【税理士が解説】初心者でも安心!青色申告ソフトで確定申告

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。そのうち、個人事業主やフリーランスの方を対象とする青色申告の基礎知識から、マネーフォワード クラウド確定申告で青色申告をするメリットまで、税理士の高橋和也氏が解説します。

【税理士が解説】初心者でも安心!青色申告ソフトで確定申告

毎年、多くの人の頭を悩ませる確定申告。確定申告には、青色申告と白色申告の2種類がありますが、白色申告より青色申告のほうが、メリットがあります。しかし、記帳などの作業に時間と手間がかかるというイメージがあり、青色申告を敬遠しているという方もいるでしょう。

そこでおすすめなのが、手作業でのアナログ処理を減らし、青色申告ソフトというIT技術を活用して青色申告をする方法です。青色申告ソフトを使えば、簿記の知識がなくても簡単に青色申告決算書を作成することができます。

初めて青色申告をする個人事業主やフリーランスの方のほか、副業をされている方にとっては、「そもそも青色申告の良さがわからない」「何から手をつけたらいいのかわからない」と思う人も多いでしょう。そこで、青色申告の基礎知識から、マネーフォワード クラウド確定申告で青色申告をするメリットまで、税理士の高橋和也氏が解説します。

確定申告とは?

確定申告とは、1年間の所得税の金額を自分で計算し、申告書を作成して、税務署に申告することをいいます。会社員の場合は、年末調整として会社が代わって1年間の所得税の金額を計算してくれますが、組織に属さない個人事業主やフリーランスの方は、自分で確定申告をしなければ所得税の金額がわかりません。

ちなみに、会社員でも2ヵ所以上から給料をもらっているなど複数の収入がある方や、副業をしている方、寄付控除や医療費控除などを行う方なども、確定申告の対象となります。

確定申告の種類には青色申告と白色申告がある

確定申告には、青色申告と白色申告がありますが、自分で確定申告書を作成することと、原則、毎年3月15日までに確定申告書を提出しなければならないことは同じです。(原則、3月15日までに行いますが、曜日の関係で前後する場合がありますので、税務署にご確認ください)。それぞれの違いは何かというと、会計帳簿の種類や、申告の際に提出する書類にあるのです。

青色申告は、会計原則にもとづいた正しい会計処理(複式簿記による帳簿の記載)が求められる代わりに、所得税の金額の計算において有利な扱いを受けることができます。
一方、白色申告は帳簿づけが簡単で提出書類も少ない分、特別な優遇措置はありません。
ただ、白色申告に帳簿の提出が義務づけられていなかったころは手軽さが魅力でしたが、2014年以降は白色申告でも帳簿の提出が必要となり、確定申告にかかる手間にそれほど大きな差はなくなりました。そのため、できればメリットが多い青色申告の検討をおすすめしたいですね。

青色申告の対象者とは?

青色申告を行うためには、税務署に個人事業を開業したことを知らせる「開業届」と、青色申告することを告げる「所得税の青色申告承認申請書」を決められた期限までに提出しておく必要があります。
そして、青色申告を行うことができるのは、事業所得、不動産所得、山林所得に関する業務を行う方に限られます。
今回はその中でも事業所得についての解説をします。

提出する申告書類は?

その年の事業所得を集計した結果を示す書類が、損益計算書1枚、損益計算書の内訳2枚、賃借対照表1枚の計4ページから成る青色申告決算書となります。ここで集計した事業所得をもとに、1年間の所得税の金額を計算する書類が確定申告書です。税務署への申告の際は、青色申告決算書と、個人事業主やフリーランスの場合は確定申告書Bを提出します。
それぞれの書類について、簡単に説明しておきましょう。

損益計算書
損益計算書は、1年間の収益と費用を記した書類で、年間どれだけ儲けたかという営業成績を表します。

損益計算書の内訳
損益計算書の内訳は、損益計算書の内容について、月ごとの売上と仕入れ金額、給料や家賃の支払い状況など、2枚にわたって詳しく記した書類となります。減価償却費の計算も行います。

賃借対照表
賃借対照表は、期末時点での資産・負債の状況を表した書類です。持っている現預金や在庫、車両などの資産の状況、借入金など支払わなければならない負債の状況が、ひと目でわかります。

確定申告書B
確定申告書Bは、年間の所得をもとに所得税額を算出する第一表と、第一表の計算の根拠となる情報を記入する第二表で構成されています。

青色申告のメリット

青色申告は、青色申告特別控除、青色事業専従者給与、減価償却の特例、純損失の繰越控除、貸倒引当金といった優遇措置を受けることができます。それぞれの具体的な内容をご紹介します。

青色申告特別控除

青色申告の最大のメリットは、1年間の所得(所得 = 利益とイメージしてください)から差し引くことができる青色申告特別控除が受けられることです。これは、複式簿記で帳簿を作成することによって、最大65万円の特別控除を受けられるというもの。つまり、控除とは経費に近いイメージなので、所得から差し引くことができる経費が最大65万円増えるということです。

