表、確定申告書Bの第二表は「確定申告書」とあらかじめ印字してあるにもかかわらず、確定申告書B第一表のみ納税者自身で記入する必要があります。
確定申告書A 第一表

確定申告書A 第二表

確定申告書B 第一表

確定申告書B 第二表

これは「修正申告書」として使えるように空欄にしてあるためです。
確定申告書Aでは修正申告することができないため、確定申告書Bの第一表のタイトルを変更できるための措置がとられているのです。
また「寄附金」の「附」は「付」が一般的だと思いますが、税法上で「寄附金」と定義されているため、それに倣った形になっています。
確定申告の計算は四則演算である加算減算乗算除算ができれば問題ありませんが、ごく稀に「%」のない電卓があります。復興特別所得税は基準所得税額の2.1%となるため、「%」表示のある電卓であれば、「基準所得税額×2.1%」で求めることができます。
「%」表示のない電卓の場合、「基準所得税額×0.21」だと21%になってしまうので注意しましょう。正しくは「基準所得税額×0.021」となります。
まとめ
確定申告の記入例を見ながら記入していても、いざ自分に置き換えると疑問に思う点が出てくることがあります。
あるいは記入例を隅々まで読んで理解しないと正しい申告書を作成出来ないのではないかと不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。
しかし記入例はあくまで記入例であるため、あまり深追いしてしまうと確定申告作業が捗りません。よほど大きなミスや勘違いをしない限りきちんと申告することができるので、落ち着いて記入することを心がけましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。