所得税額は所得金額に税率を掛けて計算するため、青色申告特別控除を使って所得金額を減らすことで、節税効果があります。

例)事業所得が400万円の場合(所得控除等は無視します)

 

白色申告の場合
400万円 × 税率20% – 控除額42万7,500円 = 所得税37万2,500円

青色申告特別控除65万円を使った場合
(400万円 – 65万円) × 税率20% – 控除額42万7,500円 = 所得税24万2,500円

<所得税の速算表>

(出典: 国税庁ホームページ「所得税の速算表」)

上記のように、所得税だけで13万円の節税効果があることがわかります。
所得税だけでなく住民税(税率10%)や国民健康保険料の節税にもなるので、トータルの節税効果はとても大きいです。

ちなみに、青色申告の場合でも複式簿記による記帳を行わない場合には、控除額が10万円になってしまいます。せっかく青色申告にするのであればしっかりと要件を満たして、65万円の青色申告特別控除を使わない手はないと思います。

<65万円の青色申告特別控除を受けるための要件>
(1)不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
(2)これらの所得にかかる取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。
(3)(2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表および損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。

青色事業専従者給与

青色事業専従者給与とは、青色申告を行う人が経営する事業で家族や親族が働いている場合、まえもって税務署に届け出ておけば、支払った給与を全額経費にすることができるというものです。
仕事に見合った適正な給与設定であるといった条件はありますが、白色申告の場合は支払った給与額にかかわらず、最大年額86万円までしか経費にできませんから、家族経営の事業などでは活用を検討してみるのもいいかもしれません。

減価償却の特例

10万円以上の資産を購入した場合、原則として1年で全額を経費計上することはできず、減価償却によって数年かけて経費にします。しかし、青色申告をしていて一定の条件を満たす場合、30万円未満の資産であれば購入した年に全額経費にすることができるのが減価償却の特例です。
高額な機器を購入したときには節税効果が高くなりますので、知っておくと良いでしょう。設備投資にかかる金額がかさんだときはかなり役立ちます。

純損失の繰越・純損失の繰戻し還付

開業した年など、投資額が思いのほか多くて赤字になってしまったら、その赤字の金額を翌年以降3年以内の黒字の金額と相殺できるのが、純損失の繰越です。
これは、店舗を構えて開業する方などが享受しやすいメリットかもしれませんが、万が一業績が悪化して赤字になった場合も使えるので、知識として覚えておきましょう。

また、反対に前年度が黒字だった場合は、純損失額を繰戻して控除し、前年度分の所得税額の還付を受けることもできます。

貸倒引当金

貸倒引当金は、売掛金や貸付金が貸倒れたときの損失の見込額として、売掛金や貸付金の年末残高の5.5%までを経費にすることができるというもの。
サービスや商品の引き渡しから売上金の回収まで時間がかかることが一般的な業界(建設業やソフトウェア開発)など、掛け売りが多い業種の人にはメリットがあるかもしれません。

初心者でもミスなく簡単に確定申告を行うには?

簿記の知識がない、青色申告が初めてといった方でも、確定申告をラクに作業をするための方法もお伝えしましょう。

税理士などの専門家に相談する

ミスなく簡単に確定申告を行うベストな方法は、税理士に依頼することです。
専門家にアウトソーシングすれば本業に使う時間を増やすことができますし、専門的なアドバイスを受けることもできますよ。
確定申告の時期に開催されている税理士の無料相談会などで、不明点を質問していただくのも良いと思います。

ただし、「確定申告作業を請け負いますよ」とネット上などで呼びかけている方の中には、税理士登録をしていないのに活動する「ニセ税理士」もいるので気をつけていただきたいですね。納税者から依頼を受けて代理で税務を行ったり、税務署類を作成したりといった作業ができるのは、税理士のみで、税理士登録をしていない人が税理士業務を行うことは、税理士法に違反します。

ニセ税理士に依頼することで、思わぬ損害を被る可能性もあります。もし、税務調査で困ることがあっても、ニセ税理士は税務署との交渉ができないので助けてもらうことができません。確定申告を依頼する前に、必ず日本税理士会連合会公式ページで氏名を検索するなどして、依頼する相手が税理士かどうか確かめましょう。

確定申告ソフトを利用する

確定申告に関する一連の作業を効率的に行うための専用ソフトは、複式簿記の知識がなくても青色申告決算書を作成できるのが大きな特徴です。
税理士に依頼する予算がない場合や、税理士に依頼するにしても自分でも確定申告の仕方を覚えたいという場合は、確定申告の専用ソフトの利用をおすすめします。
最近の確定申告ソフトは一つひとつ仕訳を入力する必要がないので、自分が作業をしてがんばる時間や労力を減らしてくれることにもつながります。

「マネーフォワード クラウド確定申告」がおすすめの理由

確定申告をスムーズに行うことのできる専用ソフトはさまざまな種類がありますが、中でも「マネーフォワード クラウド確定申告」がおすすめの理由について紹介します。

作業時間を大幅に減らせる

これまでの青色申告ソフトでは、売上や経費を1取引ずつ仕訳として入力する必要がありました。1年分のレシートを入力するのは本当に大変で、量が多いと入力だけで1週間ぐらいかかってしまうことも。しかし、「マネーフォワード クラウド確定申告」なら、預金口座やクレジットカードとの連携機能を使えば、データ入力の手間を大幅に減らすことができます。また、請求書発行や経費精算ソフトとの自動連携機能を使うことで、非常にスピーディーに青色申告決算書を作ることが可能です。

もちろん、私自身の確定申告も「マネーフォワード クラウド確定申告」を使っています。預金口座、クレジットカードはもちろん、オンライン通販サイトとも連携しています。また、現金での買い物は、レシートをスマートフォンの「マネーフォワード クラウド経費」(※)アプリで読み込んで「マネーフォワード クラウド確定申告」に自動連携させていますので、仕訳として入力するようなものはほとんどないというのが実感です。

自分自身の確定申告作業にかける時間が大幅に減ったので、その分、お客様のための仕事の時間を増やすことができました。

※「マネーフォワード クラウド確定申告」を利用すればセットで使える経費精算ソフト。

簿記の知識がなくてもできる

預金口座やクレジットカードなどとの自動連携がない青色申告ソフトの場合、それぞれの取引に対する仕訳もみずから行う必要があります。どの勘定科目を使えばいいのか、この科目は仕訳の左側(借方)に入力するのか右側(貸方)に入力するのかなど、迷ってしまうことも少なくありません。

その点、「マネーフォワード クラウド確定申告」ならば、自動連携で取り込んだデータに関して、勘定科目の提案を自動でしてくれます。仕訳の左側と右側を間違えて、売上や経費がマイナス数値になっていたということもありません。
簿記の詳しい知識がなくても、ほぼ自動で正しい青色申告決算書を作ることができます。

サポートが充実している

「マネーフォワード クラウド確定申告」は、確定申告に不慣れな方や初心者の方にとって、わかりやすい解説とサポート体制が充実していますので、ぜひおすすめしたい青色申告ソフトです。

使いこなせるかどうか不安な方でも、電話やチャットでサポートスタッフが青色申告ソフトの使い方の説明をしてくれます(電話でのサポートは有料プラン)。また、税制変更に伴う機能改善などの場合でも、不明点があればサポートへ直接聞くことができます。
ただし、先述のように確定申告は「事業者みずから」が行うものですから、サポートスタッフに仕訳などの確定申告作業そのものに関する相談などをすることはできません。マネーフォワードのサポートスタッフは税理士ではないので、確定申告の仕方自体を教えてしまうとニセ税理士行為になってしまう可能性があるんです。その点はご理解ください。

申請も手軽にできる

「マネーフォワード クラウド確定申告」で作成した確定申告書Bと青色申告決算書は、印刷して税務署に直接持ち込むか、郵送で提出することができます。また、ファイル出力することもできますので、インターネット上で手続きできるe-Taxでの提出も可能です。

2018年度の税制改正により、2020年分の所得税から、青色申告特別控除額が65万円から55万円になります。しかし、e-Taxによる申告または電子帳簿保存を行った場合は、引き続き65万円の控除を受けることができます。

青色申告特別控除のメリットを最大限享受するためにも、今後はe-Taxでの提出がおすすめです。「マネーフォワード クラウド確定申告」からe-Taxで手続きをする場合は、「xtx形式」でファイルをダウンロードし、国税庁のホームページからインストールできるe-Taxソフト、もしくはe-Taxソフト(Web版)と連携して提出しましょう。

「マネーフォワード クラウド確定申告」は、個人事業主やフリーランスの味方!

個人事業主やフリーランスにとって会計処理は、これから事業を行っていく上で欠かすことができないもの。だけど、会計処理の作業の時間や手間はなるべく減らして、本業に集中する時間を増やしたい。
だからこそ、「マネーフォワード クラウド確定申告」を活用したり、我々のような税理士を頼ったりして、ストレスをかけずに作業していきたいと考える方は多いのではないでしょうか。

「マネーフォワード クラウド確定申告」を使って、毎月しっかりと見やすい帳簿をつけることで、事業の成績をタイムリーに把握することができます。また、自分自身へのやりがいにもつながりますし、紙と比べて帳簿の保管も楽になります。確定申告の期限が迫ってから焦る前に、2019年分の確定申告から、「マネーフォワード クラウド確定申告」の活用をぜひ検討してみてはいかがでしょうか?本当におすすめです!

監修:高橋和也(税理士)

マネーフォワード認定ゴールドメンバー税理士
HAPPY WOMAN実行委員会 副事務局長
東京大学アメリカンフットボール部 アカウンティングコーチ
高橋和也税理士事務所では、ビジネスから非営利団体、公益活動まで幅広くサポートしています。
「マネーフォワード クラウド確定申告」は、預金口座やクレジットカードとの自動連携機能のほか、請求書発行や経費精算ソフトとの自動連携機能を使うことで、簿記の知識がほとんどなくても青色申告決算書を作り上げることができるので、おすすめです。

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